2008/12/31  13:29 | 投稿者: 時鳥

クラッカーの箱を棚から取ろうとすると、隣の箱が傾いて床に落ちた。
手にした箱を戻して、落した箱を籠に入れる。
帰宅して開くと、端の1枚が大きく割れていた。
落したせいだろうと思う一方で、もしかしたら落ちる前から割れていたかもしれないとちらりと思う。
確かめようがないし、無益どころか有害な疑いだ。
よって、クラッカーは落して割れたと断定することにする。

箱を落さずに買ったクラッカーが割れていたら、少々気を悪くする。
けれど、落したクラッカーが落しただけにしては派手に割れていたとしても、ちょっと不審に感じるくらいで、そんなこともあるだろうとごく平穏に受け入れる。
少しでも負い目があると、人の心は大変穏やかになる。
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2008/12/31  10:25 | 投稿者: 時鳥

板橋区立教育科学館の科学展示室にて。
パイプフォンというものがあった。
雨樋ほどの太さで長さが違うパイプが約20本、ピアノの鍵盤のような位置関係で置かれている。
側に注意書きがあった。

「スリッパで叩いてください」

・・・テープで補強されたビニールスリッパがすぐ側にあった。
何故ここでスリッパなのか、浅く悩みつつ、べこぼこと容赦なく叩く。
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2008/12/30  21:47 | 投稿者: 時鳥

ラジオを聞いていると、一人の男性が登場した。派遣社員で、先日、企業から突然契約を打ち切られたのだそうだ。
その彼に、アナウンサーが尋ねた。「今、何を望みますか?」
愚問に呆れる。案の定、答えは「職」だった。
言わずもがなの問いと答えを鼻で笑いながら、ふと思う。
「今、誰に何を望みますか?」と問うたら、この人は何と答えるのだろう。
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2008/12/30  21:17 | 投稿者: 時鳥

夜回りの声が聞こえる。
戸締り用心、火の用心。
そういえば最近、「マッチ一本火事の元」という台詞を聞かなくなった。
おそらく今、マッチが原因で起きる火事なんて1パーセントもないだろう。
アナウンスの類が異常なまでに詳細を極める昨今、こういうシンプルな注意を耳にすると心が安らぐ。

もう20年ぐらい前、火事原因をグラフにしたものを見た記憶がある。
確か「寝煙草」がかなり上位に入っていた。
その頃に比べると喫煙人口も減少したから、いくらか順位を下げていることだろう。
でも、寝ながらでも煙草を吸いたいヘビースモーカーはなかなか禁煙もしにくいだろうから、喫煙人口が減ったほどには寝煙草件数は減っていないかもしれない。
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2008/12/29  22:40 | 投稿者: 時鳥

洋食屋のサンプルケースに「トンテキ」があるのを、通りすがりに見つける。
トンテキ、トンテキ。
何度か口ずさむ。ユーモアが漂っていて、なかなかいい言葉だ。
納得しかけて、ふと引っかかった。
牛がビーフステーキでビフテキなら、豚はポクテキにすべきじゃなかろうか。
ポクテキ、ポクテキ、ポクテキ。
再び口ずさむ。響きの愛らしさに病み付きになる。
木魚か木琴を叩いているみたいな響きがする。
もしくは、子供がぽっくりかピコピコサンダルで歩く足音か。
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2008/12/28  22:32 | 投稿者: 時鳥

東武東上線に乗らなければならない用事が出来た。
せっかく遠出するのだから何かオプションをつけたい。
ということで、板橋区立教育科学館に足を運ぶ。
上板橋駅から徒歩5分、区が運営する施設で、無料の科学展示室と大人300円のプラネタリウムがある。
もっと近くにあったら、速攻で行っていたに違いない場所である。

1階のホールに入ると、トリケラトプスの頭とエドモントサウルスの脚の化石が並んでいる。
レプリカではなく、実物だった。
すぐ側には虫入り琥珀が30個ばかり並んでいる。
このあたりでそこはかとない期待が芽生える。
時間がなかったので、プラネタリウムは入らず、科学展示室だけを見た。
来るまでさほど期待していなかったけど、予想外に面白い。
派手な展示ではないし、年季も入っているし、金銭もあまりかかっていない様子なんだけど、ちゃんと面白い。
合わせ鏡を縦方向につくって、覗き込むと地の底まで続いているように見える「無限地下」や
、渦巻きを数十秒間見つめた後に雲の写真を見ると雲が動いて見えるという、運動残効を応用した「不思議な空」、割り箸に色を塗って紐でつないで作った「わりばしウェーブ」、ハーフミラーを使った「フュージョンミラー」など、原理は単純でも料理の仕方が面白い展示がいくつも見つかる。
科学館ニュースを見ると、各種教室も盛んに開催されている。
「コーパルみがいて化石発見?」とか「スノーカプセルを作ろう」とか楽しそうな教室もあるのが、区内在住・在学でないと参加できないのが残念。
もっともそれ以前に、対象年齢が小中学生のようにも見える。
しょうがないので、どうしてもやりたくなったら自分で何とかしようと思う。
こういう面白い教室に堂々と参加できるのが子供の特権だとしたら、自分で調べて準備して資材も調達して、好きな深さまで学べて実行できるのが大人の特権。
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2008/12/27  19:17 | 投稿者: 時鳥

ヨハン・シュトラウスの『こうもり』から、騎士シャグランとルナール侯爵の小さなやり取り。

ルナール:騎士殿にご挨拶を申し上げる。
シャグラン:メルシー、メルシー、メルシー!貴方の健康を祝して。
ルナール:メルシー、メルシー、メルシー!
ファルケ博士:騎士殿と侯爵殿の長寿を願って。
ルナール、シャグラン:メルシー、メルシー、メルシー!
(周囲、大笑いする)

オルロフスキー公の夜会の席で、騎士シャグランとルナール侯爵、いずれもフランス人が意気投合して歌う歌だ。
しかし、騎士シャグランは実は刑務所長フランク、ルナール侯爵は銀行家アイゼンシュタインで、しかもアイゼンシュタインは明日から8日間、禁固刑に服する予定である。
そして、二人ともフランス語は全くわからない。
明日を知らず、フランス語を知らず、どうにか知っている単語だけで珍妙な会話を交わして上機嫌な彼らを、周囲は笑って見ている。
何だか、飲み屋で偶々隣同士になったおっさんたちが、訳もなく意気投合して乾杯を繰り返しているみたいな趣の歌である。

小特集:alcoholic phrase , オペラ関連・作曲家別
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2008/12/27  16:10 | 投稿者: 時鳥

alcoholic phrase索引(投稿順)

  1. 一人宴会(パパゲーノ)

  2. 利き酒(ドン・マニフィコ)

  3. 酒精(酒の精霊達)

  4. 別れの盃(トゥリッドゥ)

  5. 巡る盃(ヴィオレッタ&アルフレード)

  6. 千鳥足(アントーニオ)

  7. 笑い上戸(アンニーナ)

  8. 押し掛け宅飲み(アルフレート&ロザリンデ)

  9. 老人のミルク(ファルスタッフ)

  10. 学生飲み(学生達)

  11. 気違い水(ドン・ジョヴァンニ)

  12. ワインの王様(オルロフスキー&夜会の客達)

  13. 酔い潰す(ペドリッロ&オスミン)

  14. 悪酔い(ホフマン)

  15. 百薬の長(ネモリーノ)

  16. 大トラ(ペリコール)

  17. 意気投合(アイゼンシュタイン&フランク)

  18. 拾遺


取り上げた歌で私家版・酔っ払いソングCDを作るため、手持ちを探したらカヴァレリア・ルスティカーナ以外は全部持っていた。
うっかり驚きそうになったが、実は不思議でも何でもなかった。
聞いた事があって、気に入っていて、覚えているくらいじゃないと記事に取り上げることは出来ないし、となると好きな演目ってことだから、手元にある確率は格段に高くなる。
そうやって完全に個人的な趣味に走るから、モーツァルト4曲、オッフェンバック4曲、ヨハン・シュトラウス4曲、ヴェルディ2曲、ロッシーニ、マスカーニ、ドニゼッティ各1曲なんていう偏りすぎたラインナップになるんだろう。

小特集:alcoholic phrase
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2008/12/27  0:27 | 投稿者: 時鳥

前回でalcoholic phraseの本編はひとまず終了。
今回は、本編で取り上げるほどではなかったけど、一応、酒や酔っ払いが登場する曲を簡単にご紹介する。

「マキシムへ行こう」(レハール『メリー・ウィドウ』)
主役カップルの片割れ、ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵登場の歌。
ダニロはポンテヴェドロ公国のパリ公使館の職員だが、仕事は録にせず、夕方になるとマキシムに入り浸る生活を送っている。
今日は国王の誕生日で、公使館では盛大なパーティーが開かれている。
その席に遅刻して現れたダニロは、すでにほろ酔い加減で足元がおぼつかない。
よろめく足取りで、自らの享楽的な生活を語る、要するに自己紹介の歌。
ちゃんと酔っ払いなのにも関わらず本編で取り上げなかった理由は二つある。
1つ目は、この人のマキシム通いの目的は酒よりも女性にあること。
そして2つ目は、マキシムの女に入れ上げる理由が、かつての恋人を忘れるためだってこと。
昔の女を忘れるためにマキシムの女と酒に溺れているような人は、いくら酔っ払っていても取り上げる気になれなかった。
この歌も、自暴自棄な心持ちが端々からにじみでている。
明るく享楽的でやけっぱちで、自嘲を含んだ歌である。

「乾杯の歌」(マスカーニ『カヴァレリア・ルスティカーナ』)
『椿姫』の乾杯の歌をもっと泥臭く、田舎っぽくした感じと言おうか。
シチリアの小さな村の酒場で、村の若者トゥリッドゥが音頭を取り、合唱が唱和する。
途中、トゥリッドゥの昔の恋人で今は人妻のローラと、トゥリッドゥの短いやり取りがある。
特別いい曲でもないし、やり取りがこの後の展開に大きな影響を及ぼすわけでもない。
乾杯する流れはそんなに不自然じゃないけど、場繋ぎめいていて、何より悪いことに酒に対する思い入れが感じられない。
大人数で集まったから、とりあえず乾杯しとくかという程度の歌で、探せば似たような歌がいくつでも見つかりそうな気がする。

ロッシーニ『セヴィリアの理髪師』第1幕フィナーレ
箱入り娘のロジーナに一目惚れした若い貴族のぼんぼん、その名もアルマヴィーヴァ伯爵リンドーロ。
どうにか彼女に会いたい一心で床屋のフィガロに相談すると、「酔っ払いの兵隊の振りをして潜り込め」とのアドバイスを頂戴する。
ってことで、素直に酔っ払いの振りをするリンドーロ。
え、何かおかしくない?とか、観客のささやかな呟きを無視して、ロジーナの番人、じゃない、後見人ドン・バルトロとリンドーロはまるでかみ合わないやり取りをしてのける。
いや、酔っ払いの振りする必要ないよね、これ。ってことで、本編で取り上げるの中止。

プッチーニ『ラ・ボエーム』第1幕 ロドルフォとミミの出会い
プッチーニで酒が登場する場面をかなり考えたのだけど、『外套』で振舞い酒の場面があるのと、この場面くらいしか思いつかなかった。
クリスマス・イブの夜、貧しい詩人ロドルフォが一人、机に向かっていると、誰かがドアをノックする。
女性の声で、階段でろうそくが消えてしまったので、火を貸して欲しいとの言葉にドアを開くと、青白い顔の美しい娘が立っていた。
火を貸し、心を残しながら送り出すロドルフォ、と、急に娘が胸を押えてうずくまる。
ほどなくして気がついた娘に、ロドルフォは気付け薬代わりのワインを勧める。
「待ってください、ワインを少し」ワインが注がれる気配。
「本当に少し、少しでいいですから」慌てて、不安げに抑止する娘。
「これくらい?」ゆっくりグラスを見せて、確認するロドルフォ。
「ありがとう」ほっとしたように頷いて、受け取る娘。
本当にこれだけの、短い短い一節である。
しかし、この短いやり取りの隙間で、オーケストラは台詞以外のことを雄弁に物語っている。
ワインとグラスをめぐる仕草、視線の動き、気持ちのわずかな変化、音だけで動きが目に見える気がする。
いいシーンだけど、ワインである必要は別にないので、取り上げず。

小特集:alcoholic phrase , オペラ関連・作曲家別
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2008/12/26  19:06 | 投稿者: 時鳥

オッフェンバックの『ラ・ペリコール』の「ほろ酔いのアリエッタ」。
一番酔っ払っている歌、という観点で選ぶなら、私の知る限りではまずこの歌が最強だろう。

ああ!なんてご馳走だったんだろ!それに飛び切りのワイン!
たっぷりたらふく、たぷたぷたっぷり飲んだから、今んとこ、
あたしはちょっとだけ酔ってんの。しいっ!人には内緒よ。しーっ!

ろれつは回らず、歩けばふらふら、
目が泳ぎっぱなしだって驚くこたないわ。だって、
あたしはちょっとだけ酔ってんの。しいっ!人には内緒よ。しーっ!

舞台は18世紀のペルー。主人公のペリコールは流しの歌い手で、街角にいるところをお忍び中のペルー総督に見初められる。
彼女を総督の愛人にするため、総督の秘書達はペリコールをご馳走責めにする。
たらふく飲み食いしたペリコールが機嫌よく歌うのが上記の歌。
歌詞も酔っ払っているが、実際の歌が輪をかけて酔っ払っていて、へべれけでろれつが怪しい酔っ払いの感じが良く出ている。
フランス語の鼻濁音や柔らかい音の連続が効果的に働いて、酔いを増幅する。

方向性としては、以前紹介したアンネンポルカとほとんど同じである。
アンネンポルカ(Schwipslied)はドイツ語、ほろ酔いのアリエッタ(Ariette de la griserie)はフランス語という違いはあるけど、どちらもほろ酔いを意味する題名がついていて、若い女性が一人で飲んで、酔っ払って、ご機嫌で歌う歌という共通点がある。
ただし、アンネンポルカのアンニーナが自分が酔っ払っていることを認めないのに対し、こちらのペリコールは酔いを自覚している。
自覚しているんだが・・・過小評価であろう。これ、絶対に「ちょっと」じゃない。
何だか、下手に隣に座ったら思いっきり背中をどつかれそうだ。
本人、軽く叩いているつもりなんだけど、力の加減ができてないのだ。
若い女の子が酔っているんだから、思い切り可愛くてもいいはずなんだが、不思議なくらい可愛らしさというものが感じられない。むしろ危険の部類に入る。
この酔い方には「ほろ酔い」なんて可憐な言葉より、「大トラ」というたくましい言葉が似合う。
もっとも、この酔っ払い、ある意味では可愛いと言えないこともない。
動力源と習性と行動原理が謎に包まれている動物みたいな可愛さというか面白さはあるんだけど、ただ、それ以上に何を仕出かすかわからなくて、側にいる人はひやひやする。
並み居る兄さんやおっさんの酔っ払いを蹴散らし、この人には是非、泥酔王の称号奉りたい。

小特集:alcoholic phrase , オペラ関連・作曲家別
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2008/12/25  22:50 | 投稿者: 時鳥

年末年始の過ごし方についてのアンケート結果をネット上で目にした。
テレビを見る、初詣、インターネット三昧、帰郷、昼寝三昧、買い物、友人と遊ぶ、以下省略の順。
インターネット三昧と言わせたいのだなあ、としみじみ思う。
それにしても不思議なのは、選択肢に「読書」がないこと。
長期休暇といえば、じっくり読書が通り相場だと思うのだけど。
インターネット三昧を駆逐しそうだから避けたのだろうか。

かく言う私の年末年始は、私家版・酔っ払い音楽のCD製作とアクリルたわし製作を中心に、在宅作業に事欠かない。
多分、例のアンケートも「その他」の回答内容が面白くなっているんだろう。
年末年始やゴールデンウィークは、過ごしてみると事前に考えていたより随分短い。
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2008/12/24  20:57 | 投稿者: 時鳥

水天宮でマトリョミン演奏を聴いた後、日本橋三越に向けて歩いていて見つけたもの。
初めて聴いたマトリョミンは、マイクのハウリングを耳に心地よく、音楽的にしたような音だった。

・鯨像
日本ユニコム(日本橋人形町1-6)前。
地面を海面に見立てて、鯨が半身を持ち上げている石像。
碑には「鯨と海と人形町」とあり、作者は松橋博、中田浩嗣らしい。
2002年7月の記載がある。
背中には水を吹くことができるらしい装置があるが、作動しておらず、水盤等の排水設備もないため、現状では稼動は難しそう。

・化石壁
日本橋社会教育会館(日本橋人形町1-1)の1階エントランス。
日本橋小学校に隣接し、図書館、温水プール等がある。
入った途端、いると確信できる壁で、一番目立つところではエレベーターのボタン付近にアンモナイト、ほか、多数のアンモナイト、ベレムナイトがいる。

ちなみに、道を間違えて日本橋三越には行けず、気が付いたら秋葉原にいた。
川に沿わなければいけないところを高速道路に沿ったのが敗因。
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2008/12/23  22:39 | 投稿者: 時鳥

『愛の妙薬』というドニゼッティのオペラがある。
愛の妙薬とは惚れ薬のことで、原典はイゾルデ姫と騎士トリスタンの物語にある。
そこではこの薬によって、冷たいイゾルデ姫は熱烈な恋に落ちる。いわば魔法の小道具だ。
『愛の妙薬』は、この妙薬をめぐってある農村で繰り広げられた騒動を描いた作品だ。
しかし、いにしえのドイツならともかく、1830年代のイタリアの農村では、すでに魔法は存在し得ない。
主人公のネモリーノが愛の妙薬と信じ続けるもの。
それは、安物のボルドーワインだ。

農夫ネモリーノは地主の娘アディーナが好きなんだけど、裕福で美人で頭もいい彼女には相手にされていない。
そんなある日、ネモリーノは物語に出てくる惚れ薬の話を小耳にはさみ、直後、村にやってきたインチキ薬売りのドゥルカマーラに、愛の妙薬を持っていたら是非分けて欲しいと頼み込む。
頓珍漢な願いに呆れながらも、金儲けのチャンスは決して逃さないドゥルカマーラは、安物のボルドーワインに妙薬のラベルを貼って売りつける。
とはいえ、利くわけがない。だから飲み方指南をするついでに、効目が出るまで丸1日かかると言い添える。
たとえネモリーノがだまされたことに気づいても、その頃にはもう旅立ってしまっている算段なのだ。
ドゥルカマーラと別れて一人になったネモリーノは、さっそく妙薬を飲もうとする。
どきどきしながら封を切り、一口、また一口と飲み進め、終いには気分が良くなって歌いだす。
そんな、なんとも可愛げのあるモノローグ。

素敵な薬。僕のだ。丸ごと僕のだ。
それにしても、どうして効目が出るまで丸1日もかかるんだろう?
まあいいや。飲んでみよう。・・・うまい!
気持ちのいい暖かさが血管の中を駆け巡る。
多分、あの人も同じ恋の炎を感じ始めているはずだ。
間違いない。それが僕にも伝わっているんだ。
なんだか食欲もわいてきたぞ。
(居酒屋の店先にあるベンチに腰をおろし、ポケットからパンと果物を取り出し、大きな声で歌いながら食べ始める)
ラララララ・・・

ここで是非とも突っ込まなければいけないのは、あんたは常にポケットにパンと果物を常備しているのかってこと。
飯食ってる場合かってことも突っ込んでおきたい。あ、あと、歌ってる場合かってことも。
要するに、突っ込みどころで満艦飾を作っちまったような場面である。
この場面だけで、ネモリーノがどんな性格の持ち主かがわかる。
完全に食事の構えに入っているんだけど、この人、本当にワインだと気づいていないんだろうか。あるいはワイン味の薬だと信じているのか。
ワインと知った上で、あえてだまされるっていうのも通常ならありなんだけど、この場合はない。
この後、アディーナが登場して、機嫌のよいネモリーノをいぶかしんでしばらくやり取りするんだけど、ネモリーノは妙薬の効目を全く疑わず、アディーナに対してかなり強気の対応に出る。
ワインと知っていたら、流石にこの受け答えはしないだろう。
何しろ、しまいにはアディーナは腹を立てて、別の人間との結婚を衝動的に決めてしまうほどなのだから。
まあ、その程度のことで一生を左右する決断をしてしまうアディーナの忍耐力にも、大いに問題はあるけど。

妙薬の効目が現れる前に、アディーナが別の男と結婚してしまう。
慌てたネモリーノはドゥルカマーラを訪ねて、妙薬をもう1本買う。
それも空けて、聞こし召したネモリーノが登場すると、村の娘たちが彼を取り巻く。
インチキ薬が本物の妙薬になった、わけではなく、これは村の噂話のせい。
ネモリーノの金持ちの叔父さんが死んで遺産を残したという噂が、若い娘たちを中心に村を駆け巡り、金持ちで人がいい独身男性の争奪戦が本人の知らないうちに始まっていたのだ。
ちやほやされるネモリーノを見て、アディーナは自分の気持ちに気付き、幕開けから想像できる通りの結末を迎える。
大筋でよくあるラブコメの展開。

結局、妙薬って何だったんだろうと思う。
ネモリーノは妙薬を求め、アディーナは妙薬を売りつけようとするドゥルカマーラを退けて、「この顔こそが妙薬」と言い切る。
ネモリーノはワインを妙薬と信じ続けた。
けれど、実際に若い娘たちに効力を及ぼしたのは、ネモリーノが受け継ぐ財産の方だった。
百薬の長はもしかしたら、酒より金にふさわしい称号かもしれない。

小特集:alcoholic phrase , オペラ関連・作曲家別
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2008/12/22  7:03 | 投稿者: 時鳥

上野の国立科学博物館に「菌類のふしぎ」展を見に行く。
展示室に入る前にコインロッカーに荷物を預けようとして、困惑する。
コインロッカーの番号が3桁だ。
しかも、500を超えている。
しばし立ちすくむ。
コインロッカーを使う時は可能な限り素数を選ぶのが原則なんだけど、こんなに大きな数だと素数かどうかわからない。
もっとも、最近定めたマイルールだから、それほど強力な縛りではないけれど。

おそるおそる571番に入れる。
ミュージアムショップで某菌類キャラクターの絵葉書を前に、これを年賀状にしたらまずいだろうかとひとしきり悩む。
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2008/12/21  23:40 | 投稿者: 時鳥

冬至、柚子湯、南瓜、一通り考えはするけど、金曜日からこちら、胃腸の具合が悪くて食欲がほとんどない。
結局、何もしないで終わる。

この時期にしては不審なくらい暖かく、風が強い日。
音や匂いや感触の印象が、3月の大風に似ている。
部屋のポストに電気料金の通知が舞い込んだのに気づく。
30日間で39kWh。旅行などで長期間部屋を空けた月を除けば、自己最低記録だった。
暖房器具未使用が主な要因だろうか。
ハロゲンヒーターは壊れたし、エアコンの温風は嫌い。
なので、現在、暖房器具は湯たんぽのみだ。
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