2022/5/24

本棚の中の絵葉書のこと  
 しばらく前、母と話していたら昔話になりました。
 私は知らなかったけれど、子どもたちが十代の頃、母はよく都が開催しているコンサート(都民が申し込んで当たれば都の交響楽団演奏が無料で聴ける。わりと高確率)に姉を連れて行ったり一緒に美術展を見たりしてきたから、見に行く習慣がついたのかもとのこと。
 そういえば姉は高校時代にワーグナーにはまって、バイロイト音楽祭を聴きたいけどお金がなくて残念とか言ってたものなあ。そういうのを覚えていたんでしょうね母。

 そこまではいい話なんだけど、そういう事は私にしないでほしい。
 同じく高校生の頃、私は美術展に行くのが好きだったのだけど、資金は弁当屋でバイトしたり集英社からもらった賞金でした。別に悪い事をしている意識はなかったんだけど、勉強せんと絵ばかり描いてるって態度に見えたようで親からはいい顔されていなかった模様。学校がハードだったから真面目に通っているだけいいじゃんと、今なら思うんだけど。
 東京のブリジストン美術館でダヴィンチの素描展を5000円握って見に行った時、駅のチケット屋で100円引きのチケットを買い、すごく分厚い割にはお手ごろ価格だったカタログを買い(素描中心だからカラーページが少なかった)わずかに残った小銭で一番欲しい作品の絵葉書1枚を買い、所持金ゼロ円で帰宅したところ、玄関で母に見つかってものすごく叱られたのだ「そんなものにお金を使ってあんたの何になるの」って。
 これはとてもとてもきつかった。家族の中で、私は絵が一番好きだったけど4番目くらいの下手さだったから。

 かといってそれ以降、私が美術展に行かなくなった訳ではなく(懲りない)単にこそこそ行くようになっただけなんだけど、買ってきたカタログが見つかってそれが弟が好きな画家(ミュシャだった)だと、なんで一言誘ってやらないみたいに絡まれて、やっぱり厄介だった。

 先日本棚を増やした時、押入れにしまってあった美術展カタログの箱になぜか辞書のブックカバー(箱)が入ってて、中にいろんな美術展で買った絵葉書が詰まっていたのを見て思いだしてしまった。
そういえば絵葉書かくしていたよな…
きれいさっぱり忘れていたわ。栗鼠か。

 好きなものがあれば公言しておいた方が周囲の協力を得られるよ、というのは事実だと思うけど、それは敵視されていない事が前提条件だと思うので、軽々しく「もっと頼ればいいのに〜」という助言は酷よ。
2


teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ