2013/6/30  22:53 | 投稿者: 時鳥

居酒屋の店先に設置されたガラスの水槽で、アジなどが15尾あまり泳いでいた。
よく洗ったガラスの水槽に酸素補給のポンプをつけて、海水と魚を注ぎ込んだだけといった趣の、殺風景な水槽である。
いつ見ても魚が普通に泳いでいるから、魚が生きられる環境ではあるのだろう。
でも、こんな所に大勢で詰め込まれるのって、魚にとっては非常に不快なのではないかと想像される。
人間で言うなら、土牢の大部屋に一畳二人の定員で詰め込まれるくらいの感覚かもしれない。
もっとも、水草を入れたり砂利を敷いたりして自然っぽくすればいいっていう、単純な話でもないのだけど。
人間の目にはそれが自然っぽく見えるけど、魚自身がどう感じるかは分からない。
人間の五感と魚の五感は随分異なっているはずだ。
アジはアジで、自分の今いる環境を何らかの基準で判別しているにちがいないけど、その基準が人間にも感じ取れるものだとは限らない。そもそも、基準が何なのかも、判明していないかもしれない。
百歩譲って、アジが環境を判別する基準がわかったとしても、それだけではアジにとって最も快適で幸せな環境がどんなものかはわからない。アジの感知する自然環境と同じにして、時々、イルカの餌になるようにしてやればいいってものでもなかろうし、かといって、外敵に全く襲われず、寿命の限界に挑戦するのがベストだとも思えない。
自然環境におけるアジの生態については研究や調査が進んでいるはずだが、アジが何を快適と感じて、どんなふうに生きて死ぬと苦痛が最も少なくて済むかは、多分、まだ誰も調べ切れていない。

・・・まあ、実際、そこまでわかっちゃうと、いくつかの調理法が絶滅することになりそうだけど。
活け作りが魚にどれだけの苦痛を与えているかが数値で判定できたら、禁止されるよねえ、きっと。
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2013/6/29  23:42 | 投稿者: 時鳥

六月尽。雨になりそこねた湿り気が、幽霊みたいにただよう夜。
歩行者用信号の青がぽあんぽあんとまたたいて、赤に変わる。
やっとたどり着いた交差点、にじんだ赤を見上げて立ち止まる。
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2013/6/28  22:29 | 投稿者: 時鳥

それぞれ味わいの異なる写真展を3つ、ご紹介。

「神村光洋写真展 Zoo〜海外編〜」
エプサイト(新宿)
期:6/28〜7/11 10時半〜18時(日休み)
http://www.ac.auone-net.jp/~kamimura/

☆動物のいない檻やプールや運動場はがらんとしていて、不思議な引力を持っている。
世界28カ国、67の動物園で撮影された「誰もいない動物園」。


「林茂範写真展 咲きつづける」
インスタイル・フォトグラフィー・センター(広尾)
期:7/9〜7/15 13時〜19時(無休)
※港区南麻布5-2-9 インスタイル南麻布ビルディングB1F
http://www.instylephotocenter.com/exhibition/exhi_upcoming.html

☆油彩の静物画のような質感の写真。
どろりとした手触りの空間で、花瓶の向日葵が重たげに頭を垂れている。


「高砂淳二写真展 ペンギン・アイランド」
オリンパスギャラリー(小川町)
期:7/11〜7/24 10時〜18時(日祝休み)
※千代田区神田小川町1-3-1 NBF小川町ビル1F
http://olympus-imaging.jp/event_campaign/event/photo_exhibition/130711_takasago/

☆すんげえ楽しそうなフォークランド諸島のペンギンたち。
海も空も明るく青く、魚はぴちぴち、ペンギン元気。
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2013/6/26  23:31 | 投稿者: 時鳥

指先で触れる。
数秒間、指を置いて離すと、紙が指先についてくる感触がある。
ポストイット程度の弱い糊で貼り付けたものを剥がす時のような、弱々しい抵抗。
付いてこようとはするが、粘着力がないので、名残惜しげに離れていく。
この紙に限らず、パール塗工を施した紙の多くが、この感触を持っている。
裏面にはない独特の感触なので、じっくり触れれば、紙の表と裏は見なくても判別できる。

粗目の五感紙にパール塗工を施した紙。細かい凹凸がもやもやとした地紋を作っている。
最初は千鳥格子っぽく見えていたが、よくよく観察するうちに、杉綾であることに気付く。
杉綾とは布の織り方で、綾織の一種。
綾織では、斜め方向に向かってうねが出来るが、杉綾織は一定の間隔で綾目の方向を変えるため、うねがジグザグになって、杉林の梢か杉の葉みたいな模様になる。
英語圏ではニシンの骨に見えるらしく、ヘリンボーンと呼ばれ、フランス語圏では垂木にみえるらしく、シェフロンと呼ばれる。
この紙の模様は、今挙げた中では、垂木に一番近い。

光に透かして観察すると、紙の中にくさび型の影が大量に浮かび上がる。
不等号記号を立てたような小さな山形が手をつないで並んでいる。
紙の上から下まで、くさびの列がびっしりと詰め込まれ、重なり合い、互いの形を相殺する。
結果として、紙面の大部分ではくさび型が意味を失い、モアレを作っている。

抽象的な地模様を純白のパールの輝きが覆っていて、見た目には嫌味のない美しさがある。
でも、手触りはあまりよくない。
厚ぼったくてべたっとした触感が、クリーム状のファンデーションを塗りこめた肌を連想させる。見た目には美しいところも似ている。
紙が指から離れた後、思わず指先をこすり合わせた。蝶々の鱗粉のように、パールの粉が指先に移っているような気がして。
美しくて、ぱっと目を引いて、そこそこ好きなんだけど、どうも厚化粧の感じがあって、しばらく触れていると、パールのかかっていない普通の紙のほうが好ましく思えてくる。
3日で飽きるタイプの美人というか。

「五感紙キラ」王子エフテックス|特殊紙|パール|純白
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2013/6/25  22:40 | 投稿者: 時鳥

「なりゆき泥棒」のドン・パルメニオーネのアリアが聴きたい。
夜中にいきなり欲望が生じて、YOUTUBEに探しに行った。
こんなマイナーな曲でも、あるところにはあるもので、検索したら何本も出てきた。
いくつか聴いてみる。
しかし、何故かしっくり来ない。これじゃないという感覚ばかりがある。
音質や、歌の上手下手の問題でないことは、考えなくても分かった。
では、何が違うのか。掘り下げて、結局、最初の定義が誤っていたことに気付いた。

正確には、あの曲が聴きたいんじゃなくて、あの曲を聴いた時のわくわく感が欲しいのだった。
期待通りのわくわく感が得られないから、「違っている」と思ったのだし、そしてそれは、コンテンツの問題ではなく、受信するこちらの問題なのだった。
簡単に言うと、受信側のチューニングが合っていない。
この問題を解決するには、チューニングしなおせばいい。が、別の解決法もある。
目的がわくわく感なら、この曲も、聴くことも、特に必然性はない。
突き詰めれば、脳内再生して、曲と一緒に、聴いた時の感覚も思い出せるのなら、実際に聴かなくても構わないのだった。
かくして、想い出は美化される。
詳細かつ正確な大量の外部記憶より、粗くて劣化気味の内部記憶のほうが役立つことは、実際、結構、多い。
2

2013/6/24  7:51 | 投稿者: 時鳥

アド・ミュージアム東京で開かれている「TCC広告賞展2013」で、三井のリハウスのWEB広告を見聞きした。
内心のつぶやきがだだもれの独り言とか、ありがちな親子や夫婦の会話が物凄く笑える。
会場で、ヘッドホンで聞きながら、何度も吹き出した。
面白かったので、お裾分け。
FLASH再生の出来る端末でご覧ください。

「みんなの声鉛筆」
http://www.rehouse.co.jp/voice/
ファミリー
近居or同居
定年
母と住む
相続
初めての家

個人的に好きなのは、良くも悪くもいい加減な夫と、容赦ない突っ込みの妻の会話で構成された「近居or同居」と、現実逃避気味のお父さんがつぶやく「ファミリー」。
家が移動できたらいいのに、とは、誰しも一度は思うことだし、「でけえな、白い犬」の一言は何回聴いても笑ってしまう。

小特集:CM小特集:CM
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2013/6/23  22:59 | 投稿者: 時鳥

既に見に行って、良かったのはアド・ミュージアム東京のTCC広告賞展と、ICCのオープン・スペース2013。
TCCは東京コピーライターズクラブの略称で、TCC広告賞はコピーで選ぶ広告賞。
三井不動産リアリティのWEB広告が爆笑物。あるねえ、こんな会話。
ICCオープン・スペースは年に一度展示替えをしていて、収蔵作品の中から毎年、違う作品を選んで展示している。
自然、自分の中でのヒット感も年によって違うのだけど、今年はヒットの年。
plaplaxと中ザワヒデキと和田永、いいですよ、奥さん(?)

日比谷図書文化館のフィンランド・アニメーションは、キノコウォッチングの後で入り口だけ見るが、時間がなくて中までは見られず。
ちょっと見た感じ、インスタレーションっぽくて面白そうだった。

ICCのキッズプログラムは、毎年、夏休みの時期に行われている企画で、今年はメディア・アーティスト赤松正行氏が担当する。
携帯端末のカメラを通して見ると、イラストが動き出すとか、写真の花のつぼみがだんだん開いたりとか、現実の光景に電子的な情報を付加して、変えて見せるという技術らしい。

plaplaxの個展は、交通の便が悪いところなんだけど、それを差っぴいても見に行きたいところ。
石からうにょんと影が飛び出すとかだと思うんだけど、いつもわくわくするのだ、このユニットの展示。

21_21 DESIGN SIGHTのカラーハンティングも、見ておかないと。
色に関する研究やプロジェクトやアートがいろいろに出るようだ。

あとは、大妖怪展は三井が妖怪をどう扱うかが気になるし、プレイバック・アーティスト・トークは近代美術館の過去のアーティストトークがダイジェストで聴けるというから、やはり気になる。
紙の博物館は、紙でつくった生活用品の展示とのことで、紙の水筒も展示されるという。
・・・いや、日本人なら作るだろうけどさ。想像も出来るけどさ。
何だか、日本人が気合入れたら、紙の携帯端末くらいは軽く作れそうな気がしてきた。
液晶画面と基盤と配線は無理にしても、カバーやボタンなどの外観部分をすべて紙にすることは、できるよね、多分。
和紙のマウスって、手触り良さそう。
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2013/6/23  9:42 | 投稿者: 時鳥

展覧会情報を19件追加しました。
右の「展覧会情報」リンクよりお入りください。
追加した情報は以下の通りです。


「Anxiety-Relief 不安と快方 フィンランド・オルタナティブ・アニメーション」
日比谷図書文化館(日比谷)
期:6/11〜7/4 10時〜21時 土〜18時 日〜17時(無休)無料

「TCC広告賞展2013」
アド・ミュージアム東京(新橋)
期:6/5〜7/15 11時〜18時半 土日祝〜16時半(月休み)無料

「浮世絵 Floating World」
三菱一号館美術館(東京)
期:6/22〜9/8 10時〜18時 木金土〜20時(月休み)1300円
※第1期〜7/15、第2期〜8/11、第3期〜9/8

「村上豊」
講談社野間記念館(江戸川橋)
期:5/25〜7/15 10時〜17時(月火休み)500円

「情景作家 昭和のミニチュア」
旧新橋停車場鉄道歴史展示室(新橋)
期:4/2〜7/21 10時〜17時(月休み)無料

「レオ・レオニ 絵本のしごと」
Bunkamuraザ・ミュージアム(渋谷)
期:6/22〜8/4 10時〜19時 金土〜21時(無休)1200円

「プレイバック・アーティスト・トーク」
東京国立近代美術館(竹橋)
期:6/14〜8/4 10時〜17時 金〜20時(月休み)650円
☆12人の画家が自作について語った映像と、その作品

「大妖怪展 鬼と妖怪そしてゲゲゲ」
三井記念美術館(三越前)
期:7/6〜9/1 10時〜17時(月休み)1200円
※前期〜8/4、8/6〜後期

「公文書で富士登山」
国立公文書館(竹橋)
期:6/24〜8/6 9:15〜17:00(土日休み)
☆連続企画展第2回

「plaplax イマジネイチャー 石ころの記憶」
映像ミュージアム(西川口)
期:6/1〜9/1 9時半〜17時(月休み)500円
☆石ころに宿った精霊や不思議な生き物を、映像とテクノロジーの力で呼び出す

「鳳が翔く 榮久庵憲司とGKの世界」
世田谷美術館(用賀)
期:7/6〜9/1 10時〜18時(月休み)1000円
☆インダストリアルデザイングループGK、戦後復興期から現在までの軌跡。

「キッズ・プログラム2013 カメラで見よう!動き出すイラスト!」
ICC(初台)
期:7/30〜9/1 11時〜18時(月、8/4休み)無料
☆AR(拡張現実)技術を使って、もうひとつの現実を見る。
 カメラを通すと見えてくる、もうひとつの世界。

「エドワード・J・マイブリッジ 動物の運動」
写真歴史博物館(六本木)
期:6/1〜9/2 10時〜19時(無休)無料

「色を見る、色を楽しむ」
ブリヂストン美術館(東京)
期:6/22〜9/18 10時〜18時 金〜20時(月休み)800円

「クリスチャン・ケレツ」
ギャラリー・間(乃木坂)
期:7/19〜9/28 11:00〜18:00 金〜19:00(日月祝休み)無料

「セカイがハンテンし、テイク」
川崎市民ミュージアム(武蔵小杉)
期:7/20〜9/29 9時半〜17時(月休み)800円
☆国内外の若手作家8組とともに考える、テクノロジー、アート、メディア、コミュニケーション

「カラーハンティング 色からはじめるデザイン」
21_21 DESIGN SIGHT(六本木)
期:6/21〜10/6 11時〜20時(火休み)1000円
☆自然や都市に存在する色を水彩絵の具を調合して写しとっていく。
 色の多様性と内包する意味。

「くらしの中の和紙」
紙の博物館(王子)
期:6/11〜11/24 10時〜17時(月休み)300円
※9/3〜9/6、展示替えのため休室。

「オープン・スペース2013」
ICC(初台)
期:5/25〜3/2 11時〜18時(月、8/4、2/9休み)無料
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2013/6/22  23:01 | 投稿者: 時鳥

日比谷公園でキノコウォッチングをする。
東京都公園協会が主催するイベントで、1時間ほどの座学でキノコについての基本知識を習った後、日比谷公園の各地に生えるキノコを観察する。
前日まで何日も雨が続いていたが、講座の間は時々、晴れ間ものぞく。
参加するまでは、こんな都会の真ん中にキノコなんてそんなに生えているものだろうかと危ぶんでいたが、蓋を開ければ、20種類以上が見つかった。
キクラゲ、こんなとこに生えているものなんだ。
ここでこれだけ見つかるってことは、普段の生活圏にだっていくらでも生えていそうなものなのに、ほとんど見た覚えがない。
生えていないのではなく、見る気がないから見えていないのだろう。
今後は注意深く探してみよう。
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2013/6/19  23:09 | 投稿者: 時鳥

竹橋の駅前、セブンイレブンの看板を見上げて、「正しい。」とつぶやく。
営業時間が7時から23時までで、日曜日は休みだそうだ。
日本中、どこに行っても24時間営業ばかりだと思っていたら、東京のど真ん中にまだ残っていた。真の意味でのセブンイレブンが。
絶滅寸前の植物が皇居のお堀端で発見されたのに似た感覚を抱く。
オフィスビルだから、日曜日に営業していてもお客さんが見込めないんだろうけど。

でも、思うんだけど、四つ角にコンビニが3軒あって、そのどれもが24時間営業で、夜中の2時にもぺかぺかに明るいって、本当に必要なことだろうか。
売る側は何軒も集まっているからこそ商売になる部分があるのだろうけど、経営に責任を持たない消費者としては、持ち回りでどこかが開店していれば問題ない気がする。
曜日ごとに開ける店を決めるのだ。
月曜日はセブンイレブン、火曜日はローソン、水曜日はファミリーマート、木曜日はポプラとミニストップ、金曜日はデイリーヤマザキとスリーエフとサンクス、なんて具合に。
週末が近づくにつれて、徐々にハードルが高くなる。
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2013/6/17  22:21 | 投稿者: 時鳥

昨日のこと。
6月16日という日付が、何故か気にかかった。何かがあった気がする。記念日か誕生日か忌日か歴史上の重大事件の起きた日か。
考え続けた23時過ぎ、やっと思い出した。
嘉祥の日だった。別名、和菓子の日。
どっと疲れを覚える。別に、思い出さなくても良かった。

陰暦の6月16日、16個の餅や菓子を神様に供えて後で食べたり、16文で買った食べ物を贈答しあったりする習慣があって、室町の末から江戸時代にかけてはそこそこ盛んだった。
江戸幕府もこの行事を執り行っていて、初期の頃は将軍が大名・旗本の一人一人に菓子を手渡ししていたという。
で、朝から晩まで手渡しし続けた結果、3日くらい腕が上がらなかったのだそうだ。
げに尊きは平和かな。将軍が菓子を渡し疲れてぐったりしていてもいい世の中。

しかし、いくら座りっぱなしであろうと、仮にも武士を名乗る成人男性が、一日、手渡しし続けただけで筋肉痛を起こすのだ。
だとしたら、毎年、真冬の夜中に大量の荷物と共に飛び回って、煙突だ窓だと忍び込んでは贈り物を置いてくるあの老人は、年末年始、どれほどの筋肉痛に襲われていることか。
それとも、そうならないように普段から鍛錬しているのだろうか。
夏場は合宿に行って筋トレをしていたりするのだろうか、サンタクロース。
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2013/6/16  23:10 | 投稿者: 時鳥

「雪」という字は元々は、雨冠の下に彗星の「彗」の字を書いていたそうだ。
気合を入れて、無理やり表示するならこんな感じ。(漢字?)



真ん中の部分が、雪の結晶みたいだと思う。
でも、同じ部分が「彗星」と書くとお星様っぽいし、「慧眼」と書くと、鋭い光を放つ眼が2つ並んでいるみたいに見える。
「慧智」と書くと、頭の中でひらめいているみたいに見える。
文脈で意味が違ってくるというか、状況しだいでものの見え方が一変するというか。

ちなみに、横線3本に縦線1本のこのパーツ、単独で漢字になっている。読みはボウ、あるいはフウ。



草が豊かに茂る様を表しているのだそうだ。
そう言われれば、ぺんぺん草とかスズメノカタビラに見えないこともない。

※自分用メモ。
 ユキは䨮ぺんぺん草は丰
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2013/6/14  23:56 | 投稿者: 時鳥

他人の生え際を凝視してしまっているのに気付いて、あわてて視線をはがす。
他人の身体上の欠陥を凝視するのは、失礼に当たるのだった。

個人的には別に、欠点とも欠陥とも思っていないのだけど。
ホームの端を千鳥足で歩いている酔っ払いがいたら、危なっかしくて、つい見てしまう。
それと同じだ。

それにしても、ある人の持っている特徴を、心の中で勝手に欠陥とか欠点とか思うことは失礼に当たらないのだろうか。
欠点と思わずに凝視するのと、欠点と思って目を逸らすのとでは、どちらがより残酷なのだろう。
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2013/6/13  23:22 | 投稿者: 時鳥

給湯室の水道には浄水器が付いていて、吐水口付近のスイッチを切り替えると浄水器の口から水が出るようになっている。
毎日、カップを洗いに行くが、蛇口をひねる前にはスイッチを慎重に確認する。
吐水口からの水を待っている時に浄水器側から水が出てくると、袖口が濡れるのだ。
どういうわけか、スイッチは5割以上の確率で浄水器の側に設定されている。
「使ったら戻してくれないとなあ」
心の中でぶつくさ言って、スイッチを切り替える。
でも、これは私が、水は吐水口から出るのが普通だと考えているからであって、浄水器側が普通と考えている人が私のすぐ後に給湯室に来たら、きっと同じことを思うのだろう。
そして、スイッチを浄水器側に切り替えて、そのままに去っていく。
私が吐水口側に切り替えて、戻しはしないように。
どっちが正しいか間違っているか、あるいはマナー違反かって問題じゃなく、これ多分、世界観の相違に関する問題だと思う。
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2013/6/11  23:15 | 投稿者: 時鳥

「ちょこざい」は漢字で、「猪口才」と書く。
そのことを最近になって初めて知った。
そうか、才気がお猪口ぐらいしかないのね、と、漢字を目にした瞬間に納得したが、国語辞典の語釈をよく読むと、「猪口才」は当て字なのだそうだ。
「ちょこ」は「ちょこちょこ」と同じく、小さいことを表す言葉らしい。

とすると、「へなちょこ」も当て字なんだろうか。
へな、って何だ?へなへな?
辞書を繰る。

へなちょこ【埴猪口】
(1)外部鬼面、内部お多福面の楽焼の盃。酒を入れればぶくぶくと泡立つ。
(2)転じて、未熟者をあざけっていう称。

岩波書店の広辞苑(第四版)より。
なんと。そういうお猪口が実在するらしい。
お猪口の形状から察するに、最初は見掛け倒しに近い意味合いだったんだろう。
今じゃ、見るからに頼りなさそうな人に対して使われる言葉になっちゃったけど。
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