2011/4/6

極北クレイマー  
 ちみちみ大事に読んでいこうと思っていた「極北クレイマー」(海棠尊著/朝日文庫刊)をうっかりイッキ読みしてしまいました。ちょほほ。

 「北海道の財政破綻寸前の市の市立病院に赴任してきた非常勤医師の奮闘記もちろんフィクション」なんだけど、毎度ながら海棠先生はなんともリアルな逆境と、そこの人々を描くのがうまいなあ。
 この大雑把なあらすじ↑だけで、あそこがモデルか!と判ってしまうんだけど、絶対読んでいくうちに「ちくしょうハラたつなー」と主人公に感情移入しまうんだよね。
 力のなかった主人公がぶーたれながらもひとつひとつの問題に真摯にあたっていく姿、シリーズのメインキャラが時々出てきて引っ掻き回したり救いの手をのべたりする待ってました感、理不尽に対する男気、狡い人間のほろ苦い可笑しみなんかがてんこもりとな。

 だけどちょっと残念なのが、次の話に持ち越しの問題とキャラが大きすぎたのでやや消化不良気味でした。いやもう最後の20ページで「この残り枚数じゃオチがつかないのでは?」とひやひやしはじめてたのよ。
 結果、話としては一区切りついたところで終わっていたけれど、やっぱりナイチンゲールの時のように「つづく」の文字が大きすぎたかな。

 たとえば、夢を見ているとき唐突に「これは夢だ」と気がついてしまうと、それまで自分主体で進んでいた夢がいきなり自分から離れて別の誰かの問題になってしまったような疎外感を感じて目が覚めた時のような、ちょっとさびしいような感覚ですわ、あの結末。

 そこで改めてオビを見たら「ジーン・ワルツへの序章」とか書いてありましたよ。

序章だったのかい!
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