先に
ざっくりと紹介した
自称最新MSX互換機“VRoBIT”について、先週あたりから
MSX Resource Centerが騒がしい。
開発元が「1,000人の先行予約が集まったら供給開始」というモードに入っていて……いわゆる
ワンチップMSXも同じようなことを言ってたなぁ、と思わないでもないのであるが……これに対して、各地のMSXユーザーが賛否両論入り混じった激論(?)を交わしている模様。
欲しい人は買えばいいし「コレじゃないロボ」と感じた人はスルーすればいい案件でしかない、とボクなどは思っている(そしてボク自身はスルーモードである)のだが、当該トピックの進行を見ていると、話はそう単純ではないようだ。
あくまでボク個人の印象であるが、なんやかやと理屈をこねてネガティブなことを言っている人たちは、VRoBITの先行予約1,000人に名を連ねることを“MSX”に対する忠誠心の表明か何かと混同していて、理屈をこねられる地頭の良さが災いしてVRoBITの胡散臭さにも気づいてしまいたちまちに購入を宣言できないものだから、結果的にコンフリクトしているように見える。どこまでも熱くてクソ真面目な連中だ。
むしろボクが興味深く思うのは、上文中で敢えて“”で括って表現したところの彼らが忠誠心(またはそれに類する何物か)を捧げるところの“MSX”とは、一体全体具体的に何を指しているのだろうか、という点である。加えて、VRoBITプロジェクトを進めている連中の考えるソレと、MRCの連中のソレは果たして一致しているのだろうか、という点も気になる。より卑近な表現に直せば、VRoBITの連中はMSXユーザーの上に述べたような傾向をわかった上で1,000人の信者なら堅いと確信犯で今回の「蛮行」に及んだのか、あるいは純粋に資金繰りに起因する素の判断なのか、という話だ。
と言うのも、MSX自体に詳しかろうがなかろうが、ちょっとまともな観察眼を以っていればMSXに限らぬ固有ビンテージ規格の信奉者が上に述べたような心象を多かれ少なかれ有していることは自明なので、そこにVRoBITのようなものを持ち込んで「1,000人先行予約すれば出るよ(1,000人に至らないと出ないけどボクらのせいじゃないよ)」と公言すれば、一定数の人がこれを「踏み絵」と受け取るであろうことは、火を見るよりも明らかなのであって、そういう意味でVRoBITの連中は、下手をすればマーケットたるコミュニティを壊しかねない、渡らなくてもいい危ない橋を渡っているようにボクには思える。
ま、ボクが愛して止まないレベルの狂人どもはいまさら何があっても信仰心は揺らがないし、VRoBITへの賛否がいずれにせよこれをキッカケに嫌気がさす程度の人はそもそもボクの方も興味がないのでどーでもいい話ではあるのだが。
スルーモードだ、とか言っておきながら余計なことを書いているな、と思わないでもないが、ボクがスルーなのは、別にエミュレーターなのが気にいらないわけでも、VRoBITの連中のやり方が気に食わないわけでもなくて、スペイン人のリリースする独自製品のアフターケアなんてまったく信用する気になれない、という極めて偏見・差別的な理由による(ぉぃ)。