2017/12/29

杜人256号  ぼじょれ  川柳

  ボジョレーヌードお母さんヌーボォです   鈴木逸志

同人作品の中で此の句に出会って嬉しくなった。
いつだったか「杜人」の句会吟が好きだと書いた。何時でも、開いてすぐに句会吟を読む。
此処の句会吟は愉しいのだ。期待を裏切らない面白さがあって、力を抜いた位相で川柳性の心地よさが交換されている。これが創作に及んで、こんな楽しい句が顕われる!

其の「杜人」が規模の大きな「創立70周年記念句会 山河舞句追悼句会」を開催されたのだから、さっそく入選句を愉しんだ。

  大ボスになるまで僕は帰らない     松永千秋
  優しいと漢字で書けば嘘になる     なかはられいこ
  待つ人と待たれる人の数が合わない   兵頭全郎
  標本の座敷童を待っている       小池正博
  席に着くアタマヲクモノウエニダシ   なかはられいこ
  二の腕に路面電車の座席表       小池正博
  プルーンの種植えていた席ですが    野沢省悟  
  席空いて世界の天気確かめる      樋口由紀子
  昼寝する前はジプシーだったのに    樋口由紀子
  秋ですね卵を食べて卵生む       小池正博

これらの、いわば「杜人」の圏外からの出席者の筆致が愉しそうだ。
何時もより僅かだが川柳への自己解放感が膨らんでいると感じられる。

10人程の同人で70年も続いた結社。其処にごく自然に醸し出された良き空気が在るのだ。

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2017/11/14

ディユーク・エイセス  川柳

ディユーク・エイセスの解散が報じられた。

ゴールデンゲイト・カルテットの『ジェリコの戦い』をラジオで聴いてレコード屋へ走った。もう半世紀を過ぎている。
外タレブームの折に京都会館でナマを見て聴いて、日本でこれが歌えるか?無理だろうと思って居た。
ところがディユークのナマを聴いて、まあこれなら立派なもんや、と。
爾来、ソフトなゴスペルは他のグループではアカンと決めた。

旧い話で恐縮だが、例の「夢で逢いましょう」でトップテナーの交代を見せるイキな計らいを思い出す。
だが、グループそのものが解散だという。
3

2017/10/16

書きました  川柳

「つづきの木のコラル」にちょっと長いものを書きました。
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2017/9/14

海地大破さん  川柳

海地大破さんが亡くなったと樋口由紀子さんから通信。

自己の嗜好を全うする書き方で抒情に大衆性が在った。
だから、時勢の変化で大衆性の質が変わると、置いてけ堀になる。
川柳でよく言われる大衆的な《共感性》の変化と、個人の嗜好の頑なさの関係性には、何時でもキツイ非情が纏わっている。

過日、8人で『現代川柳の精鋭たち二八人集』から大破の句を抜粋したときに

  足跡がだんだん薄くなる時間

を4人が推奨した。他者と共有される〔自虐と諧謔〕のセットされた図式は、すごく普遍的で且つ大衆的なのだ。一句に作者の像を望む近代精神は、川柳では一般的に抒情になって居たが、大破は此れに穿ちの非情を混ぜようとしていた。

川柳性に惹かれている自己肯定と、抒情への嗜好、その煩わしさのクチャクチャとの対面が大破は好きだったのだ。そしてクチャクチャが自覚されたときに一句は――大衆へ提出物となったのだ。

クチャクチャの認識の自認が在って、抒情化の意識より、いわば使い慣れた?川柳性に任せる時に

  行き過ぎてあれは確かに鳥の顔
  似顔絵が似ていないので安堵する

が書かれた。

大破さん、結構、やったねえ。




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2017/8/30

「垂人」31号  川柳

「垂人」(たると)31号をいただいた。この数号の表紙(写真)の美しさ!、圧倒されている。

  行く春の千切れた弊が水たまり    野口 裕
  忘れずになまんだ来たか水に月    鈴木純一

作者の位置が、キッチリと同じで、何れも佳句。脱帽!。こんなことが在るのだなあと、感心。

この数号の「垂人」の作品の特徴、慾の無さが今号で頂点に達したかの感がある。元々、さらっとした手触りの句が並ぶ傾向で、活字の並びや行間の余裕が在って、ご本人たちの意識が、いわば簡潔、夕涼みの微風の感とでもいうか。尤も、40年間、菓子製造工場で働いた当方にはいつでも「垂人」の響きはタルトで、此ればかりは致し方なし。


  いっせいに走りだしたる曼珠沙華     川村研治
  こんにゃくに出汁がしみこむような「好き」中西ひろ美  
  罅われて溶け出しそうな声つかむ     高橋かづき
  水仙は夜間飛行をすませたり       佐藤榮市
  もうなにがなんだか春になっている    広瀬ちえみ
  壊れずによくお戻りになったわね     同
  たけのこや父ににているあねいもうと   ます田さなみ

句を引きながら、これらの無欲の空気がそのまま表紙のカメラアイ、カメラを持った子供の様な愉しみになっているのかなと拝察。  
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