2010/12/22  20:14

勝率の求め方  〜2011年:対戦理論

勝率の定義は「ある対戦に勝つ確率」です。
一般の意味と異なるので注意して下さい。
勝率を用いることで、より正確な考察が可能になると思っています。



〜目次〜
■1 勝率の2つの要素
■2 主観的な勝率と実際の勝率
■3 実戦における勝率の求め方
■4 勝率の歴史



■1 勝率の2つの要素

・起こり得る全ての状況(両プレイヤーのパーティで決定)
・それら状況の起こる確率(両プレイヤーの読み・立ち回りで決定)

ポケモンバトルの勝率を求めるには、上記の2つの要素が必要です。
勝ち・負けの起こる状況と、その状況の起こる確率が分かれば、
勝率が求まるという訳です。

以後、ある時点から起こり得る状況を「枝分れ」、
各プレイヤーが複数の選択肢をそれぞれ選ぶ確率を「選択確率」と呼ぶことにします。

試しに、次の2対2簡易モデルの勝率を求めてみましょう。
A1:ラグラージ HP:16 素早さ:3 ミロカロスに8 バシャーモに16
A2:ジュカイン HP:16 素早さ:5 ミロカロスに16 バシャーモに6
B1:ミロカロス HP:16 素早さ:4 ラグラージに16 ジュカインに8
B2:バシャーモ HP:16 素早さ:4 ラグラージに6 ジュカインに16

〜手順〜
まず、全ての枝分れを書き出します。
ttp://warriors.ongaeshi.biz/sub1/syoritsu01.txt

決着のつくターンから、勝率を求めていきます。
今回は、攻撃と交換を等しい確率で選びます。

>Turn5DCBC ...A実際0.5、A攻撃0.5、B攻撃0.5
>ジュカインHP8 ミロカロスHP8 控:ラグラージHP10 バシャーモHP16
> 攻撃×攻撃…Aの勝ち
> 攻撃×交換…Bの勝ち
> 交換×攻撃…Bの勝ち
> 交換×交換…Aの勝ち

この結果を、前のターンに持ってきます。

>Turn4DCB ...A実際0.375、A攻撃0.5、B攻撃0.5
>ラグラージHP10 ミロカロスHP8 控:ジュカインHP16 バシャーモHP16
> 攻撃×攻撃…Bの勝ち
> 攻撃×交換…Aの勝ち
> 交換×攻撃…Turn5DCBCへ。Aの勝率0.5 ←■これです
> 交換×交換…Bの勝ち

このようにして、最初のターンまで戻っていけば、勝率が求まります。
Aの勝率は37.5%、Bの勝率は62.5%です。
ttp://warriors.ongaeshi.biz/sub1/syoritsu02.txt

>Turn1 ...A実際0.375、A攻撃0、B攻撃1
>ラグラージHP16 ミロカロスHP16 控:ジュカインHP16 バシャーモHP16
> 攻撃×攻撃…Bの勝ち
> 攻撃×交換…Aの勝ち
>☆交換×攻撃…Turn2Cへ。Aの勝率0.375
> 交換×交換…Turn2Dへ。Aの勝率0.375



■2 主観的な勝率と実際の勝率

相手の持ち物、努力値配分、控えのポケモンなど、
ポケモンバトルには多くの不確定要素があります。
そのため実際の勝率とは別に、各プレイヤーが主観的な勝率を考える場合があります。

次の簡易モデルの勝率を求めてみましょう。
A1:サンダース HP:16 素早さ:5 カビゴンに4 スターミーに16
A2:ガラガラ HP:16 素早さ:3 カビゴンに12 スターミーに16
B1:カビゴン HP:16 素早さ:2 サンダースに8 ガラガラに8
B2:スターミー HP:16 素早さ:4 サンダースに16 ガラガラに16

Aの勝率は62.5%、Bの勝率は37.5%となります。
ttp://warriors.ongaeshi.biz/sub1/syoritsu03.txt

仮にBが「ガラガラの攻撃はスターミーに12で耐える」を思い込んでいる場合、
Bの主観的な勝率は100%になります。安定行動をしていれば負けません。
ttp://warriors.ongaeshi.biz/sub1/syoritsu04.txt

Bが思い込みをしている場合、Turn1では必ず攻撃を選択します。
このバトルのA勝率は75%、Bの勝率は25%となります。

Bが思い込みをしておらず、正確なダメージを知っていれば、

>Aの勝率は62.5%、Bの勝率は37.5%となります。

です。
思い込みによって、Bの主観的な勝率は37.5%から100%に上がったものの、
実際の勝率は25%に下がってしまいました。

このように、各プレイヤーは主観的な勝率に基づいて選択確率を決定します。



■3 実戦における勝率の求め方

「起こり得る全ての状況を書き出し、
決着のつくターンから順に勝率を求めていく」

という方法で今まで勝率を求めてきましたが、
実戦における勝率は、この方法では求まらない場合が多いです。

〜枝分れの問題〜
理由の一つとして、枝分れの数が膨大、というのが挙げられます。
各ターンに両プレイヤーが考えている選択肢が2つある場合、
5ターン後には1024の結果が考えられます。
最初のターンで全ての枝分れを把握するのは不可能です。

〜選択確率の問題〜
どの程度先のことまで考えているのか、不確定要素をどう推測しているのか、
どう選択確率を導くのか、再現性はあるのか等、
実戦における選択確率の研究は全くされていません。

現時点では実戦における勝率を求める方法は存在しません。


参考:
Aim at professional 別館 様
『Aim at professional 「第10章 最善の選択肢」 補足説明』
http://aphamahito.blog130.fc2.com/blog-entry-26.html

GameDeep 様「人の限界とゲーム」
http://gamedeep.niu.ne.jp//yapw.cgi/%BF%CD%A4%CE%B8%C2%B3%A6%A4%C8%A5%B2%A1%BC%A5%E0?time=1144922291



■4 勝率の歴史

【2004年】
POKeDEX 250のアドバンス掲示板にてゲーム理論に関する議論が行われました。
参考:「強い」とはどういうことか
http://www.pokedex.jp/forum/gba/bbs.cgi?id=2s9vud
参考:「強い」とはどういうことかVer.2
http://www.pokedex.jp/forum/gba/bbs.cgi?id=3d8rk7

【2005年】
わんおーさんが行動選択に確率の概念を用いていました。
>少なくとも2005年頃には行動選択に確率の概念を持ち込むのはすでに使われてました
http://wannonk.seesaa.net/article/160920731.html#comment

【2006年】
はまっちゃった人さんが利得量の一つとして勝率を使用しました。
まったりポケモン日記 様(管理人:aonaさん)の記事によると、
2007年の時点でゲーム理論の観点から研究されている方がいたようです。
http://aonablog.blog54.fc2.com/blog-entry-123.html

【2007年〜2009年】
Maximsterにて簡易モデルの勝率を求める実験・研究が行われ、枝分れ、選択確率(選択比率)、
主観的な勝率、実際の勝率といった、勝率を求めるための用語ができました。
http://warriors.ongaeshi.biz/sonota/maximster/bbs/bbs.html

【2010年】
2対2シングル簡易モデル用 勝率計算機が作成されました。
http://www21.atpages.jp/maximster/maximster018.html



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