2013/10/31  22:33 | 投稿者: 時鳥

org と打ち込んだ文字が、いきなり、人間に見えた。
よく見ると、ブルマーを履いて立位体前屈をしている人に見える。
一度そう見えると、ずっとそう見える。
もうとっくに発見されていることかもしれないけど、今日はじめて気付いた。

とはいえ、この人は、フォントによって出てきたり出てこなかったりするようで、ジーの下半身が丸まるタイプのフォントだと、途端に見えなくなってしまう。
フォント別の例をいくつか。
(検証はWindowsでしています。Mac使いさんごめんなさい)

見えるタイプ:
org ←Arial
org ←Verdana
org ←Courier New

見えないタイプ:
org ←Century
org ←Times New Roman
org ←MS Pゴシック
org ←MS P明朝
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2013/10/31  7:46 | 投稿者: 時鳥

環境問題がらみの文章に目を通す。
「大量生産・大量消費・大量廃棄」を旨とした20世紀の資源消費型社会から、21世紀のうんぬんかんぬんという文章を読みながら、思った。

今だって大量消費社会だ。対象が情報になっただけで。
物の生産や消費や廃棄には、具体的な物質が必要で、目に見え、手に取れる形で生まれたり消えたりした。今、一瞬一瞬に物凄い量の情報が生み出されている。あっという間に広まる情報、長い間流通し続ける情報もあるが、大部分の情報はほとんど人の目に触れることなく、ネット空間の中を浮いて、いつの間にか消えている。まるでシャボン玉の歌のように。

今では、資源消費型社会は悪とされているけれど、数十年前はそれは正しかったのだ。たくさんの弊害を引き起こすことが判明したため、善から悪へ、人間の価値観が転回し、今ではそれを正しいと思っていた時代のことが分からなくなっているけど。
今のこの、情報大量消費型社会だって、もう少ししたら恐ろしい弊害が見つかって、人類皆が「どうしてあんなのがいいと思ったんだろう」と首を傾げて反省する時代が来るかもしれない。

理屈ではなく感覚の問題なんだけど、何かこう、情報の量が多すぎて、伝達速度が速すぎて、検索すれば玉石問わず何らかの答えがすぐに出てきて、小さなことも大きなことも同じように扱えてしまう今の状況に、理由のない不安を覚えてしまうのだ。
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2013/10/30  22:29 | 投稿者: 時鳥

どこか近くで、知らない鳥が鳴いている。
鳴き声に引き寄せられて歩いていくと、バードコールのたくさん下がった丸太があった。
木片と木片がきつくこすれあう音、木に埋め込まれた金属のねじが回る音が、鳥の声のように聞こえたのだった。
音の発生源を見た途端、これまで鳥の声だと思っていたものが、不快な軋みに聞こえてしまった。
少し離れて、発生源から意識が遠のくと、また鳥の声に聞こえてくる。
我ながら、心が狭い。この調子では、バードコールを手にして鳥の声を出せるようになるまでの道のりは険しい。

「物事を別の方向から見る」とはよく話題に上り、実行もすることだけれど、木片のこすれあう音を鳥の声と聴ける人というのは、今ある音を別の方向から聴ける人なんだと思う。
才能の一言で片付けてしまうのは簡単だし、「自分にはないから」の一言で済ませられるから楽なんだけど、でもむしろ、意志と意識の問題なんだろう。
「あの音を自分で作るには、どうしたらいいか」とか、「この音は別の音に聞こえないか」とかをいつも考えていると、何の関わりもないものから同じ音が生まれていることに、ある日いきなり気付く。
南アメリカの海岸線とアフリカの海岸線がかみ合うことに気付いた人も、プリンに醤油をかけたらウニの味になることに気付いた人も、原理としてはほぼ同じだろう。
能力があった、チャンスに恵まれた、予期せぬ出来事、失敗の産物。
周囲も本人もいろいろな理由を述べ立てるが、本当の理由はひとつしかない。
気付く人というのは、気付きたがっている人なのだ。本人が意識していようといまいと、結局は。気付きたいと望めば即座に気付けるものでもないが、少なくとも、いくら物分りのいい顔をしていても、本心で望んでいなければ決して気付かないって事だけは言えると思う。
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2013/10/29  20:43 | 投稿者: 時鳥

小さな問題が次から次へと湧き出し、いくら潰しても終わりが見えない。
しばらく前に稲垣栄洋氏の本で読んだ、雑草の駆除方法についての一節を思い出した。

雑草というのは抜いても抜いても生えてくるもので、除草剤も大して効かないし、刈り取っても刈った所から伸びてくる。しかし、雑草研究者の同氏によると、ひとつだけ、雑草を駆除する方法があるのだそうだ。
それは、雑草を抜かないこと。
雑草は、植物としては弱く、他の植物と対等な条件で競うと負けるから、植物が生えるに適さない環境をわざと選んで生えている。だが、雑草が生え続けることによって、その場所は植物の生育に適した場所になっていく。そうすると他のもっと強い植物が進出するので、雑草は生存競争に負けて消えていく。
中指ほどの小さな雑草の生えていた空き地は、やがて丈高いイネ科の植物の生える場所となり、潅木茂る藪となり、落葉樹の林となり、常緑樹の森となる。

潰さないで放っておいた問題が生き生きと育ち、森になった様子を脳裏に思い描く。
そうなるまでの過程もついでに想像してみた。その後、どうなるかも。

・・・わかったよ、やるよ。
ちょっと現実逃避したかっただけだってば。
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2013/10/28  23:06 | 投稿者: 時鳥

ふと持ち上げたハンドソープの容器がずいぶん軽くなっていたので、詰め替え用のハンドソープを買ってきた。それは9月の上旬のことだった。
しかし、2ヶ月近く経ついまだに、詰め替え用の出番が来ない。
朝のキッチンでそのことに気付いて、眉間に軽くしわを寄せる。
おかしい。妙に減る速度が遅いような気がする。何かが起こっているのだろうか。
食器を洗いながら寄せていた眉根が、ぽんと開いた。
そうか、ポンプを押したときに出る量が減っているのか。
気付いてしまえば単純な話だ。
容器の中身が少なくなるにつれて、ポンプを一回押して出る量が減っていたのだけど、大して気に留めず、同じ回数しか押していなかったらしい。

アキレスと亀みたい。と、とっさに思った。
アキレスと亀がハンデ付きの徒競走をする。それでもアキレスはすぐに亀に追いつく。追い抜くためにはまず並ばなければならない。亀のいた場所にアキレスはたどり着くが、その間に亀はちょっぴり先に進んでいるから、やっぱり亀のほうが先頭である。で、また追いつこうとして亀のいた場所に行くが、またしても亀は進んでいる。
かくして、アキレスは永遠に亀に追いつけないという話。

ということはだ。
このハンドソープ、永久になくならないんじゃないだろうか。
ポンプというものは、容器の中にある液体の一部を吸い出す。容器の中身が減れば一回に出る量は少なくなるが、容器の中にかすかでも液体が残っている限り、出力がゼロになることはない。蒸発を防ぐための適切な処理をすれば、出力自体はいつまでも起こり続けるのではなかろうか。
まあ、肉眼では判定できないほど微量な出力になるが。
普通に日常生活を送っている人は、3回押して満足な出力が得られなければ、とっとと注ぎ足すと思うが。
アキレスも現実には、とっとと亀を追い抜いてゴールしているはずだし。

(蛇足)
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2013/10/27  22:04 | 投稿者: 時鳥

『ゆかいな理科年表』という本を読んでいたら、動物磁気の話が出てきた。
これ、デスピーナのいんちき治療だよねえ?と思ったので、メモ。

「動物磁気」はオーストリアの医師、フランツ・メスマー(1734〜1815)が提唱した説。
いわく、人間の身体には目に見えない磁場が流れていて、心身の不調は磁気の流れが滞ったために起きる。だから、身体のうえに磁石をかざして動かすと流れがスムーズになって健康を回復する。ただ手をかざすだけでも同様の治療効果が見られるのは、「動物磁気」というものがあるためである。
見ればわかる通り、いんちきである。
しかし、1778年にパリに移ったメスマーは、熱狂的な人気で受け入れられる。
その治療スタイルはというと、患者が椅子に座って「磁化水」を入れた桶に足を突っ込んで、桶についた鉄棒を握っていると、分厚いカーテンが開いて、紫の絹の服を着こんで鉄の棒を持ったメスマーが登場するという、ショーマンシップに満ち満ちたものだった。
1784年、ルイ16世が「動物磁気」の科学的調査をわざわざ命じる。
効果はあるが、それは暗示の力(一種のプラシーボ効果)と思われ、治療法自体は想像力を徐々に高める技術に過ぎない。それが調査結果だった。

デスピーナは、モーツァルトのオペラ「コシ・ファン・トゥッテ」に出てくる小間使い。
「コシ・ファン・トゥッテ」の初演は、1790年1月26日、ウィーン宮廷劇場。
舞台はナポリ、2人の姉妹とその婚約者の青年士官がいて、青年士官たちは老哲学者とひとつの賭けをする。焦点は恋人の貞節、24時間以内に姉妹の心が変わらなければ士官の勝ち、変われば哲学者の勝ちという賭けだ。
老哲学者の指示に従って、青年士官たちは戦場に行く振りをして姉妹に別れを告げ、その直後、アルバニア人に化けて姉妹の前に現れ、熱烈な求婚をする。姉妹は当然、相手にしないが、士官たちは派手な狂言自殺をしてみせる。
砒素を飲んで死にかけていることになっている男達を治療するため、医師が呼ばれる。
この医師が、姉妹の小間使いで、老哲学者に買収されたデスピーナ。ラテン語で挨拶する怪しい医師に化けた彼女が治療に使うのが磁石だ。

その部分の対話を引用してみる。翻訳は、永竹由幸さん。
デスピーナ
心配には及びませんよ,狼狽しなさんな。
私の名医術をお目にかけましょう。

フィオルディリージとドラベルラ
彼は鉄を手に持っているわ。

デスピーナ
これは磁石の一片です。
催眠力のある石です。
これはドイツが原産で,フランスで,はやったものです。
(磁石の一片で病人の頭をさわり,彼らの身体をそっと上から下へ撫でる)

これだけで男二人は回復するのだ。さすが、いんちき医者のいんちき医術。
それにしても、こういう場面でわざわざ出してくるってことは、当時から既に相当胡散臭い療法だと思われていたんだろう。

別々の方向から入ってきた無関係の情報が、人間の内部で衝突事件を起こした例。
時々、こういうことが起きる。

参考文献:
『ゆかいな理科年表』スレンドラ・ヴァーマ 安原和見(訳) ちくま学芸文庫
『モーツァルト コシ・ファン・トゥッテ』名作オペラブックス9 音楽之友社
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2013/10/26  23:51 | 投稿者: 時鳥

東京家政学院の「本気で見せます!江戸の料理」は、万難を排して行くべき展示。
・・・個人的には。
江戸時代の料理本を元に、食品サンプル作りましたなんて言われたら、行かないわけには行かない。
10月中は市谷の校舎でプレ展示をやっていたんだけど、知った時には、週末の特別開館日が終了していた。
もうプレ展示は捨てて、町田の向こうまで本展示を見に行こうと思う。

ガレリアセラミカは、儚くって精密で静謐で華麗なものが見られるような予感がする。
これも、見なければいけない。

「うちの食器棚」は、春先に対談を聴きに行った赤木さんの普段使いの食器たち。
千葉かどこかの非常に交通の便の悪いところで自宅の食器を全部並べた展覧会を開いていたんだけど、そちらへは行っていない。
あきらめていたら、『うちの食器棚』って本を出版していて、出版記念の展示会を目黒区でやるなんてことになっていた。

食のかたがみ展は、無印良品の有楽町店の一角で開かれる。
サイトに行くと、世界のだしについて調べたPDFなんかが置いてあって、つい読んでしまう。

虎屋ギャラリー、国立公文書館、国立国会図書館、近代科学資料館は、いずれも歴史や文化の展示をする場所で、行ってもぴんと来ないこともあるんだけど、当たると大当たりなので、行けるなら行っておきたい。
この4館では、近代科学資料館が優先度やや低めなんだけど、ここの地下に最近、数学体験館なんてものが出来た。まだ見ていないので行っておきたい。
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2013/10/26  8:28 | 投稿者: 時鳥

展覧会情報を16件追加しました。
右の「展覧会情報」リンクよりお入りください。
追加した情報は以下の通りです。


「DESIGN RECIPE」
AXISギャラリー(六本木)
期:10/30〜11/4 11時〜20時(無休)無料
※港区六本木5-17-1
☆主催はヤマハ株式会社デザイン研究所。デザインの流儀や考え方を調理法に見立て、
アプローチの異なる3つのレシピを紹介。プロトタイプから歴史的な楽器まで。

「うちの食器棚」
クラスカギャラリー(学芸大学)
期:10/19〜11/10 11時〜19時(無休)無料
※目黒区中央町1-3-18 ホテルクラスカ
☆赤木家の食器棚が語るうつわ作家30年史。
輪島の塗師・赤木明登さんと妻の智子さん選りすぐりの30点。
22人の現代作家の作品の展示販売もあり。
http://do.claska.com/exhibition_fair/2013/10/131014_hontentokyo.html

「名勝負」
国立国会図書館東京本館(永田町)
期:10/22〜11/22 10時〜19時 土〜18時(日祝、11/20休み)無料
※千代田区永田町1-10-1
☆野球、サッカー、相撲、ゴルフ、プロレス、囲碁、将棋等の競技と
オリンピックを題材に専門誌等の記事を紹介。

「系統樹の森 系統樹を介して樹と人間と知識の諸相を鑑賞する」
見本帖本店(神保町)
期:10/9〜11/22 10時〜19時 10/25〜13時(土日祝休み)無料
※千代田区神田錦町3-18-3
☆新旧の系統樹50点以上を紹介。系統樹+竹尾のファインペーパー+印刷加工技術
http://www.takeo.co.jp/cgi-bin/site/index.php

「京都手帳」
アンスティチュ・フランセ東京(飯田橋)
期:10/22〜11/24 12時〜20時 土10時〜19時 日10時〜18時(月祝休み)無料
※新宿区市谷船河原町15
☆バンドデシネの作家、ニコラ・ド・クレシーの個展。京都滞在の記録絵図。

「歴史秘話20 和菓子の贈りもの」
虎屋ギャラリー(赤坂見附)
期:11/1〜11/30 10時〜17時半(無休)無料
※港区赤坂4-9-22
☆江戸時代を中心に、和菓子の贈答に関する逸話や行事を紹介。

「山元規子 陶 卵殻」
ガレリアセラミカ(銀座)
期:11/7〜12/2 10時〜18時(水、11/24休み)無料
※中央区京橋3-6-18 LIXIL:GINZA 2F
☆「卵殻」シリーズの新作8点。
卵の殻のかけらのような白く薄く儚い陶片を幾重にもつなぎ合わせ、大輪に育てる。
11/7 18時半〜19時 アーティスト・トーク

「未来楽器図書館」
音う風屋(北千住)
期:10/12〜12/8 13時〜19時(土日祝のみ開場)無料
※足立区柳原2-20-9
☆参加作家は毛利悠子、江川次彦 + 小日山拓也、木本圭祐。
古い豆腐屋さんで体験する未来の楽器。来場者が作用して、展示は日に日に変わっていく。

「カリノオモテ 仮面の文化」
あーすぷらざ3階企画展示室(本郷台)
期:10/12〜12/8 10時〜17時(月休み)無料
※横浜市栄区小菅ヶ谷1-2-1
☆世界中の仮面を集めた「祈る・舞う・結ぶ仮面」と
石川直樹写真展「異人 the stranger」の2部構成。

「文明開化と明治のくらし」
国立公文書館(竹橋)
期:11/6〜12/13 9時15分〜17時(日休み)無料
※千代田区北の丸公園3-2
☆所蔵資料を通じて断髪、洋食、鉄道、改暦、郵便など文明開化の諸相を紹介。

「古代文化財の謎をとく X線で見えてくる昔のこと」
近代科学資料館(飯田橋)
期:11/5〜12/14 10時〜16時(日月祝休み)無料
※新宿区神楽坂1-3
☆11/23,24は開館。非破壊X線分析による文化財の謎解きについて。
特に「古代ガラス」に注目。

「森村泰昌 レンブラントの部屋、再び」
原美術館(品川)
期:10/12〜12/23 11時〜17時 水〜20時(月休み)1000円
※品川区北品川4-7-25
☆名画の登場人物に自らがなる、セルフポートレート作品の写真家。
1994年に同館で開催された展覧会を再現展示。

「ロマンティック・バレエの世界 妖精になったバレリーナ」
ニューオータニ美術館(赤坂見附)
期:11/9〜12/25 10時〜18時(月休み)800円
※千代田区紀尾井町4-1
☆マリー・タリオーニとファニー・エルスラーを中心に、
ロマンティック・バレエ全盛期の版画、衣装、シューズなど約120点。

「食のかたがみ展 だし」
ATELIER MUJI(有楽町)
期:10/11〜12/25 10時〜21時(不定休)無料
※千代田区丸の内3-8-3無印良品有楽町店2F
☆「だし」という「かたがみ」を通して、日常の食を考える。
長年の試行錯誤と遠謀熟慮を極限まで圧縮・整理した結果。
http://www.muji.net/lab/ateliermuji/

「Y2のお仕事 大喜利的商品開発のヒミツ」
にっぽんフォルム(新宿)
期:11/7〜1/14 10時半〜19時(水、12/27〜1/3休み)無料
※西新宿3-7-1リビングデザインセンターOZONE5F
☆地場産業や伝統工芸を資源に、新しい商品を企画するユニット。
これまでの代表的なプロダクトと冬の新作。

「本気で見せます!江戸の料理」
東京家政学院生活文化博物館(相原)
期:11/9〜2/14 9時半〜16時半(土日祝、12/26〜1/5、2/3,13休み)無料
※町田市相原町2600
☆食品サンプル技術を駆使して再現した江戸時代の料理の標本45点。
11/9,10,12/15開館。


twitterに投稿したもの(一部未投稿もあり)から、特に面白そうなのを拾っています。
ここに載っていないのも見たい方は、右の「速報(twilog)」からごらんください。
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2013/10/23  23:59 | 投稿者: 時鳥

日本人とタイ人が英語で意思疎通を図りつつ仕事をしている時、その英語が自然な英語か否かは、こだわるポイントではないような気がする。
双方がそれなりに正しいと思える英語であれば、イギリス人にとって不自然でも異様でも間違っていても、別に問題はないんじゃなかろうか。
メールがいきなり本文だろうが、ネイティブには無作法に思えるような言い回しだろうが、単純な言葉で明快に、分かりやすく書かれていることが、この2者の間では最も重要なことだと思う。

でもまあ、目くじらを立てるネイティブがいるのも、分からなくはない。
日本語に置き換えて考えれば、怪しい日本語を話す人がそこかしこにいて、正しい日本語を話す人よりもずっと数が多いって状況に相当するわけだから、自分の母語に愛着を持っていれば「言葉の乱れ」とか口走りたくもなるだろうし、子供がいれば子供の言葉がおかしくならないか心配にもなるだろう。
なぜなら、言葉は変わるものだと、実はみんな知っているから。
日本語の乱れを嘆く老人は、ほっといたら自分の納得できない形で定着してしまうって知っているから、ことさら声高に叫ぶのだ。
間違っている、と。正しくない、と。
本当は、単純に嫌いで、受け入れられないだけなのに。
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2013/10/22  7:44 | 投稿者: 時鳥

ある数字が小数点以下の桁を持っているかどうかを調べるにはどうしたらいいだろう。
眠りに落ちる前に、つらつら考えた。

一番普通にやるなら、小数点以下を切り捨てた数字を作って、元の数字と比較して、同じなら整数、違えば小数ありとする方法。
似たような形として、
・小数点以下を切り上げた数値と元の数値を比べる
・小数点以下を切り上げた数値と切り捨てた数値とを比べる
・小数点以下を切り捨てた数値を元の数値からマイナスして、0になるかをチェックする

何かこう、数字をぐちゃぐちゃ弄るのに疲れたんだけど、切り上げとか切り捨てとかしない方法ってないもんだろうか。
何分か考えて、気付いた。
文字列に変換して「.」を含むかどうかでチェックすればいいのか。
数字は数字として扱わなきゃいけないって言う固定観念がいつの間にか出来ていたけど、そもそも人間って、そうやって判定しているんだった。
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2013/10/21  22:05 | 投稿者: 時鳥

もう10年位前のことになるが、クツのオーツカ資料館を訪問したことがある。
大塚製靴株式会社の日吉工場内にある企業博物館で、確かロビーの一角が資料館として公開されていたと思う。
子供が中に入って寝られそうな大きな革靴や、いろいろな珍しい靴がある中に、何枚かの白黒写真のパネルも展示されていた。
黒澤明の映画「天国と地獄」の一場面の写真だった。
映画の中に出てくる靴工場はこの工場なのだと、添えられたキャプションに書いてあった。

そういえば、そんなことがあったっけ、と思いながら、試しに借りてみて、少し早めに帰宅した夜、ちょっとだけ見てみよう、と再生ボタンを押した途端、止まらなくなった。
主人公は製靴会社の重役。現場の確かな仕事を重んじる職人上がりの男で、利益優先のほかの重役とはそりが合わない。社の実権を握るため、自社株の株主と売買交渉を進めていたのが、ようやく話がついた。あとは全財産であるところの小切手を先方に渡せば社は自分のものになる。しかしその時。電話がかかってくる。息子を誘拐したと言うのだ。慌てたのもつかの間、息子は無事に帰宅する。しかし、息子と一緒に遊んでいた運転手の息子が帰ってこない。この子供が、息子と間違えて誘拐されたらしい。要求された金を支払えば、重役から解任され、家屋敷も職も、すべてを失う。それも、自分の子供ならまだしも、他人の子供である。だが、見捨てることが果たして可能か。
重役、その妻、運転手、警察の面々、そして犯人。
直線と頂点で構成される図形のように、すべての人が物が場面が、あるべき場所に緩みなく存在する。状況は何れの方向にでも転びえて、次に誰が動くか、何が起きるか、予想がつかない。
長い映画だったが、最初から最後まで集中力がまったく切れなかった。
無駄がなく、堅く圧縮されて、硬質で、まるで結晶のようなサスペンスだった。

横浜育ちとしては、出てくる地名のほとんどに馴染みがあって、距離感が大まかに分かるところがまた面白かった。
主人公の家と靴工場がある日吉は横浜の北部、日吉から京浜急行で20分くらい南下すると麻薬街のある黄金町、黄金町から東に3、4キロメートルも行くと本牧、そこからずっと下がって、車で30分以上南に行くと江ノ電沿いの腰越。
昔の横浜、特に、麻薬街だった頃の黄金町の様子を伝えてくれる映像を、ことのほか貴重に感じた。
今では割と普通の街になったけど、かつては「特殊飲食店」が沢山あった街だったと、話には聞いている。
写真などでは見たことがなかったのだけど、まさか、黒澤明映画で見られるだなんて思っても見なかった。

「天国と地獄」1963年
監督:黒澤明
原作:エド・マクベイン『キングの身代金』
音楽:佐藤勝

権藤金吾:三船敏郎
権藤伶子:香川京子
青木:佐田豊
戸倉警部:仲代達矢
田口部長刑事:石山健二郎
竹内:山崎努
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2013/10/20  11:07 | 投稿者: 時鳥

「天女の羽衣」に触った。
別に、天女が水浴びをしている隙に手を出したわけではなく、そういう名前を付けられた布があるのだ。
新宿のリビングデザインセンターOZONEの中にmonovaという、日本各地の素晴らしい手仕事を紹介する店がある。
ある日、たまたまOZONEに立ち寄ると、ちょうどこの店が「天女の羽衣」を特集陳列していた。
興味を引かれて4階に上がると、驚愕の布がずらりと並んでいたというわけだ。

「天女の羽衣」は太さ7デニール、髪の毛の5分の1ほどの細さの糸を平織りにしたポリエステルオーガンジーで、石川県の天地合繊株式会社が製造している。
大判のスカーフの大きさの布が何枚か、見本として吊られていたのを眺めて触れた。
とにもかくにも、恐ろしく軽い。
一番薄い生地は、1平方メートルあたり5グラム、そうでない生地でも10グラムしかないそうだ。
一番シンプルなのは白無地で、青白い輝きが奥から放たれているような趣がある。光沢をつけた布も多く、こちらは水の表面のような、エナメルのような滑らかな輝きを持っている。
手に取った布には重みがなく、するすると逃げていく。表面の光沢を残像として残して、人差し指の縁からこぼれ落ちる。スローモーションで落下する布、落下しきって落ち着く寸前の揺らめき、ためらうような余韻。
首筋がざわざわした。
こんな布が存在するだなんて、想像もしなかった。
この世ならぬものに触れているような気がしてならない。

羽衣伝説では天女と羽衣を見つけたのは男で、天女を手に入れたいから男は羽衣を盗むのだけど、見つけたのが女だったら、ただ羽衣の美しさに魂を奪われて羽衣を盗むに違いない。
それを使って何をしようとか、自分に似合うかだとか、他人のものだとか、そんなことは頭から全部吹き飛んで、美しいものに純粋に血迷うのだ。
「天女の羽衣」を手にすると、ふらっとなってしまう人の気持ちが分かるような気がする。

最も薄い光沢つきの白無地は、軽さと光が美しく、水か風に触れているようなイメージ。
グレーの布は、角度を変えるごとに虹の七色がほのかに浮かぶ。光の加減で生まれる遊色効果が、ラブラドライトを思わせる。
金糸を織り込んだ布は、片端では金糸の密度が高く、濃いゴールドを示しているのが反対の端に向かうにつれて色は薄く、糸の密度は低く、透明に近づいていく。グラデーションが効果的で、豪華と清楚が同居している。
ためつすがめつ、触れて、心ゆくまで楽しむ。

布としては多色プリントも可能だから、チェック柄や水玉模様などもあるし、ちりめん風に皺を寄せたのもある。
でも、無理に柄をつけるよりも、無地か織り模様くらいにして布を前面に出したほうが美しいと思う。

取り扱い方法は、ネットを使えば洗濯機でも洗えて、アイロンもかけられるとのこと。
一応、普段使いも出来なくはないが、ここまで圧倒的な存在感のある布だと、使いにくいような気がする。
その意味では、チェックや水玉みたいにちょっと抜けたところのある布の方が使い勝手はいいのかもしれない。
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2013/10/17  22:45 | 投稿者: 時鳥

駅のホームの電光掲示板。
次の列車が表示されてはいるが、到着時間が抜け落ちている。
どうやら、いつの便が到着するか分からないくらい、ダイヤが乱れているらしい。
ホームに並んで、いつ来るか分からない列車を待つ。
なんとなく、値段のない寿司屋を連想する。
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2013/10/16  23:34 | 投稿者: 時鳥

相模原市の傘の分別方法から始まる話、もう少し続く。

この自治体では、傘を何ゴミとするかを以下の3つの条件を使って決めている。
・長さが30cm未満か(「30cm未満」「30cm以上」)
・布と骨組みを分別可能か(「分別可」「分別不可」)
・柄を除いた骨組みは金属製か(「金属骨」「非金属骨」)

条件の組み合わせは8種類あり、それぞれのゴミの種類は以下の通りになる。

P1:30cm未満・分別可・金属骨  → 一般ゴミ または 金物類+一般ゴミ
P2:30cm未満・分別可・非金属骨 → 一般ゴミ
P3:30cm未満・分別不可・金属骨 → 一般ゴミ
P4:30cm未満・分別不可・非金属骨→ 一般ゴミ
P5:30cm以上・分別可・金属骨  → 粗大ゴミ または 金物類+一般ゴミ
P6:30cm以上・分別可・非金属骨 → 粗大ゴミ または 粗大ゴミ+一般ゴミ
P7:30cm以上・分別不可・金属骨 → 粗大ゴミ
P8:30cm以上・分別不可・非金属骨→ 粗大ゴミ

このリストをそのまま市民に渡しても分別方法を知らせたことになるが、これではあまりにも煩雑だ。そこで、質問に対して「はい」か「いいえ」で答えれば分別方法が分かるようなフローチャートを考えてみる。

ここで重要になるのは、質問の順序だ。
私がこのフローを作る立場になったとしたら、真っ先に考えるのは、このフローが何を目的としているかだ。
市民の手間を最小限にしたいのか、それとも、資源再生を最大限にしたいのか。それだけで、質問の順序が変わってくる。
図を描くのは手間がかかるので、プログラムっぽく書いてみる。

【手間の少なさを重視する場合】
If (30cm未満) Then
  一般ゴミ
ElseIf (分別可で金属骨) Then
  金物類+一般ゴミ
Else
  粗大ゴミ
End If

【資源の再活用を重視する場合】
If (分別可で金属骨) Then
  金物類+一般ゴミ
ElseIf (30cm未満) Then
  一般ゴミ
Else
  粗大ゴミ
End If

ポイントとなるのは、P1の扱いで、前者では「一般ゴミ」に、後者では「金物類+一般ゴミ」になる。
ゴミの種別を手間の少ない順に並べれば、一般ゴミ、金物類、粗大ゴミの順になるし、資源再利用の順に並べれば金物類、一般ゴミ、粗大ゴミの順になる。
だから、「一般ゴミ」にも「金物類+一般ゴミ」にもなりうるP1は、それぞれのフローの優先度に合わせて、違う種別にたどり着く。

なお、P5が「金物類+一般ゴミ」になって、「粗大ゴミ」にならないのは、どちらの場合でも「粗大ゴミ」よりは「金物類+一般ゴミ」のほうが高い優先度を持っているからである。
同じように、「粗大ゴミ」と「粗大ゴミ+一般ゴミ」なら手間がかからない分だけ「粗大ゴミ」のほうが優先度が高く、そのため、P6は常に「粗大ゴミ」になる。
ただし、「粗大ゴミをできるだけ少なくする」という目的がフローに含まれる場合、話は別だ。
資源の再活用を重視するフローに粗大ゴミを減らす目的も混ぜた場合、こんな風になる。

【資源の再活用を重視し、かつ粗大ゴミも出来るだけ減らす場合】
If (分別可で金属骨) Then
  金物類+一般ゴミ
ElseIf (30cm未満) Then
  一般ゴミ
ElseIf (分別可) Then
  粗大ゴミ+一般ゴミ
Else
  粗大ゴミ
End If

質問の順序は目的によって異なり、目的は様々なものが考えられる。
使う人の目的や考え方を押さえていないと、わかりやすいフローはできない。

使う人が何を望んで、気にして、また、何を気にしないかを考える。
作る人と使う人の見方や考え方は随分違っていて、作る人にはどうでもよくても、使う人には重大事ということが、常にたくさんある。
また、逆もある。
つまり、使う人には割とどうでもよくて、作る人には重大なことだ。
使う人にとって重要な部分はそっちに寄り添って作りこみ、作る側ばかりが気にする部分は、ひっそりじんわりとフローを微調整し、使う側が違和感を持たないよう、うまく誘導する。
使う人の声ばかりが目立って聞こえるけど、実は、表立って聞こえないだけで、作る人の声は確実に反映されているのだ。
どちらにとっても重要な部分は、暗黙では進まないので、そこはせめぎあいと譲り合いの精神で要調整。
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2013/10/15  23:17 | 投稿者: 時鳥

雨が降っている。
この後もっと激しくなり、明朝の通勤時間帯がピークだと言う。
風も強まるはずだ。
となれば、傘が壊れるやもしれぬ。
そうなった場合、どのような方法で捨てれば地域自治体の許しを得られるのだろう。

・・・と、不安になった振りをして、傘の捨て方を調べる。
東京23区と神奈川県からいくつかの市区をランダムに選んで調べた結果、金属ゴミの収集をしているところでは金属ゴミ、していないところでは不燃物の扱いになることが多いらしいことがわかった。
相模原市は、30cm以上のものは粗大ゴミ扱いで、10本までを200円で戸別回収している。30cm未満なら一般ゴミ、布と骨組みに分けられる場合、布はビニールでも何でも一般ゴミ、柄以外がすべて金属の骨組みは金物類、そうでない骨組みは粗大ゴミ、ただし30cm未満は一般ゴミとして扱うのだそうだ。
なんともめんどくさい。
ここまで指示しちゃうと、分別する人が減るんじゃないかと思うんだけど。
分別を細かく行っている自治体より、大雑把にしかしていない自治体のほうが資源回収率がいいってこと、現実にありそうだ。
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