2018/4/23

ヘンな女子  
 最近映画公開で話題になってる「ちはやふる」、アニメをイチから見はじめたんだけどいやもうほんとに面白い〜。
 それでちょっと思い出した昔の少女漫画があるんだけど、タイトルは失念してしまった千明初美先生が大昔(昭和)雑誌りぼんで描いてた読み切りのお話。

 小さい頃お母さんを亡くした小学生の女の子の話で、その後大好きだったおばあちゃんも亡くして人付き合いがとても下手で、でも転校してきたもう一人の主人公のゆっくりしたペースにだんだん気持ちがほどけてくっていう、あらすじだけだとなんじゃそりゃって感じの話なんだけど。

 大人になって思い出してみると、この女の子がはっきりADHDなんですわ。性格だけじゃなく苦手なものや頭を触られると恐がるとかの具体的な反射までちゃんと描いてあるの。
 少なくともあの時代、小学生のこういう「困った子」ってのは親の躾とか本人の性格が悪いってくくりで語られていたもんだけど、そういう子の視点で「どうして自分は悪い子なのか」「どうすれば人のたくさんいる教室で萎縮しないでいられるか」を必死で考える、それを友達が理解して協力してくれるっていう物語に落とす、ってものすごい事だと思うんですわ。

 だって漫画家がだよ!?
 教育者でも医療関係者でもない、社会的には文学者というより絵描き扱いされてる漫画家がこれを描いて、小学生向けの漫画雑誌に載せるってすごいことだと思うんだ。

 それでなんで今頃昔の漫画を思い出したかっていうと、「ちはやふる」のヒロインも多分多動症だよな…ってちゃんとわかるように描いてあるんですわ。小さい頃から素直でかわいいからスルーされてはいるけれど(美少女設定)ちょいちょい無神経な失言かましたりプレッシャーに激弱かったり混乱が体調にでる反応や症状のいちいちがすごい的確。
 でもよくある恋愛ものの話で落ち込みやすい「繊細すぎてキャラが動かない」とか「どこまでもモノローグが続く」ってことが一切無くて、それどころかものすごくわかりやすい一番身近な男の子の恋心にびたいち気づかないという容赦ないうっかりっぷりもしっくりきてるとこが秀逸。

 特に、こういう自由奔放っぽいヒロインって少年漫画ではよくでているけれど、正直少年漫画の作家が女の子の多動の悩みや恐怖に関して描いてる作品はまったく見たことないんだ。
 男性作家から見た女子のADHDは、ただの幼さの残る可愛くて無神経な女の子でしかないのかもしれない。

 「ヘンな女子」キャラのパターンを山ほど生み出した高橋留美子先生の描く「ヘン」っぷりが自然なのに対して、明らかにそれを踏襲して描いたであろういろんな男性作家の「ヘンなヒロイン」の行動が、あんまりリアルでないのも、多分女子の心理のカベを誰も登れていないからなんだろうな…と思った次第。
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