2015/3/31

ISについての本のこと  
 庭本の下書き完了。
 封殺本で四苦八苦していた分、今度のレポートっぽい漫画はつるつる描けました。これからペン入れに入ります。

「イスラム国・テロリストが国家をつくる時」(文藝春秋刊・ロレッタ・ナポリオーニ著)読了。
 IS関係の本はたくさん出てるけど、この前新聞に寄せていた作者の記事がとても当を得ている感じだったので、この人の本を選んでみました。

 中東のこの百年の悲惨な状況と、なまじ利権が大きいだけに代理戦争のための資金流入がとまらず権力はすぐに腐敗してしまい、政治の空白地帯が広がっていく様がいたましい。
 そして要はISというのは、この現状を冷静に把握して対応した上で、本気で国家を作ろうとしている集団だという事、アルカイダもPLOもGIAも「敵を倒す」目的で戦っていた組織だけど、ISは国家建設の為にインフラを整備し国家安全保障を担い、経済的自立を果たしている(侵略や誘拐という非合法手段だけど)、そのためのプロパガンダの手法も洗練されている、そもそもの目的がぜんぜん違う組織だと初めて知りました。
 もしもISの計画が成功して、こういうケースが他の地域にも出てきたらそれは大変なことになるな、とつらつら考えました。(どん引き長編ぶろぐになってしまうからハラに収めるとして)

 ただ特にすごいなと思ったのは、ISが経済的自立にこだわった事情のとこです。
 紛争地域になぜいつも武器弾薬が豊富なのかというと、それは代理戦争を指示する他所の国の資金があるから。冷戦時代、スポンサーは米ソ2択だったけど、今はいろんなところから資金と武器が流入してややこくなってしまっている。
 そして過剰な資金は組織を簡単に腐敗させてしまう。組織が腐るとルーティンワークすらおぼつかなくなってしまって地域に貧困が蔓延する。ベトナム戦争の頃から顕著に現れてきたこの泥沼スパイラルを断ち切るために、ISはスポンサーを拒絶する(戦闘によって奪い取る方法を選ぶ)…というくだり。
 ISの本気度が直裁に伝わってきた章でした。

 唯一著者につっこみたい点は、じんわりイスラエル擁護がにじんでる?感じなところかな。
 ISがよその国の政治の空白を衝いて侵略国家を形成しようというモデルは、もろ「ここ聖地だから」と言って住んでいたパレスチナ人を追い出して建国してしまったイスラエルと同じやん。
 ハマスについては厳しいけどイスラエルの苛烈さには触れてないあたりが、ちょっと事情を感じてしまう。
 ジャーナリストがもっとぶいぶい書けるようになって欲しいであります。

 本自体はわりと薄くて読みやすかったんだけど、中身が重くてよろけています。
 気を取り直して今日からはファーブルAです。とりあえず5巻まで取り寄せてもらた。
1


teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ