7月12日日曜日、鷲宮にフラリと行ってきた。
「か、勘違いしないでよ! 別に『らき☆すた』のファンってわけじゃないんだからね!! 『季刊 まちづくり』第22号(09年4月)の特集「観光立国時代の地域づくり」に『らき☆すた』町おこし事例のこれまでの経緯がまとめられてるのを読んで、冷やかしに行ってみただけなんだから!!」
…こんな感じだろうか?
いや実際、『らき☆すた』は読んだことも観たこともないのだが、町づくりとオタク文化との融合の成功例として関心を持っていたところでくだんの特集を読んで、いちど現地に行こうと思ったのである。
ウェブ上では以下のURLに詳しい。鷲pediaでググってもヒットしないからちょっと難儀だ。
http://www.cats.hokudai.ac.jp/~deko/washipedia.html
さて、行ってみるかと思い立ったが下調べなどしないのが私である。行ってみれば何とかなるだろうと、JRの東鷲宮駅で下車。しかし、ここから鷲宮神社はタクシーで10分、歩きなら30分はかかる距離なのであった。最寄り駅は東武伊勢崎線の鷲宮駅、JRを利用するにしても、東鷲宮の一つ前、与野で東武線に乗り換えるべきであったのだ。
しかし天気は幸い薄曇り。気温もさほどではなく、歩きがきつい日ではなかったので、「知らない街を歩くのは娯楽のうち」と歩き出す。

そして廃車置き場に行き当たる。画像のブルーバードをはじめ、ただの廃車置き場にしては、置かれた車がちょっと古過ぎる感じだ……。

……と思っていると、くだんのブルーバードの陰には名車SR311フェアレディが!! 傍らの草むらに埋もれた車もどうやらコンパクトなオープンカーの様子。いずれレストアするつもりなのかパーツ取り用にキープしているのか、相当にマニアックなジャンクヤードだ。

しかし、夏草の茂る勢いの前に、廃車体は身じろぎもできずただ埋もれるだけなのであった。かろうじて屋根があるとはわかるが、それ以上のことは不明という一台。

話が逸れたが本題に戻る。青毛堀川に沿って歩を進めると、東武の鷲宮駅か伸びる通りと交わるところに一軒のそば屋が建っていた。
何の変哲も無いふつうのそば屋だが……。

『らき☆すた』ののぼりが立てられている。このお店、メニューにも『らき☆すた』関連のあれこれが用意されているそうだ。

別の店では「らき☆すた せんべい」に「清酒 らき☆すた 純米酒」が売られていた。せんべいはともかく清酒とは。未成年お断りのキャラクターグッズというのはなんだかスゴい。ラベルには「成年向け」と黄色い楕円形で表示してあったりするのだろうか。

茶屋の傍らの掲示板に貼られていた模型店の広告。「ラジコン」「ミニ四駆」「鉄道模型」と同列に「らき☆すた」が並ぶ。ただ、後で実際にお店へ行ってみたが、それほどのスペースを割いているわけではなかった。現状で最新のfigmaであるみっくみくなかがみが置かれてなかったのは、売り切れなのかそもそも仕入れていないのか。

鷲宮神社の鳥居前の茶屋、「大酉茶屋」は遠目に見る分にはふつうの茶屋だが…。

2階には「らき☆すた」展示コーナー。

入り口の傍らには、巫女装束の柊姉妹のイラストが彫られた、黒御影石製のモニュメント。調べると、ここは「鷲宮町商工会のアンテナショップ」なのだそうだ。

バスの便は悪い。ていうかこれ現役の停留所なのか?

さてようやく鷲宮神社である。見てのとおり、まずはふつうの、というかかなり立派な神社だ。

しかし「絵馬掛け所」は独特のムード。このあたりから駐車場にかけてはソレっぽい参拝客の姿も多数みられた。

クリックで拡大表示。「らき☆すた」と無関係なキャラクターも少なくない。ただ、それ以上に目を引いたのが、これらと並んでごくふつうの「○○大学合格」「お父さんの足がはやく良くなりますように」といった願を掛けた絵馬が見られたこと。いやまぁ、あって当然なのだが、変に住みわけとかせず、共存というかフツーに並んでいるのが興味深かった。

というわけで、下調べもせず買い物もせずにダラリと一通り歩いただけだったが、それなりに楽しかった。ただ、鷲宮神社から鷲宮駅までの通りはシャッターが下りたままの店舗も多く見られて寂しい風情。何といっても、駅の一階部分にも店舗が入っていないくらいだ。おそらく、街の中心がこちらのほうではないのだろうが…。
また一面では、こうした規模の街だからこそ「らき☆すた」と連携しての町づくりが成功したのではとも思う。コンテンツ自体の魅力、町の適正な規模、そして双方の関係者の理解と尽力…。鷲宮の「らき☆すた」事例の成功を踏まえた応用が、いずれ余所の町でも試されようが、これら条件を満たすのは思っている以上に困難なのではないだろうか。
現に、尾道の町は協力的だったのにコンテンツが壊滅的に不人気で不発に終わった「奥様は魔法少女」のような事例もすでにあるわけで、そうした失敗事例の研究も今後重要になると思われる。

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