今日は久々、長くなりそうですし、少しお固い話題になります。
すみません。
私は、大の英国好きです。
そんな私が、いや、
多くの英国好きが今関心を抱いているのが、
スコットランド独立の是非を問う住民投票でしょう。
約1週間先の9/18に、現地で投票が行われます。
事前の世論調査では、当初は反対派が優位でした。
しかし、討論会等の後の調査では、賛成派が優勢、
或いは拮抗と言う結果が出ました。
これで俄然、独立が「現実味」を帯びてきました。
英国政府も慌て出し、
キャメロン首相が現地入りして「とどまる」事を訴えたり、
普段はライバル政党かつスコットランドで支持者が多い
労働党のミリバンド党首も独立しないように訴えました。
更に、スコットランド出身の元首相ブラウン氏も、
独立反対を呼びかけました。
エリザベス女王も、この情勢をかなり気にされているとのことです。
スコットランド出身の有名人も、賛否が分かれている様子。
ショーン・コネリーは独立賛成のようですが、
テニスのアンディ・マレーは反対と伝えられています。
個人的には・・・生まれはイングランドであるものの、
スコットランドの血筋に物凄いアイデンティティを有しているとされる、
ロッド・スチュワートの意見を知りたいと思っています。
発言していないのかもしれませんが、あまり伝わってこないのです。
あと、ドノヴァンの意見も知りたいですねぇ・・・。
さて。
英国は、おおまかに言えば、
グリートブリテン島を占めるイングランド、スコットランド、ウェールズ、
そしてアイルランド島北部の北アイルランドから形成されています。
その争い、統合の歴史は複雑なので避けますが、
「極めておおまか」に言えば
元来の「現地人種」であったケルト人系国家たるウェールズとスコットランドを、大
陸からやってきたアングロ・サクソン系人種が圧倒。
まずはウェールズを併合。
スコットランドとは激しい戦いを繰り広げた上に「連合法」によって「合併」。
連合王国を形成します。
更に、本当に複雑な民族・宗教問題を内含しつつ、
北アイルランドも連合王国に取り込み(南アイルランドの分離)、
今の形になりました。
ウェールズ、スコットランド、北アイルランドは自治権は与えられますが、
当然、圧倒的な力を持つイングランドが優位。
例えば国歌も、
イングランド国歌の
「God Save the Queen (King)」が連合王国国歌として認知されています。
また昔に旅した際、こんな事がありました。
ウェールズに行った際、宿の食堂で「Walsh Breakfast」と黒板書きされていたのを、
イングランド人が嘲笑していた。
中央銀行たるイングランド銀行発行の紙幣や紙幣は英国どこでも使えるが、
スコットランド銀行発行のそれは、イングランドでは嫌がられるケースがある。
もう十数年前のことですから、現状は判りません。
ただ、あまり変わってないのだろうなぁ・・・と思います。
しかし勿論、一般的には仲良くやっています。
閑話休題。
そう言う実情がありますし、スコットランドはある程度の力を持っていますから、
以前から独立の機運は高いです。
しかし、それが現実のものとなるとは、あまり考えられませんでした。
でも、今回は違います。
従って、反対を呼びかけるキャメロン首相は、
独立してしまったら通貨のスターリングポンドは使わせない、
本当に独立してしまえば、もう永久にお別れだ・・・と圧力を掛けています。
更に、独立が現実のものになれば、
英国の他地域にそれが波及する可能性があります。
もっと言えば、
世界中で独立を目指す民族や地域、
それを抱合している国にも影響が及ぶ可能性も・・・。
そう考えると、これは大きな問題を含んでいると言えます。
因みに、スコットランドが独立してしまえば、
キャメロン首相の辞任は不可避との見方が大半だそうです。
さて、私自身は・・・とやかく言えません(笑)。
確かに、いろんな部分に影響は及びそうでますが・・・。
私は遠く離れた日本人、
しかも政治家でも経済や金湯関係者でもない一般市民にすぎません。
ただ、大の英国好きとして、
「独立の気持ちはわかるけれど、やっていけるのかな・・・」とは思います。
財政的に北海油田の利益を元手にするそうですが、いつまで持つのか。
上記のようにポンドが使えないとなると、
通貨はどうするのか(ユーロ加入と伝えられますが)。
領内にある核ミサイルは域外に出すとの事ですが、
軍隊等の安全保障面はどうするのか。
スコットランドは、エディンバラやグラスゴーからもっと北の方に行けば、
本当に険しい山岳地帯が多いです。
当然、寒いです。
ウヰスキーの蒸留や、
海に面した場所が多いので漁業には大いに向いていると考えますが、
それを国の基幹産業的に捉えるのは難しいと思います。
観光も、大きな柱にするのでしょうけれど・・・。
また、少し穿った見方ですが。
外務省による日本での英国の正式呼称は
「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」。
しかし、ブリテン島の北部大半あるスコットランドが「離脱」すると、
この呼称も変えないといけなくなるでしょう。
「イングランド、ウェールズ及び北アイルランド連合王国」になるのかなぁ・・・。
これまた、長い呼称です(苦笑)。
更に、国旗も変えないといけません。
生意気にもハンドルネームにさせて頂いている「ユニオンジャック」。
正式には「ユニオンフラッグ」ですが、これは各国の旗を混ぜあわせたもの。
残念ながら、ウェールズの国旗は、早くにイングランドに併合されていたので、
使われていないのですが・・・。
ユニオンジャックの紺色と斜め白十字部は、スコットランド国旗
(セント・アンドリュース・クロス又はセント・アンドリュース旗とも呼ばれます)。
ここがなくなると・・・何かヘンな感じですよね。
デザインとして「ユニオンジャック」は素晴らしいと思ってますので、
独立問題の本質と違うのですが、これが失われるのも勿体無い気がします。
いずれにしても、もうすぐ結果が判ります。
何故か、少しばかり緊張しますよ(笑)。
最後に、写真を1枚。
昔旅した時にエディンバラで撮ったものです。
勿論、写真撮影前に、この方が前に置いている箱にコインを入れましたよ(笑)。
正に、スコットランド情緒あふれます。
ペンタックスZ-1、28−80、ネガフィルムです。

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