今年も行って来た社会人落語日本一決定戦。台風近づく中決行された予選会は予想を上回る大入りの賑わい、ボクら以外にも随分と物好きがいるもんだなぁ(ぉぃ)。今年は明日の決勝に仕事の都合で……たまに言っておかないと勘違いされそうなので言うが、ボクはちゃんと仕事
もしてますので……行けないことが決まっていたので、ともかく予選だけ楽しもうと参じたのだが、幸か不幸か明日の決勝の順延が既に決定されたらしい。
とまれ、毎年やっていることなので印象に残った方をいくらか取り上げて記録に留めたい。

<神楽屋小粋さん>
去年「この人は座布団の使い方がダイナミックで面白い」と紹介した人、今年はこの写真を撮るために出かけたようなもんだな。間違いなくいくだろう、と思っていたら案の定予選を突破された由、祝着至極。ちなみに小粋さんは先だっておこなわれた尼崎市主催の『第19回新人お笑い尼崎大賞』を獲っておいでで、まぁ順当な結果ではある。見にいこうと思ってたんだけど、実は
すぐそばで野球見てたんだよな、この日。
予選突破組で個人的にご縁がある方々としては、岡山大学落研の若手実力者
車屋化狐くん、関大OB会の要
浪漫亭来舞さんが見事本戦に進まれた由、謹んでお祝い申し上げたい。

<葵亭真月くん>
妻の推し……男前は得だなぁ……前々年、前年と予選突破を果たし昨年は三位入賞に至った真月くんだが、今年も安定の上手さを予選で披露してくれたものの、惜しくも予選突破はならなかった。まぁ、こう言ってはなんだが、本大会の予選突破は割り当てられた予選会場の審査を任せられた各職業落語家との相性も過分にあると思うので、また翌年に期待したい。

<立の家やよいさん>
今回の予選で……まぁ、複数会場で開催されていて全部は見れないので、たまたまボクらが見て回った中で、なのだが……もっとも凄技を披露してくださったと目しているのが立の家やよいさん。屋号からすると立命館大学のOG……念のために申し添えるが女性である……だ。
で、何が凄いかというと、本日のネタは浄瑠璃を扱ったものになるのだが、日常すべてを浄瑠璃で謳ってしまう男と、それに口三味線を合わせてくる男のダジャレ大競演、という、ギリギリ落語の枠から逸脱したものだったのだが、これが実に粋で面白かった。てっきり予選突破してくるものだと思っていたのだが、どうも審査員のウケはよろしくなかったようだ。コレ、生半可でやれるネタではないと思うので、下地に非常に深い古典芸能への造詣があると思うのだが……この辺りは前述の車屋化狐くんなどもそうなのだが……翌年以降も要注目の御仁とみた。

<二松亭風林火山さん>
今回一番笑ったのがこちらの御仁。何せ演題が『家康対メカ家康』で、もちろんご自作の本になるが、本当に演題通りの内容で、このバカバカしい(褒めている、念のため)内容を大真面目に上手くやられるものだから、まぁ、これは予選通過はあり得ない、と確信しつつも死ぬほど笑った。と言うか、実はこの人に続いて小粋さんが高座にあがったので、立て続けに笑い過ぎて本当に死ぬかと思った。
上に書いたように、本戦は台風順延で日程はまだ未定だそうだが、小粋さん、化狐くん、来舞さん、いずれも古典芸能への造詣深く、さりとて教条主義に陥らぬ柔軟さを兼ね備え、それでいて笑いがとまらない超実力者である。このお三方だけでも生で拝聴して損は絶対にないので、大阪府池田市近辺にお住まいの方は、本戦にお出かけあるのも一興かと存じまする。ボクも行けたら行くし。