2020/10/17

無限列車  
 ちゃまが楽しみにしていた野球の試合が雨でぽしゃってしょんぼりしていたので、いっちょ映画を見にいこうと誘って『鬼滅の刃』を見てきました。大人気だというので混んでいるかなーと思ったけど、コロナで封切映画自体が少ないせいもあって、数ホールがっつり鬼滅スペース。すごいぞ、上映回数近所のバス亭より多い!

 ネタバレにならぬようざっくり。
 作品自体がこれだけ大人気になったのは、直にはTVアニメの出来がすばらしかったのなんだろうけど、原作の「漫画の良さ」も私は好きだ。絵の上手さじゃなくて(すいません)感情を間やセリフや表情で描くこと、人が漠然と持っている不安とか恐怖とかジレンマを、絵とセリフに落とすのがすごく上手くて好きだ〜。
 最近漫画でも小説でも「感情最優先」って話が多くて、多分その方が読み手に同調してもらいやすいんだろうけれど、それをしてると「ほんとにいいのか?」「自分の幸福の下に誰かが踏みつけられてないか?」って不安が漠然と湧いてくるんじゃないかと思うんだが(まったく湧いてこない人ももちろんいるだろうけど、多分そういう人は物語を読むことに飽きるだろうから)
感情っていうバーチャルっぽいもののほかに、世界には物理っていう煌かず維持に時間と手間がかかるものがあって、そのやるせなさにしがみついているところに安心感があるんじゃないかな。
 なにしろあれだけバトルもの銀座なジャンプだけど、名をもらったキャラでうっかりころっと死んで終わるってびっくりするほどないでしょ。
 死んで欲しくないしフィクションだからいいよねって、普通に再登場する。
そういうジャンプ常識は、だけど物理の世界の非常識で、その当たり前の線をひょっこり越えて描いてくれるだけで、けっこう誠実だと思うのよ。
話自体はものっそファンタジーなんだけど、今日本のファンタジーのものすごく多くは、リセット可能なゲームのファンタジーで、鬼滅はトールキンやル=グインみたいなクラシックなファンタジーだなと思いました。

 あとはベタだけど炭治郎のセリフがいい。ギャグみたいなやりとりでも本人が真面目に受け答えてる理が守られてるし、ここぞという時の反撃主張が自身の至らなさも含めてすごくいい〜。

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話の展開とかバトル描写は那田蜘蛛山編のほうがぐっと上、な感じだけど、時間(夜行列車が出てから夜明けまで)と空間(列車内)が区切られた中での事件解決話なので、まとまりがすごくよかった。鬼滅の中では被害者がめっちゃ少ない話でした(でしたが…〜〜
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