『博士の愛した数式』が図書館で見つからなかったので、代わりに借りてくる。
数学者の藤原正彦さんと、『博士の愛した数式』の著者の小川洋子さんの対話でできた本。
数学がいかに美しいかということを、めくるページ、めくるページで語り尽くしている。
二部構成の第一部の表題が「美しくなければ数学ではない」、第二部が「神様が隠している美しい秩序」であるという一事でこの本の性質がわかる。
証明されていない理論の正しさを確信する学者がいる。
その人に対して、どうしてそんな確信を抱いているのかと問うと、
「数学的にこんなに美しいものが嘘のはずがない」
という答えが、当たり前のように返ってくる。そういう世界。
多分だけど、正しい事は別に美しいとは限らなくて、美しい理論もあれば醜い理論もある。
普通に美しい理論だと、証明してみたら間違ってたってこともあるんじゃないかと思う。
でも、途轍もなく美しい理論は、きっと、必ず正しいのだろう。少なくとも、数学の世界では。
そういえば本書の中で、美しいけど証明してみたら間違っていた定理が、別の理論で思いがけないところで顔を出すってケースがいくつか紹介されていた。
それとは別に、正しくて醜い理論が一皮剥いたら美しくなるっていう、醜いアヒルの子みたいなケースってないんだろうか。
『世にも美しい数学入門』藤原正彦/小川洋子 筑摩書房