えー、よくわからんです。2回ほど見直しましたが、そんでもよくわからんです。ともかく今更ながら、最終回の感想。
最終回ということで、画はさすがによかったですね。特に敵のゴーストとルカのゴーストの動き。やはりゴーストが速いのは燃える。人の顔も崩れることなく、画についてはきれいなまま終われたかと。
ただ、脚本はワケがわからなかった。勢いで進むにしたって限度というものがあるというか……今までの話で何を描いてきたのか。勢い重視の最終回でぶち壊しになった点が目に付いた。
ギアスR2は中盤から方向性をシフトしたので、最後の方ではわりとすんなり「なんか前と違うこと言ってるけどそういうアニメだから仕方ないか」と納得できてしまうことも多かったが、この作品はラスト近くなってから(というか、それこそ最終話で)理詰めから勢い重視に方向性をシフトしてしまったので(「あのまやかしを撃て!」/フロンティアの面々の言うことをあっさり信じてレオンさんを逮捕する上層部/とってつけたような例の歌舞伎ゼリフ/なんでもいいから詰め込め、とばかりのメドレー/脳から腹部に移動するV型感染症の菌/「被弾したおかげでやっと奴らの支配から逃れられた」/「バカッ!」バチーン/謎ゼリフ「バジュラは、おなかで歌うんだよ!」などなど。そのすべてが悪い、と言うつもりはさらさらないけど)、最後の最後に「ご都合主義」ないし「投げっぱなし」という形でツケがまわってきてしまった感あり。方向転換するならもっと早めにするべきだった。シェリルの薬の伏線消化などは優れていただけに、残念。
まあ、「歌でオールオッケー!」てな展開は毎度のことなので、そこを否定するのはマクロスシリーズを否定することになるのかもしれませんが(プラスなどはともかく)……エンターテイメントな爽快感重視展開と理詰め展開を両方行うのは難しいってことですね。
というかまあ、最終回がこういった展開になってしまったのは明らかに尺不足の影響もあったのだろうな、と(ランカの説明ゼリフとかも。アレはないわなー)。無理やりハッピーエンドにしようとしてなんでもかんでも詰め込んでしまった感。解決させるしないはともかくとして、劇中でアルトと父は少なくとも対話させるべきであったと思うし、かといってシェリルが完治する必要はなかったと思う。シェリルの運命とか、解決されなくてもいいことまで解決されてしまったというか、その点だけ見ればポニョのラストみたいな感じ。そして一番解決すべきであった三角関係は放置。ドラマの中心としてずーっと描いてきたパートなのにそこを解決しないとか、視聴者を舐めてるのか?
にしても、最後までランカは好きになれなかったなぁ。序盤では彼女とシェリルは好対照というか、それぞれにそれぞれの魅力があるように見えていたんだけど、ガリア4のコンサートあたりからどうにもこうにも見られなくなった。シェリルに比べて色々と軽すぎるとでもいうか。かたや「あなたはどうあがいても死ぬ」と言われ、かたや「アルト君は、アルト君は」みたいな。序盤でシェリルがリードしていた分、中盤でアルラン化したのはナチュラルではあるし、そうあるべきだったとは思うのだけれど。各エピソード内での統一がなされていなかったというか、アルランパートだけが浮いていたというか。まして21話のアレ。で、シェリルへのビンタ。…まあ、流れからいえばシェリルは叱咤されてしかるべきなんだと思うけど、それをランカにやらせるか?と。アルトがビンタするならともかく。
そして何の罪悪感もなさそうな顔で「私、負けません!」。このスタッフはランカマンセーさせたいのか、それとも心底ランカを嫌わせたいのかどっちなんだ。まあ後にランカは傷つけた人々には謝罪するんだろうけどさ(まさか「私、全部グレイスさんの掌の上で踊らされていただけなの!」とか言わないだろうし。いや、どうかな…)。フロンティアで説明してた時も、あまりにもしれっとした表情すぎて引いた。
観かたはいろいろあるワケで、「いや、最後まで一貫してまとまってたよ」という感想の方もいらっしゃるでしょうし、このアニメをラブストーリーとして観ずに、あくまで「三人の物語」として観るならばまた違った感想も出てくると思います(「三角関係」ではなく「三人で一緒」)。が、俺としてはさっぱり納得のいかないラストでした。『School Rumble』とかなら投げっぱなしエンドでも納得がいったのだけれど。しかし俺がスクランのラストに納得がいったのは、かの作品がひたすらに繰り返しを描いていたからであって、こういった最初から2クールと期間が決まっており、なおかつ「ラブストーリーを描くと視聴者から期待を受けている」作品で投げっぱなしエンドを用いるべきではないと思う。まして、三角関係を中心に描いてきたのだから。
この作品において評価に値するのは、作画と戦闘シーン、それからいくつかの話の脚本、あとミシェルとクラン大尉。戦犯を挙げるなら吉野弘幸。構成があまりにもダメダメすぎた。中盤の展開はもっと改善のしようがあったはず。構成は他に任せ、彼は各話の脚本に専念するべきだった。17話などは見事なプロットだったのだし。
劇場版は観に行くつもり。ただし決して期待はしない。25話使ってまとめきれなかったものをまとめきれるとは視聴者もなかなか思えないのでは。
最終回のクラン・クラン大尉 あとミシェル
足届かないだろ大尉、とかそういうツッコミは置いといて、ミシェルの遺したブルーのパーソナルカラーのVF-25で出撃。被弾後、アルトにミシェルの使っていたライフルを渡し、グレイスさんへの最後の一撃のお膳立てを果たしました。その時にはちょっとした(そして取ってつけたような)ミシェルの回想がインサートされたけど、結局アルトにとってミシェルの存在がどういったものだったのか、よくわからないまま終わってしまった感。この辺は描き方が下手だったとしか。
そしてやはり、大尉にとってハッピーエンドとはとても言えない結末。他の部分で蛇足をつけるようなら、ここにも幸せな、ご都合主義な蛇足があってもいいじゃない、と思っても誰も咎めないよね?まあ、なかったんだけどね。
この二人を主人公にして1本シナリオが作れるくらい、ミシェルと大尉の関係は魅力的な設定だったわけですが、結局生かし切れたのかな?ミシェルの死(と、それを機にした大尉の後押し)はアルトにとってターニングポイントになり、シェリルに対して素直に向き合い、やがてはグレイスさんへの最後のセリフへとつながった…ような気はするけど。それでも、「三角関係に決着をつけなかった」というのがネックとなって、やっぱりアルトが愛について真摯に向き合っていないような、そんな感覚を覚えるのよね。そりゃあまあ、「どちらかを選ぶ」=愛ではないのだろうけど…。
ともかく。クラン大尉とミシェルの二人はとても魅力的なキャラクターでした。しかし、その魅力的なキャラクターが結局のところメインの恋愛模様の踏み台となるだけで作中の役割を事実上終えてしまった、というのはあまりにも残念、そしてもったいなかった(そして個人的には三角関係でのシェリル以外の二人が魅力的とは言えなかったのがまた口惜しい)。劇場版では大幅に改訂されることを望みます。いやホントに。だってミシェルが死んだ回の次からホントに真面目に観る気が失せちゃったんだもんよ。
これにて『マクロスF』の感想は終了。途中までは充分に楽しんでいましたが、中盤から後半にかけては尻切れトンボというか竜頭蛇尾というか。優れた脚本家は決して優れた構成作家ではないのだなぁ、というのがこの作品を一言で表した言葉かと。以上。スタッフの皆様、お疲れさまでした(劇場版はもっと構成がんばってね)!