2020/2/20 | 投稿者: ghost

必ずしも捗々しくはないのだが、とりあえず見る分にはゲームらしくなってきた。本稿表題の意味するところは、以下の動画をみてもらえればわかると思う、多分。


<義経といえば「ギョェー!!」>

前稿でも少し触れたが、本作『五条大橋』はやや変則的なステージ構成を採っていて、奇数面は鞍馬の竹林を舞台にした修行ステージ、偶数面が京都各所を舞台とした弁慶またはその他の何か(後日改めて)との対決ステージ、という造りになる。

上掲動画をご覧いただければだいたい想像がつくとは思うが、鞍馬では何某かの技を決めると青または赤の珠が入手できる。それぞれ対決ステージにおいて、前者は敵攻撃に耐える回数、後者は必殺技となる回転斬り……刃物を持ってるワケじゃないから本来的にこの呼び方は妥当ではない……が使える回数になる。なお、対決ステージでは珠を補充することはできない。設定上この珠は、主人公の師匠となる烏天狗の神通力によってもたらされている、ということになっている。

その代わり、鞍馬では一度でも攻撃を受けると、師匠から「オマエの力はそんなものか!!」と何処かで聞いた罵声を浴びせられてその時点でステージ終了となり、一定時間攻撃をかわし続けた結果得られるボーナス得点も失うことになる。対して、対決ステージで青い珠の残りがない状態で攻撃を受ければ、すなわちゲームオーバーだ。

という具合に非常に複雑な造りになっているのだが、何でこんなことになっているか、と言うと、まぁ、これを書いてしまえばミもフタもないのであるが、プレイヤーのゲーム心理を誘導したいからである。

ゲームに緊張感を持ち込む最も簡単な方法は、一撃死を導入することである。が、これが過ぎるとプレイヤーはゲームの難易度を理不尽だ、と考えるようになる。一方で、ダメージ制のゲームは、ともすれば「まだ数発耐えられる」状態におけるプレイヤーの緊張感を弛緩させて面白みを殺す。

前述の本作の変則ステージ構成および複雑なゲームオーバー条件は、このジレンマに対する解として導入したものになる。

すなわち、鞍馬では、プレイヤーは得点、またそれ以上に後の対決ステージを有利に戦うため、珠を得るためのより難易度の高い操作に敢えて挑むことが求められる。が、それは同時に一撃死でステージ終了(加えて、日本語話者にしか伝わらないが罵声)をこうむるリスクを高めることになる。

一方で、対決ステージでは、最大3つまでストックできる青い珠でやや楽にはなるものの、今度は被ダメージが即ゲームオーバーにつながる状況でプレイすることになる。また、上掲動画には含まれていないが、対決ステージ終了時に使い残った珠はボーナス得点に化けるので、プレイヤーにはこれを惜しむインセンティブが与えられ、自身の操作技量と鑑みて、スコアを狙うか生き残りを優先するかの決断を強いられる。

とまぁ、こういったあたりが本作実装にあたって考えたコンセプトなのだが、多分伝わらないのだ、こういうのは。少なくともここ数年の近作は、ことごとく作中に込めたつもりのゲーム受容の枠組みについてのメッセージがダダ滑りしている感があるので、本作もまたそうなるのだろう。だが、またそこが、作っている側としてはすこぶる楽しいのである。
タグ: MSX Z80




AutoPage最新お知らせ