たらいまわし企画・第44回「種子を蒔くもの、花と緑の物語」
「
たら本」というのを見つけました。
正式名称は「たらいまわし方式・本のトラックバック企画」、
毎回違う主催者さんがお好みのお題を出し、参加者はお題にそった本を
ブログで紹介し、トラックバックする、というものだそうです。
今回が第44回。面白そうなので、ちょっとやってみます。
今回の主催者は
GREENFIELDSの美結さんで、
お題は「種子を蒔くもの、花と緑の物語」。
思い悩んだ挙句、4作品を選択。
『永遠の森 博物館惑星』菅浩江/早川書房
地球の衛星軌道上に浮かぶ巨大博物館アフロディーテを舞台にした連作SF短編集。
お題からまず思い浮かべたのは表題作だけど、イダルゴの蓮を巡る最終話もそうですね。
「永遠の森」は、盗作問題で揺れるオルゴールとバイオ・クロックの物語。
二つの作品が並んで作動した瞬間、同時に立ちのぼる亡き製作者たちの想いが切ないです。
「ラヴ・ソング」は、イダルゴの蓮とグランドピアノを巡る物語。
ピアノと蓮と登場人物の、それぞれのラヴ・ソングが縒り合わされます。
演奏会の開始から終幕までは、圧巻の一言。
『いざ言問はむ都鳥』沢木喬/東京創元社
植物学者を主人公にした連作推理短編集。
毎回、謎に関わるか瓦内を度外視して、植物にまつわる話がたっぷり語られます。
推理小説としては、もつれたものが鮮やかに解きほぐされる、というより
むしろ、気になるたるみやしわを両側から布地を引っ張って伸ばすような、
冷静な味わいがあります。
『醜い花』岩波書店
絵本で、文章は原田宗典さん、絵は奥山民枝さんが担当しています。
主人公は「醜い花」。それが植物の名前で、固有名詞でもあります。
世界で一番醜くて、酷い匂いをしているその花を、誰もが忌み嫌っています。
けれど、性根は決して醜くないその花は、忌み嫌われていることを
深く悲しみ、悩み、自分を責めます。
理不尽だけど、でも、とても印象深い寓話です。
奥山さんの絵も魅力的。
『ひみつの植物』藤田雅矢/WAVE出版
著者紹介では「筋金入りの植物ハカセ」になってるけど、これはもう植物オタクの域では?
不思議な植物の話を聞くだけで胸を高鳴らせ、写真を見てどきどきし、
実物を前にして目をきらきらさせ、世話をするたび、心のどこかがスキップしてそうな人。
そういう人が自分の愛する不思議な植物について、それはそれは楽しそうに語った本。
植物を育てる趣味はあんまりないので、自分で育てようとは思いませんが、
石ころそっくりの菊や変わり咲き朝顔やピンクのタンポポや刺のないサボテンや、
緑のサザエが集まったみたいなカリフラワーや、その他諸々の不思議な植物の
写真を見て、説明を読むだけでも面白いし、心底、楽しそうな著者の様子に、
こちらまで楽しくなります。

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