2017/10/20 | 投稿者: ghost

暇潰しにコレの続き。

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4.王になってしまえば何でもアリなのか?

首尾よくドラゴン退治……厳密に言えば、ドラゴン自身は不死身なので、単にたまたま彼が戦闘に飽きて飛び去った、というだけなのであるが……を成し遂げて、ドラコニックスロウンの王冠を得た人がいるとする。さて、これ以降、王となった彼は何でもかんでも好き放題に振る舞えるのだろうか。

いや、そうではあるまい。

まず、その大義の有無はともかくとして、弑逆の可能性について考えてみよう。少なくともドラゴン退治を完遂した時点で、王の周辺にはそれを成し遂げられるだけの強者たちが集っているはずである。彼らすべてを永続的に養い続けることは叶わないだろうが、その一部は新たな王権の幹部として居残るだろう。対して、王に対する反逆を試みる側は、この社会特有の「一定規模以上の社会集団における意思決定を、自らの責任においてまとめあげることができない」性向により、団結を欠く状態にある。曲がりなりにもドラゴンを撃退した手練たちが、半端な反逆者たちに遅れをとるとは思えない。

が、反逆者たちには王権を覆すもっと安上がりな方法がある。具体的には一人の根気強い力持ちと、投げ槍一本があれば十分だ。要するに、何処かへと飛び去ったドラゴンを探し出し、再び人間に襲いかかるようけしかければよいのである。王は、その権威の定義上、自身の地位を維持するために再びこのドラゴンと対峙せざるを得ない。

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<何気に自己ベストを更新中>

ドラゴンの無敵さ加減から考えれば、そもそもの王位取得がまぐれ当たりのようなものなのだから、再びの撃退に成功する可能性はそう高くないだろう。また、万が一にも他の誰かが如何なる手段にせよ先んじてそれを成し遂げれば、その時点からドラコニックスロウンの権威はその人物へと移ってしまうので、王はこの分の悪い戦いに、準備不十分なまま挑むことを強いられる。

では、王たるものは常にその可能性を考慮し、ドラゴンを撃退せしめた麾下の軍団を高いコストを払って維持し続けるべきなのだろうか。否、そんな無駄なことは必要ないのであって、基本的に領域内の民草は、彼が踏み出すべからざる一線を超えない限りは彼が民草に代わっておこなってくれる各種決断を無条件に支持するのだから、つまりは善政を施せば済む話なのである。

すなわちこの世界においては、極めて皮肉なことながら、人間の生存を脅かすドラゴン(自身に、特段そのような性向があるワケでもないのだが)の存在が、結果的に権力者の暴走を抑止する重しとして働くことになるのだ。

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