今日の話題は、あるジャンクカメラについてです。
少し前の話ですが、知り合いが新たな生活を迎えることになりました。
そこで、私なりに何か贈ろう・・・と思い、色々選びました。
レトロなグッズが好きな知り合いなので、
1台の古いカメラを付け加えようと思いました。
確かに、知り合いは写真には興味が無い人間ですが、
インテリアとして古いカメラはいいだろう・・・。
こう考えたのです。
ただ、あまり高価だといけません。
そこで「得意の」(笑)ジャンク品探しです。
ジャンクなら安価ですし、撮影できなくとも構いません。
置物にするのですから。
そこで中古屋さんを回りますが、
以外に簡単に、良さそうな1台を見つけることができました。
こんなカメラです。
リコー オートショット
実は、可能ならリコーのカメラがいいなぁと考えていました。
この当時のリコーのカメラは、デザインが素晴らしいです。
レトロモダンで、他社のカメラとは一線を画しています。
コンパクトですし、当然金属が多用され、重みもあります。
この個体、故障品でしたが、置物としてはピッタリです。
因みに、オートショット自体の発売年は、1964年。
当時としては珍しい、35mm広角単焦点レンズを積んでいました。
では、細部を数枚。
特徴的な、前部に配されたシャッター
この機種の、いや当時のリコーカメラの特徴のひとつ、
ゼンマイによる巻上げ部
ゾーンフォーカスです。
このピクトグラムだと、約1m先にピントが合います。
しかしこのピクトグラム、ウインクしているのが洒落っ気満点です。
さてこのカメラ、
セレン露出計が壊れています。
従って、オート撮影が出来ません。
しかし、ストロボ使用時のマニュアル絞りがあります。
これを使えば、撮影できるのでは?と思いました。
また、意外なほど、レンズにダメージはありません。
但し、マニュアル絞りの場合、
シャッタースピードは1/30秒固定になるとか(オート時は1/125秒)。
1/30となると、絞りを最小のF22に絞っても、春〜夏の晴天時は厳しいです。
そして、手ブレの危険が増大します。
ましてや、前部配置のシャッターが、その感を強くしますし・・・。
くわえて、当然被写体ブレも大いに起こります。
改造技術のある方は、
シャッターを1/125に固定して使っておられるようですが、
私はそんな事できませんし・・・。
しかし、やはりそこは写真好き、カメラ好きの私です。
ボロボロだったモルトを貼り替え、
ダメ元で桜の時期の万博公園に持って行きました。
気をつけて必死で撮りましたが(笑)、
結果は確かにブレたものが多かったです(汗)。
そんな中から、マシなものを貼ります。
フィルムは、ネガのコダックゴールド100。
1/30、F22固定です。
紙焼き写真を、フラッドベッドスキャナーで取り込みました。
この方式、相変わらず難しいです・・・。
確かに、ジャンクカメラで、上記の撮影条件。
また、サービスプリントなので画質の核心はあまり云々できませんが、
意外に濃厚な発色に思います。
ただ、こんなジャンクカメラですが・・・最後に貼った太陽の塔の1枚などは、
実に見事な写りです。
発色・鋭さ、共に文句なし。
昔のリコーカメラと言えば、オートハーフやハイカラー35が代表格です。
デザインは勿論、写りも評価が高いです。
そして、このオートショットも他分に漏れず、さすがはオールド・リコーです。
もしもちゃんと動く個体なら(殆ど無いと思いますが)、
更に恐ろしい写りを見せてくれたのでは?と思います。
・・・と、書いてきました。
実は、タイトルの「曰くある」と言うのは、此処から説明します(笑)。
今日貼った写真を撮影したのは、
記事の上部で紹介した個体ではありません。
知り合いに上げたカメラで撮りました。
つまり、もう手元には無いカメラです。
実は知り合いに上げた後、何となく惜しく思いました(笑)。
上げたのは仕方ないのですが、オートショットのデザインにほれ込み、
悪戦苦闘しながらも写る・・・。
その個体を手元に置いておかなかった点、
カメラ好きとしては、何となく寂しく感じました。
そこで後日、中古屋さんで新たに見つけたのが、記事上部で貼った個体です。
ただこれも、意外に簡単に見つけることが出来ました。
因みに・・・価格ですが。
上げた物が525円(笑)。
買い直した物が、1,050円(笑)。
なお、知り合いに上げる際、
「カメラ」と言うと高価な印象を与え、気を遣わせてしまうので。
価格を言ってしまいました。
その際、一層気を遣わせないために「300円」とサバを読みました(笑)。
知り合いは「え?値段を聞いてしまうと・・・」と言って、
失望感が表情に(笑)。
・・・私は「安すぎて悪かったな!!」と、心の中で思いました(笑)。
ただ、知り合いに上げた方が、状態は断然良いです。
買い直した方は・・・相当状態が悪く、本当に撮影には使えないでしょう。
高かったのに(笑)。
しかし、良いのです。
このデザインは、やはり素晴らしいです。
と言う事で、撮れはしなくとも、私の部屋に鎮座しています。
やはり、見れば見るほど、見事な意匠です。
今日は、写真はもう貼りません。
すみません。

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