2012/10/31  23:56 | 投稿者: 時鳥

紙面に人口ピラミッドが載っていた。

そういえば、ピラミッド型の人口ピラミッドって、あまりお目にかからない。
今の日本でリアルタイムに見かける人口ピラミッドは、一番太いのが中ほどか、もう少し上かという違いはあっても、どれも一様に裾が細い。

きっと、年齢別の人口をグラフに起こそうと、最初に考えて実行した人がいて、その人が見たのがたまたまピラミッド型のグラフだったがために、こんな名前がついてしまったのだと思う。
人口ピラミッドの概念が今の日本で生まれたなら、人口ピラミッドは絶対にピラミッドとは呼ばれていなかった。

今更ながら、ピラミッドなんていう、形のはっきりとしたものに寄せて命名したのは、失敗だったんじゃないかと思う。
裾が狭くなっただけで、間違いを犯したような気になる。
人口壺とかにしておけばよかったのに。
壺なら、肩が広くても、裾が広くても、真ん中が広くても、壺としてありだ。
人口比だって、どれもありで、ただ、それぞれ利点と欠点があるから、問題解決を図らなければならない、という、それだけのことじゃないかと思う。
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2012/10/29  8:13 | 投稿者: 時鳥

右に向かって助けを求めている状況をあらわす。  
と、漢和辞典に書かれてはいない。
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2012/10/28  20:53 | 投稿者: 時鳥

表参道のルイ・ヴィトンの前を通ると、向かって左のショーウィンドウが草間彌生に占拠されていた。
床から何本も生えた、珊瑚の触手のようなオブジェは、赤い地に白の水玉が全面に施されている。目の端をかすめただけでも絶対に間違えない、草間彌生の水玉だ。
これだけでも十分なのだが、ショーウィンドウの中央には、草間彌生本人の実物大マネキンが、草間デザインのヴィトンバッグを持って仁王立ちしていた。
ぎょっとした後、脱力した笑いが漏れる。
しばらくその場に留まって、気を取り直す。

折りしもハロウィンの数日前、休日の表参道には仮装した子供を連れた親子がたくさん歩いている。
ある親が、子供を件のショーウィンドウに近づけようとすると、子供が半分本気で怖がった。
まあ、わからないでもない。
この色彩と形状のオブジェの間に、同じ模様の服を着て、真っ赤に染めた髪をお河童にした80代の婆さんが仁王立ちになっていたら、人魚姫の魔女か、お菓子の家の魔女みたいに見えると思う。
もしかしたら、子供がごねた時、「草間彌生が来るよ!」と真剣な顔で脅すと、何らかの効果があるかもしれない。
私が子供なら、多分、怖い。

ここでこの文章のタイトルを考えた。
タイトルをつけて、自動的に「徹子の部屋」を連想する。
黒柳徹子も、見た目だけならちょっと怖いかもしれない。
頻繁にテレビで見たから、別に怖いとは思わなかったけど。
ということは、「彌生の窓」コーナーがあれば、問題は解決する可能性がある。
しかし、そのコーナー、何をどうする場なのか、全然見当がつかない。

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2012/10/27  23:42 | 投稿者: 時鳥

P&Pギャラリーに「これも印刷?! ふしぎな特殊印刷の世界」を見に行く。
きっかけはチラシを入手したことだったが、このチラシがまず、面白かった。
簡単に言えば、凝り過ぎ。
下4分の1は白地に黒い文字で、会期や問合せ先などを普通に書いているのだが、問題は、残り4分の3である。
黒い地に、「キラキラ」とか「ふさふさ」とか、「ザラザラ」、「つるつる」といった文字が大小入り乱れて踊っている。
そして、その「キラキラ」は本当にキラキラした印刷がされ、「ザラザラ」と「つるつる」も本当にそういう印象を与える印刷がされている。
無駄に手間をかけているのが、素人目にも分かる。
流石は、凸版印刷株式会社の直営ギャラリーである。
これなら、行ってがっかりすることもあるまい。

そうして行ったギャラリーの入り口には、ポスターが展示されていた。
触っていい、と、わざわざ書いてある。
そこで「ふさふさ」に触れると、ビロードのようなふさふさした感触がした。
「つるつる」は鏡みたいにつるりとしているし、「ザラザラ」も同様。
チラシは無理でも、ポスターでは惜しみなく特殊印刷をしたらしい。
これは凄い。
ポスターだけでも一見の価値、というか、触れてみる価値はある。

展示は、「キラキラピカピカ」、「かわるあらわれる」「ひかる」「デコボコ・つるつる・ふさふさ・ザラザラ」、「とびだす」、「こんなものこんなところにも印刷?!」の6コーナーに分かれ、展示テーブルの上には技法の説明パネルのほか、実際にその技法で印刷された書籍や紙の実物が置かれていた。
実物はほぼすべて、触れることができる。
「キラキラピカピカ」では箔押し、金・銀刷り、ラメ印刷、フィルム転写、アルミ蒸着紙、「ひかる」では蓄光印刷という具合に、全体で約30の技法が紹介された。
技法の多くは、書籍の表紙などで見たことがあったけれど、メカニズムは全然知らなかったので、素直に楽しい。
子供向けみたいな展覧会タイトルで、コーナー名だけど、説明は大人向けで、読み応えがある。
個人的に一番気に入ったのは、紙にポリエチレンパイルを接着した「ヴィベール」。
ぬいぐるみのようなふさふさした感触なのに、紙というのが面白い。

このギャラリーは基本的に図録を作らない。
だから、この展示の図録もないのだけど、作ったとしたら、一体どんな図録になっただろうか。
特殊印刷てんこ盛りだから、きっと、かなり高価な図録になっていた。
もしかしたら、小口印刷ありで、寒くなると色が変わって、ページをめくると匂いがして、表紙は暗闇で光るエンボス、なんて、ヌエみたいな図録になっていたかもしれない。
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2012/10/25  22:52 | 投稿者: 時鳥

しばらく前、キートンとロイドの無声短編映画を観た。
会場は音楽ホールで、パイプオルガンの即興演奏が付いていた。
パイプオルガンの手前にスクリーンがかけられていたから演奏者は見えなかったけど、どうやらスクリーンの裏で、映画の進行を見ながら演奏していたらしい。

この場合、元々あったのは映画で、音楽は映画のために生まれた。
ではもしも、この音楽が録音されていたとしたら。
そして、由来を知らない人がそれを聞いて、ダンスを振付けてみたり、音楽物語を書いてみたりしたとしたら。
出来上がるのは、まず間違いなく、映画とは全然違う物語だろう。
でもひょっとしたら、映画とちょっとだけ似た部分があるかもしれない。
そうして伝わっていくのが本質である、なんて単純なことは言えない。
「何でこんなことが」って呆れるくらいどうでもいいことが脈々と伝わっていく例は、いくらでもある。
発信側は、伝えたいことを一生懸命表現するんだけど、どうやら実際は、何かの弾みで伝わっちゃったことが弾んだり、曲がったりしながら転がっていって、世に広まっているみたい。


・・・これの紹介をするはずだったのに話が変なほうに転がりました。
豊洲の映画館で、グレタ・ガルボ主演の無声映画「肉体と悪魔」を、コンサート用グランドピアノの生演奏つきで上映するそうです。

「ピアノ伴奏で楽しむサイレント映画の夕べ」
演目:「肉体と悪魔」(1926年 アメリカ グレタ・ガルボ主演)
ピアノ演奏:柳下美恵

会場:ユナイテッド・シネマ豊洲(ららぽーと豊洲3F)
日時:11/16 19:15〜21:10
料金:2100円
※要予約、指定席
http://www.ync.ne.jp/contents/2012/10/post_62.html

予約は主催のよみうりカルチャーへ。できれば10月30日までに。
電話 03-3642-4301
http://www.ync.ne.jp/jigyou/piano-form.html
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2012/10/23  22:15 | 投稿者: 時鳥

「ジョン・ケージの思想と音楽」というレクチャー&コンサートを聴きに行く。
前半40分がレクチャー、後半60分は演奏みたいななにか。
このレクチャー&コンサートは、11月3日に千住大橋の足立市場で開かれる、ミュージサーカスというイベントのプレイベントである。
ミュージサーカスがどんなのかと言うと・・・多分、チラシの言葉がいっぱい物語っている。

総勢200名のパフォーマーが
魚市場に紡ぎだす

ジャズ、オペラ、サンバ、
落語、模擬競り、
読経、ダンス、純邦楽、ガムラン、
マグロ解体ショーほか

さまざまな音楽が交じり合っていく
John Case MUSICIRCUS

これが大きな文字で書かれた文句で、下に芸術監督の足立智美氏の言葉が小さな字で書かれている。
それによると、演奏者やパフォーマーが同時に、さまざまな場所で、独立して演奏を繰り広げ、観客は周囲を自由に動き回りながら、音楽が交じり合うのを楽しむのだそうだ。

何となく面白そうだけど、どんなのか今ひとつ想像できない。
それがこのイベントを知ったときの私の反応だった。
まあ、11月3日は各種予定があって、行けるかどうかはかなり微妙だし、プレイベントだけでも行っておこうか。
実のところ、それくらいのだらけた気分で行ったのだけど、これがとても面白かった。

会場は東京藝術大学千住キャンパスのホールで、倉庫みたいなコンクリート打ちっぱなしの四角い空間に規則正しく椅子を並べて、前半のレクチャーは始まった。
レクチャーは普通に、ジョン・ケージと彼の音楽とミュージサーカスについて。
途中休憩で観客全員が会場の外に出されて、10分後、戻ってみると内部はすっかり様変わりしていた。
椅子はあちこちに、ばらばらの方向を向いて、無造作に置かれていて、前方の机と椅子には朗読者、後方のピアノにはピアニスト、そして中ほどの壁際にはDJが、レコードや機材と共に陣取っている。
この状態でそれぞれが自分の演目を上演する。
朗読はジョン・ケージ作品、ピアノは現代音楽、DJはケージやその他いろいろ。

演者は個人個人で自分の演目を自分のタイミングで演奏するだけで、相互には何の関係もない。
ないのに、ある瞬間、偶然、ひょこっとかみ合ったりする。
そこが面白い。

観客は動きながら、好きな場所で聞いている。
場所によって、音のバランスは全然違う。
だから、同じ空間にいても、一人一人が別の音楽を聞いている。
そこも面白い。

3人が閉ざされた空間で演じて、こうなるなら、野外で200人が演じたらどうなるだろう。
万障繰り合わせてでも聴いてみたくなってきた。

というわけで告知。
「ジョン・ケージ ミュージサーカス」は、11月3日15時から17時の上演。
会場は、東京都中央卸売市場足立市場、京成電鉄千住大橋駅から徒歩3分または北千住駅から徒歩15分。
入場無料、申込不要、雨天の場合は翌日12時から14時に順延。
なお、当日は先着順でねぎま鍋も振舞われます。
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2012/10/21  22:16 | 投稿者: 時鳥

「ラ・バヤデール」のDVDを観る。
今回観たのは、ロイヤル・バレエ団が1991年に上演したもので、最後に神殿が崩れて、関係者一同がお亡くなりになるバージョンだ。
ラ・バヤデールは何種類もの版があって、版によって幕の構成や結末が違う。
神殿が崩れない版もある。ヒロインは必ず死ぬけど、ヒーローは死なないこともある。
白鳥の湖も同様で、オデットと王子が死んでしまう版、ロットバルトに勝ってハッピーエンドになる版、王子だけ死ぬ版、その他もろもろがある。
見慣れれば何でもないが、バレエを見慣れていない人にはハッピーエンドかバッドエンドか決まっていないのは、妙に思えることがあるらしい。

だってバレエだから。
バレエってそういうものだと思って観てしまっているから、今更、変とか言われても困る。
理由になってない理由でごまかしてしまいたいところだけど、もう少しだけ考える。
バレエの場合、踊りが大事で、ストーリーは割とどうでもいいと言うか、途中過程の感情とか思惑のぶつけ合いは必要だけど、オチはなくてもいいというか。
結末が違うといっても、根底を為す部分は大差ないというか。
そこで気付いた。
要は、愛が勝てばいいのか?
主人公の生死は問わず。
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2012/10/18  21:48 | 投稿者: 時鳥

ゴムでできた動物のミニチュアが売られていた。
ゾウ、サイ、ホッキョクグマ、ドルフィン、アシカ、ワニ、ゴリラ。
小さいけれど、細部までよくできている。
そのシリーズの中に、アリとテントウムシもあった。
ミニ、と銘打たれていたが、明らかに実物より大きい。ミニじゃないだろう、これ。

でも、大型哺乳類と昆虫を同じ大きさにしてみると、全体の造形は昆虫のほうが遥かにダイナミックにできていることに気付く。
大型の動物は造形に破綻がなく、変に飛び出したりはしない。球や直方体にできるだけ近づこうとしているみたいに見える。
それに対してアリなんて、あちこちが鉄筋みたいに飛び出して、建設現場の機械みたいだ。
小さくて軽い分、制約が少ないのだろうが、こうして見ると面白い。
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2012/10/17  22:06 | 投稿者: 時鳥

サンシャインシティのイベントホールが、ダリアで埋め尽くされていた。
足を止めて見入る。
茎を短く切られた花がステージをぎっしりと埋めて小山を作り、咲き競っている。
絢爛たる様子はまばゆいほどで、この只中に半時間も中にいたら酔ってしまうに違いない。
周囲では、鉢植えや切り花が、これまたぎっしりと並べられて、売られていた。
人の頭ほどある花が当たり前のようにあちこちに存在する。

鉢植えは世話できないが、切り花なら何とかなる。
この先、何箇所か回る予定だけど、それでも買いたくなるくらい、花は艶やかだった。
切り花の桶から、特に気に入ったのを1本、選ぶ。
紙に包んだ花を渡す時、店の人は花の名前も渡してくれた。
ムーンライトと言う品種だそうだ。
見た目だけで選んだのに、いい名前までついてきて、さらにいい気分になる。

帰宅してまず、花瓶を探した。
花瓶専用の器はない。部屋にある器をすべて検討し、今回の花瓶に最適のものを選ぶ。
結果として、ラベルをはがした甲類焼酎の空き瓶に落ち着いた。
携帯電話で写真を撮ってみたが、ちっとも綺麗に撮れない。
写真はやめて、観察する。

直径は約15cm、百枚以上の花びらが集まって、5分の3球を作っている。半球よりもちょっと広い球だ。
花の色は、根元は淡い黄色。カスタードクリームよりは、空気にほとんど触れていない、新鮮なバターの色に近い。
地がその淡黄色で、花びらの中ほどから先端にかけて、薄紅の顔料が刷かれている。しかし、どうも太めの面相筆を無造作に2、3回、往復させただけのようで、花びらの皺の間にはまだ黄色が残る。
尖った花びらの先端はピンクで、ベースカラーの黄色が効いて、軽やかな印象を与える。
そして花びらの表にはもう一層、仕上げがなされている。
透明な液体に雲母の粉を溶いて塗りつけたように、花びらの表が光り、顔を移動させるたびにうっすらときらきらしている。
この花、斯様に豪華な姿かたちなのに、香りが全然ない。
見た目の美しさにすべてを注ぎすぎたのだろうか。ちょっと不思議。
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2012/10/16  21:31 | 投稿者: 時鳥

空想動物の世界展を見に行った。場所は、古代オリエント博物館。
ケルベロスだのナーガだのトウテツだの、あるいはメソポタミアの何とかかんとかがひしめき合っている。
ふと思った。
神々が自前の怪物を何かの目的のために派遣し、英雄がそれを殺す話がよくあるけど、その後も神々はその怪物に乗っていたりする。
ということは、怪物牧場みたいなのがあって、ちゃんと血統が保たれるように繁殖させていたりするのだろうか、もしかして。

会場では、メソポタミアなどの西アジア、ギリシア・ローマのヨーロッパ、南アジア・東南アジア、中国・日本の東アジアと、地域ごとに分類して展示をしていた。
やはり、インドが明らかに飛び出していた。
薬草を届けるだけなのに、山ごと持っていってしまうとか、やたらと神様の手が多いとか、絵が妙にサービス精神に満ちているとか、なじみのない人間が見ると、何でそうなるの?って過剰さがあって、面白い。
こういう土地からボリウッド映画は生まれるのか。納得。
生まれたときから慣れ親しんでいる人にしたら、これが普通なんだろうけど。
私だって、アメノウズメノカミがいきなり脱いで踊りだすのを、ちっとも変だと思わないわけだから。
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2012/10/14  23:09 | 投稿者: 時鳥

東洋大学に「源氏物語 楽器尽くし」を聴きにいく。
東洋大学伝統文化講座と銘打って、毎年秋に開催しているらしい。
源氏物語に登場する楽器がどんな文脈の中で登場し、どんな意味を持っているかを、解説と実演で伝える講座だった。
登場した楽器は、横笛(竜笛)、筝、琵琶、和琴、笙、七絃琴、篳篥の7種。
演奏は確か6曲。

1.横笛と筝の合奏
源氏が笛を吹きながら若紫に琴を教える場面(紅葉賀)に見立てて。

2.筝、琵琶、唱歌の合奏
宇治の八の宮が姫君たちに筝、琵琶を教える場面(橋姫)に見立てて。

3.和琴、琵琶、横笛、筝、唱歌の合奏、催馬楽「青柳」
源氏邸で光源氏、太政大臣、柏木たちが演奏する場面(若菜上)に見立てて。

4.笙の独奏
「賢木」の巻で子供が笙を吹いている場面を参考資料に。

5.七絃琴の独奏「昭君怨」
須磨で過ごす夜、源氏がひとり、琴を弾く場面(須磨)に見立てて。

6.全員(5名)による合奏「越天楽」

わかったこと。あるいはトリビア。
・女性は笛を吹かず、歌も歌わない。
・筝や琵琶はリズム楽器で、主旋律は笛などが受け持つ。
 そのため、練習のときは主旋律を口ずさみながら演奏する。
 これを唱歌(ショウガ)と呼ぶ。
・筝は当時の上流階級の女性が頻繁に弾く楽器だったが、
 琵琶は筝より難しく、専門的なイメージのある楽器だった。
 源氏物語でこの楽器が得意だったのは、明石上、大君、源典侍など。
・和琴には、他の楽器にあるようなきちんとした楽譜がなく、
 他の楽器に増して、奏者のセンスが問われた。
 源氏物語でこの楽器が得意だったのは、頭中将、紫の上など。
・七絃琴は光源氏の得意とした楽器。
 源氏物語の成立当時、すでに奏者の少ない楽器で、これを光源氏が弾くことによって、
 当時の読者はこの物語を昔の物語、現代以外の時代の物語として受け止めていた節がある。
・源氏物語の中では、笙は多くの場合、子供が吹いている。
 結構、難しい楽器なのだが、奏者いわく、「笙は吹けば音が出る」とのこと。
 訓練しないと音も出ない篳篥や横笛に比べれば、ある意味、敷居が低い。
・和琴は現代の雅楽ではほとんど使わない。
・七絃琴は雅楽でも使わない。元々、絃は絹糸で、音量が小さい。
 この日は金属弦だったが、それでもマイクが必要なくらいの音量。
 なお、他の楽器はマイク不要だった。
・篳篥は貴族が遊びで演奏することはなく、楽人のための楽器。
・紫式部は少なくとも、筝、和琴、琵琶を演奏したことがある。(紫式部日記)

小特集:源氏物語 楽器
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2012/10/14  22:14 | 投稿者: 時鳥

今月末から12月初めまで、高松宮コレクション全品公開。
ニュースを見た途端、心の中で「きゃー」と叫ぶ。
あの国士無双に可愛い「一人旅」の仔ペンギンを見るためだけでも、行く価値はある。
いや、私が知る限り、世界で一番可愛い根付です、あれは。
同時に公開される郷コレクションは、江戸時代から明治にかけての根付コレクション。

須田悦弘さんの過去最大規模の個展が千葉で。
木彫で、本物そっくりの植物を作る作家さん。
たとえば、ギャラリーの床と壁の境目に生えるオオバコ、垂れ下がる朝顔。
縁のしおれ具合、虫食いの空き具合に至るまで本物らしく、初めてこの人の作品と出会った時は、ナマかどうかで延々と悩んだ。
個展のほか、7階展示室では館のコレクションの中から須田氏が選んだ江戸絵画・版画を展示し、随所で須田氏の作品を組み合わせるとのこと。
こちらも楽しみで仕方がない。
公開制作、講演会など、イベントも盛り沢山。

ZESHINは幕末から明治期の蒔絵師にして絵師、柴田是真の作品展。
職人として確かな技術を持っている上、新しい趣向、楽しい趣向を考えるのも上手い。
ぎっしり凝り過ぎから、「え?これ作りかけじゃないの?」っていう脱力感のある作品まで幅広い。
この人の人を食った味わいが、とても好き。

山下保博さんは建築家。
数年前、幅3メートル、奥行き20メートルくらいの土地に一戸建てを建てて、賞を取ったのが、私の記憶に住み着いたきっかけ。
そういう極端な住居の話が主ではないらしいけど、あれを作った人が今、何を考えているか、知りたい。

東大古生物学は、ナウマン博士が発見したナウマン像の化石がちと見たい。

石毛直道さんは、常に「鉄の胃袋」の枕詞がつく文化人類学者。
ついでに、元国立民族学博物館館長。海外調査多数。著書多数。肩書き多数。
凄く偉い人なのに、「鉄の胃袋」が必ず冠されるって、もはや人徳じゃなかろうか。
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2012/10/14  21:53 | 投稿者: 時鳥

ハンス・イヌメは、先日、銀座で画廊の前を通りかかるまで何にも知らなかったんだけど、ウィンドウに引き寄せられて入ったら、とても良かった。
犬や豚や鳥やカエルが淡々と居る。
画家はオランダの人。デフォルメされて太い輪郭で描かれた動物たちは、キャラクターのようにシンプルで、ミッフィーの縁者のように見えなくもない。だが、ミッフィーほど悟ってはいないし、あんなに明快な世界に生きてはいない。泥臭くて不透明で厄介な、この浮世を生きている。
弱くて平凡で利口じゃなくて、しょっちゅう理不尽な目に合っているのに、誰かのせいにしたり、強くなって見返そうと考えたりはしない。
「真正直に生きれば、何とかなる」と信じて、懸命に生きている。
そういう生き物たちだけがいる絵。
可愛いけど、いとおしいけど、ほのかに哀しく、ちょっと切ない。

益子焼は、東日本大震災で大きな被害をこうむった益子の復興支援でもある。
現代作家の作品を買えて、週末の14時からは益子の陶器作り体験教室もある。

渡辺おさむは、モデリングペーストなどを材料にケーキデコレーションみたいなアートを作ったり、仏像をデコケータイみたいにしちゃったりする人。
今回は、お菓子や花やフルーツやクリームで埋め尽くされたマリア様らしい。

古道具その行き先は、古道具屋・坂田和實氏が直接、間接にかかわったものたちの記録。
昭和の水中メガネと室町の狛犬と埴輪と昭和の雑巾を同じ平面状で選択する感覚に、とても惹かれる。

虎屋ギャラリーは、恒例の秋公開。
和菓子研究家吉田 一氏のコレクションに関する展示だそうだけど、個人的に気になるのは、虎屋が作る約60点の再現菓子など。
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2012/10/13  8:01 | 投稿者: 時鳥

展覧会情報を28件追加しました。
右の「展覧会情報」リンクよりお入りください。
追加した情報は以下の通りです。


「ハンス・イヌメ」
翠波画廊(銀座)
期:10/9〜10/20 10:00〜18:00(日休み)
※京橋3-6-12

「漆芸のこれから」
東京藝術大学漆芸ギャラリー(上野)
期:10/5〜10/19 9:00〜18:00(無休)無料
※美術学部総合工房A棟5F

「漆芸 軌跡と未来」
東京藝術大学大学美術館(上野)
期:10/5〜10/21 10:00〜17:00 10/20のみ〜21:00(10/9,10/15休み)500円

「東工大で益子焼〜知る・ふれる・つかう〜」
東京工業大学博物館・百年記念館1階(大岡山)
期:10/18〜10/28 10:00〜17:00 23日〜20:00(無休)無料

「牛島光太郎 意図的な偶然」
LIXILギャラリー2(京橋)
期:10/3〜10/27 10:00〜18:00(日祝休み)

「齋藤まゆ 白磁 色織絵のかたち」
ガレリアセラミカ(京橋)
期:10/10〜11/1 10:00〜18:00(日祝休み)

「渡辺おさむ マリア様が見てる」
画廊くにまつ青山(青山一丁目)
期:10/25〜11/5 11:00〜19:00 土日祝〜17:00(無休)
※南青山2-10-4

「あざみ野コンテンポラリーvol.3 ART×DANCE 2012」
横浜市民ギャラリーあざみ野(あざみ野)
期:10/20〜11/11 10:00〜18:00(10/22休み)300円
※展示室1・2

「これも印刷?! ふしぎな特殊印刷の世界」
印刷博物館P&Pギャラリー(江戸川橋)
期:9/4〜11/11 10:00〜18:00(月休み)無料

「D&AD賞2012」
アド・ミュージアム東京(新橋)
期:10/18〜11/18 11:00〜18:30 土日祝〜16:30(月休み)無料

「古道具その行き先 坂田和實の40年」
渋谷区立松濤美術館(神泉)
期:10/3〜11/25 10:00〜18:00(月休み)300円

「蘇る 江戸〜明治の和菓子の世界」
虎屋ギャラリー(赤坂見附)
期:11/1〜11/30 10:00〜17:30(無休)無料

「ポーランドポスター」
ヨコハマ創造都市センター3F(馬車道)
期:11/3〜12/3 11:00〜19:00(11/12休み)800円

「日本と西洋 イメージの交差」
国立国会図書館東京本館新館1階展示室(永田町)
期:11/5〜12/8 10:00〜19:00 土〜18:00(日祝、11/21休み)無料

「根付 高円宮コレクション」※本館特別2室
「根付 郷コレクション」※本館14室
東京国立博物館(上野)
期:10/30〜12/9 9:30〜17:00(月休み)

「2012モチハコブカタチ展 エース株式会社×東京藝術大学デザイン科」
世界のカバン博物館(浅草)
期:10/2〜12/14 10:00〜16:30(日祝休み)無料
※駒形1-8-10 エース東京店8F

「須田悦弘」「須田悦弘による江戸の美」
千葉市美術館(千葉)
期:10/30〜12/16 10:00〜18:00 金土〜20:00(11/5、12/3休み)

「ZESHIN 柴田是真の漆工・漆絵・絵画」
根津美術館(表参道)
期:11/1〜12/16 10:00〜17:00(月休み)1200円
※11/27〜後期、一部展示換え

「カ ラ フ ル カラフル・チャイナ&四季の色彩」
松岡美術館(白金台)
期:10/3〜12/19 10:00〜17:00(月休み)800円

「山下保博×アトリエ・天工人 Tomorrow 建築の冒険」
TOTOギャラリー・間(乃木坂)
期:10/13〜12/22 11:00〜18:00 金〜19:00(日月祝休み)無料

「エルネスト・ネト Madness is part of Life」
エスパス ルイ・ヴィトン東京(表参道)
期:9/29〜1/6 12:00〜20:00(無休)無料
※ルイ・ヴィトン表参道7階

「東大古生物学 130年の軌跡」
東京大学総合研究博物館(本郷三丁目)
期:10/6〜1/11 10:00〜17:00(月、12/28〜1/4休み)無料

「たくみのたくらみ」
たばこと塩の博物館(渋谷)
期:11/17〜1/14 10:00〜18:00(月、12/29〜1/3休み)

「手の痕跡」「彫刻の魅力を探る」
国立西洋美術館(上野)
期:11/3〜1/27 9:30〜17:30 金〜20:00(月、12/28〜1/1休み)800円

「華麗なるインド神話の世界 神々が結ぶインドと日本」
横浜ユーラシア文化館(日本大通り)
期:10/6〜1/14 9:30〜17:00(月、12/28〜1/3休み)300円

「アートと音楽 新たな共感覚をもとめて」
東京都現代美術館(清澄白河)
期:10/27〜2/3 10:00〜18:00(月、12/28〜1/1休み)1100円

「始発電車を待ちながら」
東京ステーションギャラリー(東京)
期:10/1〜2/24 11:00〜20:00 土日祝10:00〜18:00(月、12/29〜1/1休み)500円

「石毛直道 食文化を探検する」
味の素食の文化センター(品川)
期:9/25〜3/2 10:00〜17:00(日祝、年末年始休み)無料



ツイッターでひと月くらい、ちくたくと書いていたら、いつの間にか凄い量になっていた。
これだけあると、どれが特にお奨めか分かりにくい。反省。
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2012/10/11  23:33 | 投稿者: 時鳥

要は、普通の女だったのかもしれない。
ただ、比類ない織物の才能を持ち合わせただけで。

天才で、女で、素晴らしい作品を生み出せるけど、作っている間の姿は酷くて、人様には見せられない。
だから、恋女房ならぬ、恋旦那には、仕事中の姿は絶対に見られたくなくて、のぞかないでくれと言い含めたのに、相手は約束を破った。
百年の恋が冷めたのは、見た旦那ではなく、見られた女房のほうだった。

でも聞きたいんだけど、それ。
嫌いになったのは見た旦那なの?見られた自分なの?
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