相も変わらず
おしゃれじゃなくてすいません。苦笑
わたくし
北方謙三氏の名作
北方「水滸伝」は数年前に読み終えて…
続編の
「楊令伝(ようれいでん)」
を読んでいます。
文庫本化されたものが去年から月一で出ているのです。(現在までに八巻)
それが最近の楽しみのひとつでもあるわけでして。
作中、数多くの名場面(名文章)がありますが
いつものようになにげなく読み進めていると
またしても心に残る文章にぶち当たってしまい、その先の文章が頭に入らなくなってしまったのです。↓
「楊令伝」 七巻 226頁抜粋
梁山泊の塩の道、南の交易担当、体術の達人でもある燕青(えんせい)の件(くだり)
「笛を吹きはじめると、無心になる。特にひとりで吹く時は、踊りに合わせるために、眼を開けていることもない。
心の底から湧いてくる音を、そのまま笛を通して出している。そんな感じになる。音は、笛を唇に当てた瞬間から、湧き出してくるのだった。
生きることを、愉しいと思ったことはなかった。もともと、悲しみを抱えて、生まれてきたような気がする。その悲しみを、わずかでも癒し続けていくというのが、人が生きるということなのだ。
笛の音(ね)に、悲しみが乗る。それを癒そうという思いも、また混じりこんでくる。生きていてもいいのだ、と自分に語りかけているような気分にもなる。
自分は、生きていていいのだ。人はみんな、生きていていいのだ。
心が澄みわたってくる。悲しみが、遠ざかる。しかし決して消えはしない。星のように、遥か遠くで冴えた光を放つ。悲しみの数は、無数にある。その光を、忘れなければいい。雲で隠し、霧でかすませたりしなければいい。
悲しみとともに、人は生まれてきたのだ。生まれた時に抱いていた悲しみと、死ぬ時に抱いている悲しみは、どこか違う。その違いこそが、生きていた証だ。」
(↑コピペではございません)
もうなんて言うか…
ぐわ〜っと来ちゃったんです。
電車の中
フッと本から目を離して
思わず息を吐き出して、遠い目をしてしまうほどに。笑
まぁ気になった方は是非
北方水滸伝(全十九巻!)から読んでみてくんさい。
好き嫌いが分かれる
時代/冒険/活劇/悲哀/小説ですが…(なんせハードボイルド作家ですから)。
※注:ぐわ〜っと来るかどうかは個人差があります。


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