たばこと塩の博物館で目にした、心温まる話。
株式会社岩崎という、食品サンプルの会社がある。
ある年、社はこの技術を食品サンプル以外にも生かすべく、岐阜工場の倉庫でザトウクジラの実物大レプリカを作り始めたのだそうだ。
10年を経て、全長16メートル以上のザトウクジラが完成した。
寄生するフジツボまで再現した、素晴らしい出来栄えだった。
このレプリカはテレビで紹介され、各地から貸し出し依頼が相次いだ。
けれど問題があった。
レプリカを作るために増築した倉庫は、壊さなければクジラを出せない。
そしてもっと重要なことに、工場へ至る道は幅が広くないので、クジラを運べるような大きな車は入れない。
かくして今も殺風景な倉庫の倉庫の天井で、ザトウクジラは泳ぎ続けているのだそうだ。