2011/11/10 | 投稿者: ghost

旅行中にも触れたアングレームのサン=ピエール大聖堂が、今回の旅の最終目的地。その素晴らしいファサード彫刻をじっくり見分して、今回の連載を締めくくる。

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<サン=ピエール大聖堂のファサード彫刻>

現在の大聖堂は、三代目なのだそうだ。と書くと、まるで近代に改修された歴史価値のないもののように聞こえてしまうがさにあらず。

初代聖堂は4世紀創建で、これは6世紀初頭、クローヴィス1世率いるフランク王国による当地征服時に破壊されたらしい。二代目は同世紀半ばに再建されたが、これは11世紀のいわゆるノルマンコンクエストに際して破壊されたそうな。そして三代目となる現在の聖堂の建造開始が1100年。その資金にはブラントームの修道院の収入の多くが当てられたと伝えられている。完成は1128年。

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<四大福音書記者を伴い昇天するイエス>

では彫刻を見ていこう。中央、全体の主題となるそれのモチーフはイエスの昇天。周囲に配置された四大福音書記者(を象徴するキャラクター)の他、たくさんの天使が祝福に集うの図。

中でも面白いのがイエスの頭上、波ともカーテンともつかないものが、イエスから天に放たれているのか、あるいは天からイエスへ降り注いでいるのか定かでないが、この中に上下逆に、つまり、天からイエス目掛けて飛来したかのような天使が掘り込まれている。とりあえず人物像が(ポーズは様々ながら)直立していることが多いこの時代の彫刻としては、珍しい空間把握だ。

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