はな-づかれ【花疲れ】
春の季語。花見に行った後のぼんやりとした疲れを表す言葉。
駅前を離れて人の家の並ぶ辺りに来ると、どこからともなく金木犀の香りがする。
本数は少ないから、オレンジ色の花を目にする機会はあまりない。
けれど香りだけが空気の中に漂って、そこかしこで嗅覚に引っかかる。
どちらの方向に歩いてもほのかな香りが途切れずに続いていて、昼夜を問わず、経路も問わない。
芳香剤なら嫌な臭いで済ませるものが、なまじ自然の香りなので切り捨てがたい。
鼻疲れ。
自宅のドアを閉めて、深く息をつく。
ある意味、芳香剤より始末に悪い。
誰が家の桂花ぞ暗に香を飛ばす
秋風に散じ入り街中に満つ
(原詩:春夜洛城に笛を聞く)