2006/12/30  14:05 | 投稿者: 時鳥

大根をできるだけ細く切って水にさらす。
水を切って浅い鉢にとり、うっすら黄金色を帯びた煎酒をかける。
窓を開いて、日光を直接入れる。

細い大根は自然の氷のように気まぐれに澄んで、陽に透かすと中にたくさん詰まった小さな気泡がさざめく。
角の立った切り口が目映く光って、輪郭をなす。
緑がかった筋が気泡の群れを切り分ける。
これまで大根サラダの何を見ていたんだろうと思う。
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2006/12/30  14:03 | 投稿者: 時鳥

正月休みには飛浩隆の短編を旧版と新版で読み比べようと思っているので、第一段階として新版を読む。
「デュオ」は雑誌で、「象られた力」と「呪界のほとり」はSFマガジンセレクションで読んでいるが、どれも細かいストーリーは忘れている。代わりに、とてつもなく強烈な印象だけが残っている。
今回読み直して、ああ、こんな感じだったと印象を焼き付けなおした。そして、そういえばこんな話だったっけと思う。もっとも、「象られた力」に関しては、こんな感じだけどこんな話じゃなかったと思うが。
どれもこれも、クライマックスの緊張感は無類。スピードが増すのではなく、重力が増すので、動けなくなる。何かの事情で中断を迫られると、焦れて気が狂いそうになる。
以前、「象られた力」を読んだ時は、暴走の途中で電車を降りねばならず、ホームの端に立ったまま、閉鎖完了まで読み通した。
今回は「デュオ」の演奏会中の下車。脇目も振らず全力で部屋に戻り、夕食を吹っ飛ばして最後まで一気読みしたのは言うまでもない。
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2006/12/28  14:00 | 投稿者: 時鳥


2006/12/28  13:55 | 投稿者: 時鳥

ため息をつくと幸せが逃げるっていうことは、
深呼吸すれば幸せが呼び込めるってことだろうか。
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2006/12/28  12:47 | 投稿者: 時鳥

もう一歩届いていない感じがある。
最初に考えていた本を10とすると、7くらいの本ではないだろうか。
この2人ならもうちょっと面白くなると思うんだけど。
やや不完全燃焼。
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2006/12/27  9:23 | 投稿者: 時鳥

朝から舞茸ご飯を炊く。
吸水させなかったのが悪いのか、米にイタリアン・リゾットのような歯ごたえがある。
芯が残っているとも言う。

ぱりぱりした食感のご飯を食べながら、日本とイタリアでは米という食材に対するイメージが違うのではないかと思いつく。
イタリアでは、米は歯ざわりを楽しむものと思っていて、だから米のサラダが出来たりするのではないだろうか。
日本人は、米はふっくら炊くものと思っている。
米を渡されたら、それがどんな米でも日本人はふっくら炊こうと努力するし、イタリアの人はぱりぱり炊こうとするように思う。

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2006/12/26  12:43 | 投稿者: 時鳥

他の作者なら満足するんだけど、幸田文と思うと少々不満。
のちの文章の精度を知っているだけに、まだ甘い部分が目に付いてしまう。

あられやおこしなど、いろいろな小さな菓子の詰め合わせを、深めの菓子皿にざっと空けたような小品集。
気軽に口に出来て、ところどころの欠けやむらもまた楽しい。
詰め合わせといっても、スーパーではなく、和菓子屋の詰め合わせなので、小さくても形が崩れても味はよい。
平岩弓枝や宮尾登美子の随筆とも似た雰囲気だが、骨の太さといい、品格といい、はるかに勝っている。
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2006/12/25  18:37 | 投稿者: 時鳥

題名の意味が不明。
料理が出てくるミステリと聞いて読んだが、そちらの方面は期待したほどではなかった。
インド人宝石商殺人事件が起きているけど、その謎解きよりインド独立活動家、チャンドラ・ボースの生涯についてのほうがはるかに記述に熱が入っている。
むしろこちらが主で、殺人事件が従だったのかもしれない。
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2006/12/25  12:58 | 投稿者: 時鳥

マリー・ローランサンのポスターが2枚。
シガール座の公演とオペラ座の舞踏会。
シガール座のポスターは余白が多く色数も少なく、淋しいぐらいだけど、ぎこちなさがかえって新鮮。
きっとこういう感じの、あまり騒がしくない公演だったんだろう。

見てみたいのは、オペラ・ブッファ「絹織物売場」と、何といってもオペラ・ブッファ「トートーの城」。
「絹織物売場」は1930年。モダンな絵が素敵。
作曲家のマニュエル・ロザンタルは聞いた事がないけど。

「トートーの城」はジュール・シェレのデザイン。
ポスターを見る限りでは、怖いお姉さんが何人も出てきて、男たちがギャンブルして、丁々発止のやり取りがあってという、くたばれ道徳な内容らしい。
ポスターだけでも十分面白そうだが、曲がオッフェンバック、台本はメイヤックとアレヴィだから、絶対に面白い。
本気で上演してくれないだろうか。
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2006/12/25  12:44 | 投稿者: 時鳥

ジョルジュ・アントーヌ・ロシュグロッスのポスターを見て、あまりにつまらないので首をひねった。
上手いし、それなりに迫力もあるはずなのに。
すぐ側のジョルジュ・ドラの「こうもり」のポスターを見て納得した。
色気が足りない。

「こうもり」はチラシで見た時にはあまり魅力を感じなかった。
実際に見ると、猥雑で非道徳、理性の飛んだ危険さが漂っていて青少年には目の毒だけど、圧倒的な力がある。
まさに秘密の夜会の雰囲気。
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2006/12/25  12:30 | 投稿者: 時鳥

20代後半の写真を目にする。文句なしの美人。
それよりも、ミュシャのポスターに描かれたサラが、あの時すでに50代だったという事実に驚く。
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2006/12/25  12:24 | 投稿者: 時鳥

ミューザ川崎の企画展「劇場へようこそ」を見に行く。
19世紀後半から20世紀前半のパリの劇場ポスター24点が展示されている。

バレエ「蝉」のためのポスターがあった。
作者はモーリス・ルロワール。音楽はジュール・マスネだそうだ。
画面全体から叙情的な美しさがあふれている。

雪原に一軒だけ建っている丸太小屋の扉に、切なげな表情の美女がすがりついている。
真冬だというのに、彼女は白い薄衣しか身に着けていない。
そして、片手にリュートを抱え、額からは長い触覚が2本伸びている。
触覚が2本。
「アリとキリギリス」らしい。
とりあえず、セミの触覚はこんなに長くないと思う。

それにしてもこの人の絵は甘い。
この隣にあったオペラ「シェリュバン」のポスターは、見ていて胸焼けを起こしそうになった。
ちょっと、このポスターを見て舞台を見に行きました、と口にするのは気恥ずかしい。
例えるなら、カラメルとカスタードクリームの甘さ。
チョコレートのほろ苦さはない。
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2006/12/24  21:33 | 投稿者: 時鳥

ベネット夫人が「気付け薬をちょうだい」と言う場面で、クロロホルムはないものかと、とっさに思う。
何もしなくていい、むしろしないで欲しい。ただ口だけ閉じててくれ。頼むから。

ダーシーは多分、そんなにわかりにくい人間じゃない。
自分が人に与える印象を気にしなくて、気にできないんだろう。
次の行動の予測は、エリザベスに比べれば余程立てやすい。

原作にもどこにもないけど、コリンズとメアリーを二人で会話させてみたい。
お互い、話の流れを読まないタイプだから、好きなことを言ってそれぞれは満足し、代わりに傍で聞いていた人がかみあわなさにいらいらするんだろう。
聞いてみたい会話はほかにも色々あるけど、何分耐えられるかはまた別の問題。
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2006/12/23  22:27 | 投稿者: 時鳥

池袋から目白まで歩く途中で入る。

これは豊島区の庭なんだけど、もし、個人の庭だったら、ここの持ち主とはお近づきになっても絶対に悪い事は起こらないと思う。

桁外れの天才では決してない。
何か才能があったとしても、1.5流以上ではないような気がする。
後世まで名を残す可能性はあまりないけど、その代わり、友人知人からは絶大な信頼を置かれている人だと思う。

言ってみれば、狂いにくい天秤を持っている人。
どんな物事も自然に受け入れて、いつも自分の基準で判断する。
自分の基準を人に押し付けないが、かといって、他人の判断を簡単に信じることもない。
だからまず、この人の判断なら、そう大きな間違いはないと信じられる。

でも、この人の良さは多分、これだけじゃない。
色々考えて思いついたのは、この人は他人の天秤の狂いを修正するんじゃないかということ。
この人が意識して修正しようとしているのではない。
この人の側にいるだけで、周りの人は天秤のバランスを崩した時に自分からそのことに気付く。
それで早めにバランスを取り戻せた人は、面と向かって感謝はしないかもしれないけど、感謝の念は忘れない。
そんな感じの庭だった。

名園ではないし、とりわけ面白い庭でもない。
でも、よくある穏やかなだけの庭とも、エキセントリックな庭とも違う。
アクはないけど個性はちゃんとある。
で、その個性がとても好ましかった。

池と滝のある回遊式庭園、でも芝生の広場もあり。
芝生に入れるところはポイントが高い。
あと、池の周りにやたらと柵を作らないところも。
伝い落ちの滝は岩襞が少なく、滑らかに水が落ちる。
滝壺は浅めで、代わりに沢飛石のある辺りが深く、ここで水を落ちつかせてから池に落とす。
咲いていたのは木瓜、寒椿、山茶花、黄色い石蕗。
なっていた実は、万両、ピンクのマユミ。
芽吹いていたのはヒメシャラ。
松には雪吊り、木には腹巻。
メジロが2羽、木瓜の花をつついていた。
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2006/12/23  20:59 | 投稿者: 時鳥

目白にて目撃。

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