2013/9/30  6:49 | 投稿者: 時鳥

次の信号を見つめて、早足になる。
何だか、いつもいつも、こんなことばかりしているような気がする。
信号、電車、バス、チャイム、タイムレコーダー、閉館、閉店。
間に合わせようと、四六時中、急いで、敵みたいににらんで、それ以外は見ないようにしている。
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2013/9/29  22:32 | 投稿者: 時鳥

本好きにお奨めなのが、「LITTLE BOOK STORE Creator's Zine Exhibition」。
「ジン」というのは手作りの小冊子のことで・・・要は、同人誌だ。たぶん。
ギャラリーで開かれるので、出展者もデザイナー、イラストレーター、てまり作家、絵描き、漫画家といった方々で構成されている。

「ハートオープナー」は、瑞々しい油彩の曽谷さん、浮遊少女写真の林さん、あっと驚く美しい照明の小松さん、ユーモラスな影のplaplax、などなどが一堂に会する珍しい展覧会。これは必見。

必見といえばもちろん、「旗本御家人III お仕事いろいろ」も。
詳しいことは先日書いたから省略。

「横谷奈歩 鏡師、青、鳥」は、全然知らない人なんだけど、何か不思議で美しいものを見られる予感がしてならない。

不思議といえば、去年、大きめの回顧展が開かれた佐藤慶次郎さんも不思議なオブジェを作る人で、彼の作品をたくさん持っている岐阜県美術館から作品が来る。
DVD付き展覧会カタログを販売するそうで、自分にしては珍しく、欲しい気がする。
玉が上がったり下がったりしているのを見るだけで、何故こうも面白いのか。
・・・こんな説明で面白さが分かってもらえるとは思えないけど。

「犬のための建築」は、建築家が愛する我が犬のために考えた、渾身の犬用建築を公開。
すべての作品の設計図は以下の公式サイトでダウンロード可能なので、腕に覚え、心に犬への愛あふれる方はお試しになられるのも一興かと。
architecturefordogs.com

「吉岡徳仁 クリスタライズ」は、きらきらした美しいものを見たい方へ。
人工的とか自然とかの境目を吹き飛ばして、透き通った美しい世界を容赦なく繰り広げている。
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2013/9/28  20:48 | 投稿者: 時鳥

展覧会情報を15件追加しました。
右の「展覧会情報」リンクよりお入りください。
追加した情報は以下の通りです。


「牛腸茂雄展 第二部『こども』」
MEM(恵比寿)
期:9/24〜10/14 12時〜20時(月休み)無料
※渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 2F
☆没後30年を迎える写真家の個展。透明な眼差しの底にあるわだかまり。

「LITTLE BOOK STORE Creator's Zine Exhibition」
Gallery 子の星(代官山)
期:10/3〜10/14 12時〜19時(火休み)無料
※渋谷区代官山町13-8-113
☆27組のクリエイターが作る小さな本。

「TEFサウンド・インスタレーション 第1期」
トーキョーワンダーサイト本郷(水道橋)
期:9/28〜10/20 11時〜19時(月休み)無料
☆地図の等高線を音符に変換して作曲した曲を、その土地に住む人が歌って、
その歌を聴いて1枚の絵にする「山あり谷あり」、
リアルタイムで音を絵画化する機械「OSCILLA」、ほか。

「ハートオープナー」
SHIBAURA HOUSE 1F(田町)
期:10/12〜10/21 9時〜21時(無休)無料
※港区芝浦3-15-4
☆多摩美術大学展覧会設計ゼミ企画。参加作家は小松宏雅、曽谷朝絵、
鈴木康広、岩崎貴宏、plaplax、林ナツミ。

「旗本御家人III お仕事いろいろ」
国立公文書館(竹橋)
期:10/5〜10/24 9時45分〜17時半 木金〜20時(無休)無料
※千代田区北の丸公園3-2
☆大御所吉宗の介護日誌、奥医師の診療日誌、記録保存のプロに御乳持バイト、
公金運用、趣味に生きる窓際族など。

「横谷奈歩 鏡師、青、鳥」
HAGIWARA PROJECTS(初台)
期:9/28〜11/2 12時〜19時(日月祝休み)無料
※新宿区西新宿3-18-2☆鏡をテーマにした新作インスタレーション。
鏡の裏に秘められた静謐な世界。

「コレなんだ?佐藤慶次郎のつくった不思議なモノたち」
小金井市立はけの森美術館(武蔵小金井)
期:10/12〜11/17 10時〜17時(月休み)500円
※小金井市中町1-11-3
☆岐阜県美術館の所蔵作品から「不思議な振動するオブジェ」約30点を展示。

「須田一政 凪の片」
東京都写真美術館(恵比寿)
期:9/28〜12/1 10時〜18時 木金〜20時(月休み)600円
※恵比寿ガーデンプレイス内
☆池の鯉、道行く女、脱いだ靴。ありふれたものが水銀のように底光りし、
現実の皮一枚めくった先にある異界を垣間見せる。

「企業博物館」
帝国データバンク史料館(市ヶ谷)
期:10/1〜12/1 10時〜16時半(月休み)無料
※新宿区本塩町22-8
☆日本の会社展第3回。日本と世界の企業博物館250館を紹介。

「森村泰昌 ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る」
資生堂ギャラリー(銀座)
期:9/28〜12/2 11時〜19時 日祝〜18時(月休み)無料
※銀座8-8-3 B1
☆ディエゴ・ベラスケスの「ラス・メニーナス」をテーマにした
セルフ・ポートレート約17点。

「ARCHITECTURE FOR DOGS 犬のための建築」
TOTOギャラリー・間(乃木坂)
期:10/25〜12/21 11時〜18時 金〜19時(日月祝休み)無料
※10/27,28,11/3,4は開館
☆犬と人間の幸福のために考案された「犬のための建築」十数点。

「五線譜に描いた夢 日本近代音楽の150年」
東京オペラシティアートギャラリー(初台)
期:10/11〜12/23 11時〜19時 金土〜20時(月休み)1000円
※新宿区西新宿3-20-2
☆幕末維新期から現代に至る日本の音楽の展開を約300点の資料で振り返る。

「カイユボット 都会の印象派」
ブリヂストン美術館(東京)
期:10/10〜12/29 10時〜18時 金〜20時(月休み)1500円
※中央区京橋1-10-1
☆カイユボットの絵画約60点。近くで見ても色彩の塊になりにくい円やかな印象派。

「うさぎスマッシュ 世界に触れる方法」
東京都現代美術館(清澄白河)
期:10/3〜1/19 10時〜18時(月、12/28〜1/1休み)1100円
※江東区三好4-1-1
☆グローバル経済から遺伝子まで、現代社会の事象をそれぞれの手法で
デザインする21組の表現を紹介。

「吉岡徳仁 クリスタライズ」
東京都現代美術館(清澄白河)
期:10/3〜1/19 10時〜18時(月、12/28〜1/1休み)1100円
※江東区三好4-1-1☆音楽を聴かせながら結晶化させた絵画、結晶化した薔薇の彫刻、
7つの糸から生み出される椅子などの新作と代表作たち。



twitterに投稿したもの(一部未投稿もあり)から、特に面白そうなのを拾っています。
ここに載っていないのも見たい方は、右の「速報(twilog)」からごらんください。
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2013/9/28  0:10 | 投稿者: 時鳥

旅行の広告を眺めていた。
旅程の横に、出発日のカレンダーが付いている。
土曜日と日曜日の需要が断然多いはずなのに、カレンダー上では右端と左端に分かれていた。
土曜日を真ん中に配置したカレンダーにすればいいのに、と思う。
金曜日と日曜日が両隣で、旅行に大事な3日間が一目で見られる。
世の中、どこを見回しても真ん中が水曜日か木曜日のカレンダーばかりだけど、実は2割くらいのカレンダーは、土曜日を真ん中にした方が使い勝手がいいんじゃないかと思う。
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2013/9/25  23:21 | 投稿者: 時鳥

土曜日。
東京国立近代美術館の竹内栖鳳展に行こうかどうか迷いつつ、東京駅の近辺を歩いていたら、八重洲ブックセンターに差し掛かった。
「インセクトアート」という文字に魅かれて、ふらっと立ち寄る。
1階のエスカレーターの横の壁に、十数枚の額縁がかかっていた。
キャンバスには、昆虫の標本が整然と配置され、幾何学模様やシンメトリーの図を為している。
問答無用で見惚れた。
カナブンやタマムシの虹色に光る背中、七宝焼きみたいなゾウムシ、大きな青いモルフォ蝶、触れれば破れそうなライスペーパーバタフライ。
虫であり、死骸であることを気にしなければ、こんなに美しいものも滅多にない。
このアートを考え出したクリストファー・マーレイさんによると、これらの虫は害虫で、現地の人がこれまで駆除しては捨てていた虫を買い取ってアートにしているのだそうだ。
外部の人間には美しく見えるけど、現地の人にしたら憎らしくしか見えず、売り物になるとは夢にも思っていなかっただろう。
視点が変わるだけで、物事が丸ごとひっくり返って見える不思議。

何往復かしてじっくり見るうち、竹内栖鳳展への興味が失せてきた。
あっちの方が万人受けして有名で高評価なのは分かっているんだけど、血が騒ぐのはどうしたってこっちの方で、その事実は自分の中で無視しちゃいかんと思う。
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2013/9/24  22:36 | 投稿者: 時鳥

北海道の温泉施設を訪れたマオリ族の女性が、顔に入れた入れ墨を理由に入浴を断わられた。
この女性の入れ墨はマオリ族の伝統に基づくもので、反社会的なものではなかった。

少し前に、そんなニュースを読んだ。
正直なところ、どうして風呂屋が入れ墨をそこまで目の敵にするのか、よく分かってない。
別に染料が溶け出すわけでもあるまいに。
ルールを守って入浴してくれるのなら、若かろうが年寄りだろうが、太っていようがやせていようが、手足が何本あっても、肌が虹色でも、模様があっても、どうだっていいと思う。
・・・あ、でも、犬猫猿鳥といきなり一緒になるのはちょっと抵抗がある。せめて、生きた地球人ではあって欲しい。

話を元に戻す。
彼女らは、道内在住のアイヌ民族の方々に招かれて来日したのだそうだ。
確か、アイヌ民族にも成人すると入れ墨をする風習があったはずだ。
近年は廃れたようだけど、昔の文献や映像を見ると、よく出てくる。
仮にも、アイヌ民族の本拠地である北海道で、民族文化由来の入れ墨が許されないって、どうなんだろう、それ。
憶測だけど、地元のアイヌ民族の方が先祖伝来の入れ墨を入れていても、マオリ族の方々と同じ対応を食らうんじゃないかと思う。
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2013/9/23  22:28 | 投稿者: 時鳥

快速の湘南新宿ラインが横浜駅を出た。
普通は新川崎、武蔵小杉の順に停車するが、快速の場合は新川崎を飛ばしていきなり武蔵小杉に停車する。
隣には、二人連れの男性が座って、盛んに会話を交わしている。

武蔵小杉が近づき、車内アナウンスが入った。
男性の一人がふと声を上げた。
「あれ?新川崎、止まったか?」
もう一人が答えた。
「え、止まっただろう。止まった止まった」
以下、最初の男性を恵比須、もう一人を大黒と呼ぶことにして、会話を復元してみる。

恵比須「えっ、気付かなかった。本当に止まったか?」
大黒 「止まったよ、うん。だって横浜の次は新川崎だろ」
恵比須「それもそうだな」
大黒 「うん、そうだよ」
恵比須「いやあ、話に夢中で気付かなかったよ」
大黒 「ああ、なあ。でも止まってたよ、本当に」
恵比須「あ、そういえば止まったな」
大黒 「そうだろ、そりゃあな」
恵比須「うん、止まったな」
大黒 「そうそう」
恵比須「そうそう」
大黒 「あれ?でも、本当に止まったか?」
恵比須「止まっただろ。止まったよ」
大黒 「そうか、止まったか」
恵比須「止まったよ」
大黒 「止まった。うん、止まったな」

隣で密かに笑いをかみ殺しながら、ぞっとした。
こういう会話、きっと各種現場で毎日のように繰り返されているんだと思う。

最初は一人だけが自信満々で、二人目は引きずられるようにして信じて行く。
その後で、一人目が自分の確信を疑いだすのだが、今度は自信満々になった二人目に打ち消されて、結局、なかったものがあったことになる。
あったものを「なかった」と言われれば、言われた側は見落としの可能性を一応は考えるけど、何人もが自信を持って「あった」と言うのなら、それが実際はなかったとは普通はなかなか考えない。
でも、あるのだ。何人もで記憶を補強しあっているうちに、虚の記憶が実の記憶になってしまうって事が。
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2013/9/22  20:21 | 投稿者: 時鳥

今秋の国立公文書館の特別展のテーマが「旗本御家人III」だと知った時、たまたまこの本を図書館から借りていた。
読むかどうかも定めずに借りていた本だったが、これは何としても特別展までに読まねば、と心に決めた。
そもそも、どうしてこの本を借りたのかと言えば、2010年の春に国立公文書館で開かれた「旗本御家人II」が大層面白かったからに他ならない。あの展覧会みたいな本で、著者が氏家さんなら面白いに違いないと考えて借りたら、数日後に「旗本御家人III」のニュースが入った。そうして読んだら、また「旗本御家人III」への期待がふくらんだ。

元旗本の大八木醇堂が明治半ばに書き残した記録を中心に、幕臣たちの職業生活の本当のところを明かした本。
えげつないパワハラ、年齢サバ読み、物事を円滑に進めるために不可欠の賄賂、開かれた秘密会議、藩主の替え玉を暗に勧める将軍、役職についたものの金がなくて勤めに出られず、自宅に引きこもる代官、などなど、現代日本の一般市民の常識を軽く超越した話には事欠かないが、特に興味深かったのが就職活動に関する部分だ。

幕臣の間で「出勤」「稼ぐ」あるいは「勤に出る」といえば、それは仕事に行くことではない。就職活動のために、有力者の屋敷に出向くことなのだそうだ。
それを知った時、足元が揺らぐような気がした。手段が完全に目的と化している。
しかも、20年就職活動した挙句、ついに役職に就けずに死ぬことがざらにあったらしい。どこからどうみても、人生を棒に振っている。

江戸初期は幕臣の数よりもポストの数のほうが少なかったのだが、5代綱吉と6代家宣が藩主から将軍になった時に館林藩と甲府藩の多くの藩士が幕臣となったため、人員が過剰となり、就職難が生じたのだと言う。
こういう状況では、長男に生まれただけでは役職は得られない。そこで裃に身を固めて、幕府の有力者のもとを回って、就職活動をするわけだ。
特に早朝、幕府上層部が江戸城に出勤する前、屋敷に参上することを「対客登城前」と呼んだ。夜明け前から門前に並び、夜明けの鐘と同時に開いた門の中に一斉に吸い込まれていく。
参上するほうも大変だが、参上される側もそれなりに厄介だ。求職者の扱いを間違えると、評判がたちまち落ちる。幕府上層部なんて元より、妬まれやすい立場なのだ。
幕臣の間では「対客登城前」の際の訪問先の対応も噂となり、「あの老中は対応が素っ気ない」だの「あの若年寄は御家人のすぐそばまで来てお話なさる上に、熱いお茶まで出してくれる」だの「あの若年寄は本人が出てくる頃になってやっと待合室に火鉢が出てくるし、本人が退出すればさっさと下げられる」などと細かくチェックされる。
なんて面倒臭い奴らだ、と思いつつ、これはそう、あれに似ている気がしてきた。
某握手会における、神対応と塩対応。
この時代にネットがあったら、引きこもりの分厚い層が形成されたに違いない。

『旗本御家人 驚きの幕臣社会の真実』氏家幹人 洋泉社 2011年
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2013/9/20  22:54 | 投稿者: 時鳥

銀杏の実が落ち始めた。
思ったのだが、ギンナンの果肉というのは何のためにあるのだろう。
人間が食べないのはもちろん、動物が食べているところも想像しにくい。
地面に落ちたらすぐに腐るし、異臭はするし、虫の類は寄ってきても鳥や獣は食べないように思える。
わざわざ労力をかけて果肉をつけているのだから、何の役にも立たないってことはなかろうが、なんの役に立っているのかさっぱりわからない。
誰にも食べられないようにするために変な臭いの果肉をつけているのかもしれないけど、それにしては、腐るのが早すぎる。
ある種の豚か猿だけが好物にしているとかの、狭く特殊なニーズがあるのだろうか。
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2013/9/18  22:30 | 投稿者: 時鳥

お知らせメールの文面が、そこはかとなく隔靴掻痒。
もう少し分かりやすくならないものかと、考えてはみたが、これだとあっちの人の誤解を招きそうだし、それはそっちの人にとって丁寧すぎてまだるっこしいという具合で、なかなか誰にでも分かりやすいものと言うのは出てこない。
きっと、この文章を考えた人たちもそうだったのだろうけど、そういう時は結局、最大公約数を取ることになる。
誰にとっても理解が可能なもの、受け入れてはもらえるものを選ぶのだ。
でも、誰にでも分かるもの、万人から及第点をもらえるものって、ひっくり返せば、誰からも満点をもらえないものってことなのだ。
誰にとってもぴったりではない既製服、あと少しが叶わないシステムキッチンと同じで。

基本的に、日本にいる日本人だけを想定すればいいはずの日本語でさえ、こんなに厄介だとしたら、世界中の人を想定しなければならない英文メールだったらどうなるのだろう。
ニュアンスを極力削った、単純明快な言葉だけで出来た、真っ白い骨格標本みたいなメールになるんじゃないだろうか。
英語は不自由だから、完全に想像だけで言っているけど。
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2013/9/16  21:32 | 投稿者: 時鳥

国立公文書館の秋の特別展のチラシを入手する。
タイトルは「旗本御家人III お仕事いろいろ」。
このタイトルだけで胸が高鳴るが、裏面には展示の主な内容と資料が箇条書きされていて、さらにわくわくする。
国立公文書館なんてお堅いところで、どうしてこんな、週刊誌の中吊り広告か記事見出しみたいなのが出てきちゃったんだろう。
捨て置くには勿体無いキャッチーさにつき、すべての箇条書き項目を書き写しておく。

なお、会期は10月5日から24日、9時45分から17時半まで、木曜と金曜は20時まで。
入場無料、無休、場所は竹橋駅から徒歩5分の国立公文書館。


大奥の女性たち
・将軍家出産御用達の助産婦たち(恩賜例・諸向地面取調書)
・大奥のお乳が足りない(御触書天保集成)
・「御乳持」は妻たちの高額アルバイト(女中帳)
・お乳の確保は目付の仕事(蜑の焼藻の記)
・寛政の授乳改革(蜑の焼藻の記)
・御伽坊主とお世継ぎづくり(女中帳)

大奥の小児医療
・奥医師のお仕事は(奥御医師誓詞)
・名医もいればヤブ医者も(奥医師名前・当世武野俗談)
・西丸奥医師の診療日誌。若君姫君たちの早すぎる死(朝廷日記)
・将軍家斉の苦言「もっと普通の医療を」(朝廷日記)

近侍する人々
・大御所吉宗を介護する小性たち(吉宗公御一代記)
・死ぬまで御奉公、死んでも御奉公。家光の墓守になった小納戸(流芳録)
・お茶とお花、理髪の技も求められた小納戸たち(雑識)
・公人朝夕人は究極の閑職(瀬田問答)

大目付と目付
・旗本藤枝外記と遊女綾絹の心中事件を裁く(久松日記・一話一言)
・佐野善左衛門の切腹と目付山川下総守の気転(田沼実秘録)

公金の運用
・公金を遊ばせるな。先手鉄炮頭による公金貸付の試み(思忠志集)
・天野弥五右衛門は元禄のご意見番(続編武林隠見録)

記録保存の仕事
・貴重書のレプリカを作成した書物奉行の絶技(後撰和歌集)
・紅葉山文庫の蔵書の修復にいそしむ書物同心たち(御書物方日記)
・修復作業等で出た反古紙は人足寄場で再生紙に(御書物方日記)
・幕府日記の副本作成プロジェクト。余剰幕臣を活用した記録保存(小役人帳)

天文方の仕事
・幕府の碁師から初代天文方に。823年ぶりに改暦を実現した渋川春海(貞享暦)
・貞享2年カレンダーから「節分」が消えた理由(大経師暦)
・天保10年8月1日の金環日食(霊憲候簿)

江戸文化を彩る旗本御家人たち
・老中を動かした狂歌の力(奴師労之)
・三味線の伝説的名人は幕府御家人(奈良柴)
・微禄の旗本。されど園芸の世界では重鎮(草木錦葉集)

幕末の手紙 多聞櫓文書より
・徳川慶喜の外交デビュー(大阪から江戸の同僚へ)
・京都の物価、京言葉、京女の化粧・・・(京都から江戸の家族へ)

文政の金座絵巻
・金貨はどのように製造されたか(金吹方之図)
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2013/9/15  23:17 | 投稿者: 時鳥

大きな組織の下の方に入った人が、こつこつと積み上げて一番上に登りつめる。
昇るには、上役から評価されなければならないから、意向を汲むべく精一杯努力する。

一番上に立つと、もう顔色を伺うべき上役がいない。
で、今度は下や周囲の意向を気にする。
引き摺り下ろされないように、振る舞いには重々注意し、大きく外れた意見は表明しないようにする。

上と下が互いの腹を探り合い、ちいさな兆しも見逃さない。
相手の中に見つけた兆しが、自分の中で膨らむ。すると相手も、自分の中で芽生えたそれに気付く。相手の中でそれは膨らみ、自分がまた気付いて、相手も気付いて、複利法で増幅をし続ける。

いつの間にかハウリングと化して手が付けられなくなってしまったものをよくよく見直せば、きっかけあるいは根拠なんて、本当に小さなことでしかないってことが珍しくない。
誰かが茶々を入れていれば、適当な位置に空気を読まない奴がいてくれれば、ヒートアップする前に止まらなくもないんだけど、何しろ、似たような人ばかりを集めたがる上、一度ゴールを決めると脇目も振らずに走りたがるものだから、似たようなことが何度も発生する。
古くて大きくて有能な組織ほど、特に。
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2013/9/14  23:49 | 投稿者: 時鳥

「東京国際消防防災展2013」の案内をもらう。
東京ビッグサイトで10月2日から5日まで。
5年に一度のビッグイベントだそうだ。

会議棟では、関係者向けに防火防災に関する講演やセミナーを。
屋外展示場では、消防演習、水難救助演習、消防艇の展示および体験乗船、救助訓練デモンストレーション、国内外の消防設備等の展示体験を。
屋内展示場には、地震・津波を想定した防災体験シアター、消防の歴史や防災対策をパネルや映像で紹介するコーナー、防災学習ホールなど。
西1、西2ホールには企業ブースが立ち並び、214社・団体が出展する予定。国内最大級の消防防災に関する展示会となる見通し。

うん、ここまではタイトルから予測されるとおりだ。

防災学習コーナーのイベントプログラムを見る。震災関連の映像放映、防災寄席、防火防災講演といった演目が並んでいる。
・・・防災寄席?

屋内展示場の一角にはワクワクステージという名のイベントステージが設けられ、以下のようなイベントが連日繰り広げられる。

「出動!キッズ防災サミット」
日本各地の消防マスコット・キャラクターたちがステージに大集合!
キャラクターによる防災学習パフォーマンスなど来場者参加型プログラムを展開します。

「消防ドラマ(演劇)」
東日本大震災に緊急消防救助隊として派遣された消防士達の証言に基づく絆をテーマにした演劇を上演します。

「サバイバルファッションショー(服飾展示会)」
防災に係る新しい衣装提案をテーマにした学生による服飾展示会を実施します。

「防災スイーツコンテスト」
長期保存が可能なお菓子作りをテーマにしたスイーツコンテストを実施します。

「親子お菓子作り教室」
保存食を利用した親子参加型のお菓子作り教室を公開します。

「東日本大震災復興支援コンサート」
被災地で実際に復興支援活動を行っている演奏者によるコンサートを実施します。

以下省略。

ファッションとスイーツの辺りが違和感。
テーマを防災と定めた後で、防災に関連する楽しいイベントを何か、と考えたからこうなっちゃったんだと思う。
関係者は多分、おかしいと思っていないだろうけど、予備知識なしにいきなり聞かされると、取り合わせの奇妙さに目が点になる。
長期保存が可能な防災用のお菓子って、不思議な発想だ。嫌いじゃないし、ちょっと興味もあるけど。
屋外展示場の演習といい、展示会といい、時間の都合がつくならちょっと行ってみたい気がする。
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2013/9/14  22:23 | 投稿者: 時鳥

ここ数日、仕事に集中するあまり、長時間同じ姿勢で座りすぎているため、帰宅する頃になると腰が痛む。
寝ている間も何度か眠りが浅くなり、姿勢を変えたりクッションを入れたりしていたが、今朝は明け方になってがさがさと起き出した。
このまま朝まで寝続けることも可能だけど、つける薬か貼るものが手元にあるなら、手当てをしておいたほうがいいような気がする。

何かの折にもらったお灸が出てきた。火をつけて貼るタイプのものだ。
使うのはやぶさかではないが、しかし、何で火をつければ良いのだろう。
煙草は吸わないので、ライターは持ってないし、マッチは非常用持ち出し袋にしかない。この状況は、非常ではない。多分。
ガスコンロから火種をもらうのが正解だろうが、この部屋にはろうそくもない。
小さなお灸にガスコンロで火をつけるのは、大げさな気がする。

朝5時に部屋の中央に立ちすくんで考えこむ。

あ、そうだ、ここはあれだよ、行灯の中に入ってるやつ。
思いついて、サラダ油、お香用の豆皿、太目の20番レース糸を用意する。
豆皿にサラダ油を注いで、短く切ったレース糸を浸し、糸端は皿の縁にかける。
糸玉のレース糸の端をガスコンロにさらして火をもらい、豆皿のレース糸に移す。
糸玉の端は流しに直行させて水をかけ、ガスコンロは消火し、残ったのは豆皿の灯火だけ。
初めてやったけど、意外にあっさりと出来た。
油火というものですね、これは。

明るさはろうそくと大して変わらないが、取り扱いや持ち運びのしやすさではろうそくにかなり劣る。
ただし、そこらにあるもので簡単に作れるところは非常に大きな利点。
非常用持ち出し袋にサラダ油も入れておいたほうがいいかもしれない。
食料にも照明にもなるし、潤滑剤としても使えるしで、応用範囲が広い。
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2013/9/13  7:52 | 投稿者: 時鳥

2009年に亡くなった動物行動学者の日高敏隆さんが、亡くなった年に集英社のPR誌「青春と読書」に連載していた10篇のエッセイ、それから2007年に総合地球学研究所を退官した際の講演録を収めた本。

頭が柔らかい、といえば確かにその通りなんだけど、それだけだと足りない感じがする。
生き物として柔軟な人だったんだと思う。
日本の動物行動学の草分けで、プロフィールには教授や学長や所長といった肩書きがいくつも並ぶ。『ソロモンの指環』『利己的な遺伝子』『生物から見た世界』など、翻訳書は多数、エッセイもたくさん書いている。
そういう偉い、学識豊かな人だから、エッセイには大量の知識が詰まっているのだけど、それが単なる知識の披露には決してならない。
分からなかったことがどうやって分かるようになったか、まだまだ分かっていないことがどれほどあるか、そして、世界が如何に精妙で豊かで、底知れないものであるか。
するすると読みやすい文章で、押し付けがましさのない柔らかな姿勢で、とても深いことを語りかけている。

『世界を、こんなふうに見てごらん』日高敏隆 集英社 2010年
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