八幡探訪(析)近隣八幡社分類絵地図

2014/10/30 | 投稿者: ghost

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前稿にて述べたところの我が家周辺(というには、いつの間にやら随分と探索範囲が広がってしまったのだが)の八幡社分類を地図上に見える化してみた際限無く暇人なボクちゃん。


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<我が家周辺八幡社分類地図>

神社アイコンを囲む色で分類している。

黄色は神功皇后伝説を有する八幡神社。尼崎の二社を入れることには躊躇がないでもないが、とりあえずこうしておきたい。

青色は宇佐八幡宮からの直接勧請を謳っている八幡神社。このエリアが中世の荘園縄張りと関係しているか否かについては追々調べてみたいと思っている(と書いておかないと忘れる)。

ピンク色は寺院鎮守由来とされている八幡神社。それぞれ枠内に当該寺院の所在と名称を示すアイコンを加えておいた。

特に囲っていないものは上記三分類に含まれないもので、主に石清水八幡宮からの勧請を謳っているものだが、中にはボクが知らないだけで実は上記三分類に含まれるものや、まったく別の由緒を有するものがあったりするかも知れない。


まだ神戸市内南方のいくつかの八幡神社が未訪だったりするので必ずしも網羅性はないのであるが、西宮市南部から芦屋市、神戸市東灘区にかけてはあらかた行きつくしていて、その上で不可解に思うのは、西宮市西部から芦屋市東部にかけて、八幡神社の空白地帯(上掲地図では白い多角形にて表示)が見られることである。

もっとも、ボクの探訪は行きがかり上(?)八幡神社限定でやっているからこう見える、という事情はあるかも知れないが、芦屋市西部から神戸市にかけての密度がやたらと高いだけに、この空白についてもその舞台裏が気になるところである。

*     *     *

前稿では雑多になるのを避けるべく言及しなかったのだが、神戸市を中心に分布する神功皇后伝説を伴う八幡社の由来については、もう1つの別の可能性を勘案しておく必要がある。

8世紀創建とされる弓弦羽社は別として、そもそも、室町以前に遡ることはないであろうこれらの八幡社が勧請された時代に、いくら廣田・生田・長田の三社が有名であったとしても、神功皇后伝説なんてものが人口に膾炙していただろうか、という疑問がある。

逆に、古代を除く日本史上において、神功皇后がもてはやされた時代を特定するのは簡単で、要するに大日本帝国が朝鮮半島への進出を企図し、また実際に領有した時分である。この時期、神功皇后は紙幣の図案にまで登場しているが、その意図は説明するまでもあるまい。

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東明社の武内宿禰に言及した碑>

思えば、上掲の碑や魚崎社のそれは明治〜大正の造りである。これらの碑の建立者自身がそこまで明確に自覚していたかは別としても、神功皇后の三韓征伐伝説を以って朝鮮半島、ひいては中国大陸への進出を正当化しようとする時代の空気が、その動機の背景にあった可能性は大いに考慮すべきだろう。

そう考えると、この伝承を有する八幡社の地域偏在性の真因が、実は廣田・生田・長田の三社ではなく、湊川神社であることも疑ってみる必要があるかも知れない。

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<湊川神社>

楠木正成を祭神とする湊川神社(冒頭地図では敢えて☆マークで所在を示した)は、東京招魂社=靖国神社と並ぶ明治創建の国策神社であるが、その所在は神功皇后伝説を伴う八幡社に近接している。いささか陰謀論染みた話になるが、政府の息のかかったプロパガンダ活動として、湊川神社を拠点として神職を動員し、周辺の神社に対して神功皇后の三韓征伐を社伝に組み入れるよう宣教する活動があったとしても、驚くには値しない。

もっとも、明治政府がそこまで手の込んだ宣教活動を指揮する能力を有していたのであれば、先にも触れた大教宣布の詔の時点でもう少し気の利いたことができたはずであろうから、仮にそのようなことがあったのだとしても、それは湊川神社に集ういささか愛国の度が過ぎた地元有志のスタンドプレーだった、といったあたりが真相のような気はする。むしろそう考えた方が、この手の社伝の拡散の不徹底(つまり、西国街道沿いに歩いて行ける程度の距離にしか伝播しなかった)の説明になるかも知れない。

黄色グループすべてがそうだとはもちろん思わないが、一部にはそういうものもあるような気がする。まぁ、ボクの個人的な妄想なのであまり真に受けないように。

*     *     *

なんだか当初の目論見(って何だったけ?)から外れて郷土史ごっこ(と言ってもボク自身は西宮生まれでも、兵庫県生まれですらないのであるが)に踏み込みつつあるようにも思うのであるが、まぁ、楽しいのでもうしばらく続ける。

つづく……のか?>>



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