「雑記#85 WiiのDemo Play(仮称)機能について」
ゲーム
このニュースは衝撃的でした。
宮本茂氏、Wiiのゲームに搭載する“ヘルプ機能”の存在を認める - Game*Spark
「スーパーマリオギャラクシー2に深いストーリーは必要ない」発言や、英国でゲーム開発者のヒーロー第1位に選ばれるなど、E3後も話題の絶えない任天堂の宮本茂氏。今週、USA Todayの取材に対し、Wiiのゲームに今後搭載されるというヘルプ機能の存在を明らかにしました。
“Demo Play(仮称)”と呼ばれているこの機能は、New スーパーマリオブラザーズ Wiiで初めて導入される予定で、主にゲーム初心者のプレイを助けることを目的としたもの。プレイヤーがゲーム中で行き詰まりステージの先に進めなくなった際に、(コンピューター)が自動でそのステージをクリアしてくれるそうです。「今後他のゲームにも導入していく」と宮本氏は確認。
(中略)
このヘルプ機能は、低年齢層やライトユーザー層が、一般のユーザーと同じようにゲームを楽しむための助けになりそうですね。
初心者救済は実に結構。ただでさえライトゲーマーとヘビーゲーマー間での差は広まってますし、この機能がその格差を縮める一助になれば…と思います。
ただその「お手本」を見て、ライトゲーマーはその手本通りに「自分でもプレイしてみよう」と思うのかな?という疑問があります。「クリアした」という結果さえあればいいとは思わないのかな、と。
東方ProjectのSTGにはリプレイ機能が備わっていて、これによって自分のプレイを保存して鑑賞できたり、攻略wikiや掲示板など各所にアップロードされている他のプレイヤーのリプレイファイルを保存することにより、他人のプレイを鑑賞することもできます。僕もしばしば攻略時に他のプレイヤーの戦法をこれで参考にしてたり。
とはいえ、そのリプレイを観たところでたちどころにゲームがクリアできるわけではない。結局、攻略法を知っても実際にプレイするのは自分なんですよ。たいていはリプレイ通りになんてプレイできないし。そして、だからこそ打開できたときの爽快感と達成感もひとしおなのです。
ところが、このDemo Play(仮称)機能だと、「正解」と言えるリプレイを見られると同時に、「クリアした」という結果までもがついてきてしまう。こうなると、詰まってしまったステージよりも難しいであろうそれ以降のステージも「正解」を眺めているだけ……ということになっちゃわないか?と。
これはまったくの私見なのですが、「ゲームの楽しさ」っていうのはトライアンドエラーによる問題解決だと思うのです(RPGを除く)。何度となく失敗と試行錯誤を繰り返し、「今までできなかったこと/場所ができるように/越えられるようになった」という、自分が上手くなっていく感覚(これはスポーツだったり勉強にも言えるかもしれません)。その根源的な感覚を「ゲーム」という娯楽から失わせる(少なくとも、ライトゲーマーはそれを味わわなくなるかもしれない)ことにはならないかと。
そしてそれを“任天堂が”導入するというのがまったくもって驚きでした。というのも、トライアンドエラーの面白さを僕に教えてくれたのがマリオシリーズ(と、ロックマンシリーズ)だったからです。「死んで覚えろ」というのが当然の世界は、しかし挑みがいのある世界としてそこに存在していたのです。それに対しての今回のこれは、言ってしまえば「見ているだけでもゲームはクリアできる」ということになるわけで、いよいよもってゲームは「観る娯楽」になってゆくのだろうか……といった思いです。ムービーゲー(FFXの最終盤までの一本道マップは当時のFFというシリーズの姿勢を表していると思う)とか、「プレイ動画」という文化とか、その辺も絡みつつ。
ただまあ、同時に「仕方ない」と思う側面もあります。誰もが熱中しながらゲームをプレイするわけでもないし、誰もにトライアンドエラーで活路を見出すのに十分な時間があるわけでもない(そしてゲームはゲーマーのためにあるのではない)。1日1時間で超魔界村を一から攻略しようと思ったら何日かかるかわからないし、多くの人がクリアをあきらめてしまうでしょう。それに、観ただけでクリアしたことにはならないとはいえ、僕らが東方のリプレイを観るのだって、結局は「早くクリアしたい」という思いがあるからです。RPGなどで初プレイでも攻略本や攻略wikiを使う人だってザラにいるでしょう。Demo Play(仮称)機能は間違いなく、そういった人々が存在していることも汲んで開発されたシステムです。それゆえ、僕がこうやってトライアンドエラーがゲームの本質なんだ云々言って批判することはできないのかもなぁ……と思ったり。
いやはや、「プレイ厨乙wwwwwwwwwww」という煽りがゲハで見られる日もそう遠くないのかもしれませんねぇ……。

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