2018/3/31  0:05 | 投稿者: 時鳥

改札口にSUICAをあてる。
長年、薄いカードを平らにして、接触面積が大きくなるようにしていたのだが、
まな板に庖丁をあてる要領で立てて滑らせても通過できることに、
最近になって気づいた。
通過する際の感触の心地よさを求めるなら、カード型より刷毛型の方がいい。
薄いカードは収納には便利だけど、あてる際に指先から滑り落ちそうになる。
刷毛かブラシですうっとなでるように通過できたら気持ちがいいと思う。
むにっと柔らかい、ビーズクッションか融けた保冷剤みたいな感触のものでもいい。
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2018/3/19  22:15 | 投稿者: 時鳥

『ベッドサイドの数値表 第2版』には、「ナース・看護学生のための」という副題が付いている。
そういう方々が現場で使う数値の類がわかりやすくまとめられたハンドブック。
縦19cmくらいの普通の単行本サイズなので、白衣のポケットに隠し持つのではなく、詰め所とかロッカーとか勉強机とかに置いていたのだろう。
古本屋の200円均一コーナーで発見し、購入した。
元の持ち主の書き込みがところどころに残る。

出版は1990年。30年近く前の本だが、タグ辞典とは違って、時間の経過が信頼の低下には結びつかない。
人間の腸の長さや死後硬直の起きる時間は30年ぐらいで変わるものじゃない。
「老人看護に必要な数値」の章はデータが古くてあまり参考にならないけど。
使い方としては、実際に困った事態が発生した時より、平和な時にぱらぱらめくることが多い。
自分に適した松葉杖の長さを算出したり、関節稼動域の図に従って身体を動かして納得したりして、のんびりと使っている。
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2018/3/19  22:04 | 投稿者: 時鳥

今では使わなくなった辞典。
仕事でHTMLを扱うようになった頃に買って、自分のサイトを作るときにもタグ辞典を引きながらHTMLを手打ちしていた。
今はWEB検索で調べてしまうから、タグ辞典の出番はない。
同じく仕事で使うJavaScriptやSQLも、かつてはリファレンス本を使っていたが、今はWEB検索しか使わない。
技術がすぐに進んで変わってしまうので、数年前の本がもう役に立たないのだ。
図書館で技術書の棚を眺めることがあるけれど、本を手に取ったらまず、
いつ出版された本なのか確認し、5年前だったら話を3割くらい差っ引いて読むことにしている。
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2018/3/11  20:01 | 投稿者: 時鳥

何十年か前のある日、大学図書館に行くと、カウンターの側に廃棄本のワゴンが出ていた。
背表紙を眺めていると、小さな英語の辞書に目が吸い寄せられた。
ぴっと一本釣りしてきたのが、本日の辞書、
『THE OXFORD MINIDICTIONARY OF FIRST NAMES』だ。

大きさは、縦12.5cm、横8cm。蔵書の中で最も小さな本だ。
版元は、ニューヨークのOxford University Press。
英語圏のファーストネームを約2000種類集めて、意味や由来、読み方、男女の別などを説明している。
裏表紙の説明によると、「子供にぴったりの名前を探すご両親だけでなく、自分自身や他の人の名前に付いてもっと知りたい方のためにも作られています」とのこと。
アメリカでは、命名辞典として使われているのかもしれない。

「『フラニーとゾーイ』のゾーイって、どういう意味?」とか、
「ブリンって、どこの国の名前?」とか調べたいときに使う。
語釈も英語だけど、そんなに難しい言葉で書かれていないから何とか使えている。
なにより、名前を調べて「これ、こういう意味だったのか!」とびっくりする楽しさは何にも変えがたい。ラストネームの辞典もあるなら、欲しいくらいだ。
本や映画の登場人物、アーティストの名前として長年慣れ親しんだ名前が、一瞬にして新しい意味を帯びる。こんな瞬間、他の辞書ではなかなか味わえない。
「ナディア」がロシア語起源の名前で、ナデジダの愛称で、「Hope」という意味だなんてことが一直線に出てきて、「ふしぎの海のナディア」との関係にしばし頭が飛躍する。
昔の漫画や子供番組に出てくる名前を片っ端から引いたら、何かしら面白い結果は出そうだけど、それは意地の悪い揚げ足取りにしかならないので、あまりやりたくない。
つい見つけてしまうのは仕方がないにしても。
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2018/3/7  22:25 | 投稿者: 時鳥

引き続き漢和辞典について。

数千年前の中国で、何を元に考え出された文字であるかは載っている。
漢音、呉音、日本に来てからの訓読みも分かる。
最初はどんな意味で、そこからこんな意味に転じた、という歴史もわかる。
でも今の中国ではどんな音で、どんな意味なのかは載っていない。
それは中国語辞典の役目だ。
ということは、これは日本語の辞典のひとつなんだろうけれど、
それにしては遠慮がちだ。
国語辞典では、最新の言葉を盛り込んだ改訂版が盛んに出版されるけれど、
漢和辞典ではそんな話は聞かない。
過去に焦点が当てられて、歴史的、伝統的な事柄ばかりが書かれている印象を受ける。
今の、この時代を写し取ろうという視点が漢和辞典には希薄だ。

漢和辞典は、一種の外来語辞典なのかもしれない、と不意に気づく。
よその国のものだから、勝手に漢字の意味を変えてはいけない、と、
辞書を作る人は思っているのかもしれない。
でも、外来語辞典には新しい言葉や和製英語がふんだんに入って、
耳慣れない、言ってみれば変な言葉ほど取り上げようとするけれど、
漢和辞典はその点、逆だ。
出典のはっきりした由緒正しい語ばかり取り上げたがる。
単なる思いつきだが、漢文が偉かった時代の感覚が人々の中に残っていて、
漢和辞典を権威と結び付ける固定観念が働いているのやもしれぬ。
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2018/3/6  21:05 | 投稿者: 時鳥

この部屋には、2冊の漢和辞典がある。
1959年刊行の『角川漢和中辞典』と1994年刊行の『新版 漢語林』。
メインで使っているのは、前者だ。

中学生になるかならずやの時分に初めて与えられた漢和辞典は、ハンディな漢和辞典で収録語数はさほど多くなかった。
不満を感じていた高校生の頃、神保町の古本屋で店先のワゴンから掘り出したのが前者の漢和辞典だ。
1968年発行の91版、元の持ち主は代々木に住んでいたらしく、奥付の裏側に郵便番号住所氏名を万年筆で記した跡が残っている。
穴が開くほどこすって万年筆の文字を消しているけれど、奥付に朱で蔵書印が押されているので、元の所有者の苗字は今もわかる。
奥付には「定価1100円」、箱には「定価2400円」と印字されている。
奥付が初版の価格、箱が91版の価格と解釈していいのだとしたら、9年間でずいぶん値上がりしたものだ。
9年で91版という重版回数も凄い。1ヶ月か2ヶ月に1回は重版がかかっている計算だ。そんなに売れる漢和辞典って、どういうことなんだろう。
肝心の内容は、普段使わないような漢字も網羅していて、字義も詳しい。
初版の刊行からはもう60年経っているけれど、漢和辞典は「元来どんな意味だったか」を調べるために使うことが多いので、古いことは問題にはならない。
基本的に満足。でも実は、すっきりしない気持ちも抱えていた。

新語が載っていないのは良い。が、学者達だって日々研究に励んでいるのだ。この60年で研究の進んだ部分もあるはずではないか。そこを完全に取りこぼしていて、本当にいいのだろうか。
心に迷いを抱えたある朝、古紙回収の集積場に、ろくすっぽ使っていなさそうな漢和辞典が転がっているのが目に入った。あんまり国語の好きじゃなかった学生が、高校卒業と同時にさくっと捨てた風情だ。
情けを覚えて連れ帰り、後者の漢和辞典がうちに来た。
引き比べてみると、ぱっと見て分かるほどの大きな違いはない。
甲骨文字などの元の字がちゃんと載っていることは美点のひとつ。
古い漢和辞典よりやや薄めなのと際立った長所がないので、結局、古い漢和辞典の座を脅かすには至らず、新しい方はセカンドオピニオンとしてまれに開く程度となっている。
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2018/3/3  22:36 | 投稿者: 時鳥

岩波文庫の『紋切型辞典』が部屋にあることを、今日になって思い出した。
先日作ったリファレンス・ブック・リストに入れるのを忘れていた。

『紋切型辞典』はフローベールが書いた、いわばパロディ辞書だ。
例えば「栄光」の項には「うたかたにすぎない。」なんて語釈が付いている。
一応、項目を五十音順(原著はアルファベット順)にならべていて、
語釈も付いていて、題名にも辞典と付いているから、辞書と呼んでいいのだろうが、
調べ物をする時にこの本を使ったことが一度もない。
これはあくまでもフローベールの皮肉を楽しむための本だ。
だから、リファレンス本を探す過程で漏れてしまったのだ。

部屋にはメルシエの『十八世紀パリ生活誌』(上・下)もある。
こちらも岩波文庫で、上下巻2冊に革命前のパリの街の様子、職業や流行、
家庭生活などを記録した短文がわんさと詰まっている。
調べ物なら『紋切型辞典』より数段役に立つ。
が、こちらは辞書の形式を取っていないので、どうしても辞書として
カウントはできず、いいところ、準リファレンス本止まりだ。
調べ物には全然使えない『紋切型辞典』が辞書なのに。

『紋切型辞典』フローベール 小倉孝誠・訳
『十八世紀パリ生活誌』メルシエ 原宏・編訳
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2018/3/2  22:16 | 投稿者: 時鳥

「要するにうるさいんだけど、もっと適した表現がなかったっけ」
という時に引く辞書。

表紙をめくると、見返しに「語彙分類体系表」なるものが載っている。
縦10項目、横10項目の合わせて100項目から成っていて、
それぞれの升目に「天文」「動作」「家具」などの項目名が付いている。
00から29が自然、30から69が人事、70から99が文化という風に大きく分けられ、
さらにこの2桁の下に1桁の小分類が付いて全部で3桁、1000のカテゴリで
言葉は分類され、カテゴリ順に辞書に収められている。
巻頭に収録語の五十音順索引が付いているので、類語を探したいときは
まず索引からカテゴリ番号を拾って飛んでいく。
言葉には簡単な語釈が付いていて、字面とこの語釈で求める言葉を探し当てる。
新しい言葉を仕入れるというより、頭のどこかで迷子になっている言葉を
連れ戻すための辞典だから、これくらいの語釈でいいのだ。

著者は大野晋と浜西正人。
1981年にこの二人が『角川類語新辞典』を刊行した。
『角川類語新辞典』に収めた、日常生活に必要な現代語を中心として
新語や連語など二千余語を加えて収録したのが『類語国語辞典』なのだそうだ。
凡例によると。
今回凡例を読むまで、『角川類語新辞典』と同じものだと思ってた。

手元にあるのは、実家の近くの古本屋で買い求めたものだ。
努力賞の副賞だったらしく、中扉の裏側に、高校名、受賞者、受賞年月日を
印字したシールが貼られている。
何の催しだったかは不明だけど、作文コンクールの類じゃないかと想像している。

この辞書の前は講談社学術文庫の『類語の辞典』を持っていた。
確か、明治時代に出版された辞典で、載っている言葉は古いし、
言葉の分類も使いにくくて、ほとんど使わなかった。
分類が使いやすくて載っている言葉も手ごろなので、
この辞書を手に入れてからは、もう類語辞典は探さなくなった。
数年後にもっと大規模な類語辞典が出版されたけれど、
今の辞書に不満はなかったし、似た辞書をふたつ引き比べたいとも思えなかった。
ということで、博覧強記ではないかもしれないけれど、十分な実務能力を
備えた類語辞典、小柄な実務家さんに手助けしてもらいながら、
今日のこの文章も書いている。
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