2018/10/29  21:40 | 投稿者: 時鳥

文化学園服飾博物館で「ブルックス ブラザーズ:アメリカンスタイルの200年、革新の2世紀」展を観る。
ファッションには詳しくない。男性向けファッションとなればなおさらだ。
だからブルックス・ブラザーズが何かわからず、「ブルース・ブラザーズとは違うのよねえ」なんて罰当たりなことを思いつつ、のほほんと見始める。

1階の展示室、シルクハットと燕尾服の前で立ち止まる。
珍しいものではないはずなのに、妙な引力がある。
あ、これはただ者ではないかもしれない。

階段を上がって、2回のメイン展示室に入る。
クラシックスタイルの基本を築いた、アメリカで最も歴史あるブランドだそうだ。
スーツは歴代米国大統領のほとんどが着用し、ボタンダウンのポロシャツを世に送り出し、
そのほか流行も伝統も山のように積み上げて、まあとにかく。
メンズファッションの大御所、知らないなんてありえないブランドらしい。

奥の展示室に、美々しいスーツ群が並んでいて目が釘付けになった。
ぱっきぱきの粋。
見るからにジャズエイジ、1920年代のスタイル。
一日何回も着替える伊達男たちの姿が目に浮かぶ。
ドレスの女性が霞むくらいに華やかで洒落ていて、先鋭的、
ちょうどその時代に若者だった人間だけが着る幸運にあずかった服だ。
キャプションによると、2012年の映画「華麗なるギャツビー」のための衣装で、
ブルックス・ブラザーズの当時のデザイン画などをもとにデザインされたそうだ。
会場では映画の一場面をループ上映していて、夜会に集まる人々の衣服が
どれもこれも目に楽しくて仕方がない。

この映画は絶対見ようと決意し、まずは原作を読んでみた。
きっと洒落てダンディな話なんだ、と読み進めたら、ヘタレと無責任と嘘つきばっかり出てきた。
夢にしがみついて過去に溺れて敗れ去る人々。
うーん、しかし、この話であの絵面なのがいいって考え方もある。
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2018/10/22  21:47 | 投稿者: 時鳥

帰宅すると、エントランスの郵便受けに電気使用量のお知らせが入っていた。
半月ほど前、自室の電気メーターがスマートメーターに変わった。
スマートメーターにすると、メーターの通信機能により電気使用量が30分ごとに記録でき、
検針員がメーターをいちいち目視で確認する必要がなくなるそうだ。
確かに、これまで自室ドアの新聞受けに挟まれていたのが、エントランスの郵便受けになっている。
階段を上り下りする必要はなくなったらしい。
エントランスまで来る必要はあるみたいだけど。
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2018/10/22  21:38 | 投稿者: 時鳥

寄り道ののち、静嘉堂文庫美術館で「幕末の北方探検家 松浦武四郎」展を観る。
幕末の北方探検家であり、北海道の名付け親であり、古物の大コレクターである。
要するに、日本の誇る奇人のひとりだ。
色々やった人だけど、今回は北方探検家とコレクターの側面に光を当てた展示だ。
当時の人気絵師に声をかけて蝦夷の風俗や自然を紹介した本を作ったり、
縄文時代や古墳時代の勾玉管玉を集めて独自の首飾りを作ったり、何かと強烈な御仁。
コレクターとしては、美的センスにはちょっと同意できない。とりとめがない。
でも、死ぬ数年前に河鍋暁斎に自分の涅槃図を依頼して、お釈迦様の代わりに
寝そべっている自分の周りにお気に入りのコレクションや飼い犬なんかを並べて見せる
酔狂さはいいなあと思うし、見習いたいとも思う。
同じく晩年、全国の知り合いに手紙を書いて端材の寄進を依頼し、集めた材で
一畳の書斎を作って嬉々として暮らしたりもしている。
国際基督教大学に現存していて、毎年11月に公開しているという。
食指は動くけれど、書斎を見るためだけに行くにはちょっと遠い。
もう一声欲しい。
松浦武四郎の等身大蝋人形が寝そべってるとか。
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2018/10/21  10:20 | 投稿者: 時鳥

静嘉堂文庫美術館で「幕末の北方探検家 松浦武四郎」展を観に行くと、美術館の門の向かいに何か公園らしきものがあった。時間に余裕があったので、道を渡って入ってみる。
誰かの家の跡地らしく、ずっとほったらかしにされてきた裏庭といった、さびれた雰囲気の場所、特に見るものはなく、ふらっと斜面を登るとそこに家があった。
旧小坂家住宅。衆議院議員をしていた小坂順造が昭和12年に別邸として建てたそうで、二子玉川駅から車で10分ほどの場所にある。
見学可能だったので、上がりこむ。

駄目じゃないんだけど、筋が通ってなくてかすかにいらっとする。
一巡してそんな印象を得る。
玄関、居間は和室、居間から細い廊下を隔てて茶室があって、その先に山小屋風の書斎、居間を別の所から出ると廊下があって廊下の途中に風呂、洗面所、倉、突き当りが寝室となっている。
寝室にはサンルームと着替えなどをする小部屋、流しもついている。

使いやすい家なんだとは思う。
光の入る居間の座敷で食事をし、人が来たら茶室か書斎に通し、離れた寝室はプライベートな空間にして、小部屋で繕い物をはじめとする細かい家事をする。
いろいろ出来ていろんな趣味を盛り込んでいて、当時の流行や価値観が見える。
だけど、見る側の至極勝手な感想を言うなら、こだわりが見えない。
書斎と寝室には飾り暖炉がある。煙突がなく、中にヒーターを置いて使う、いわばヒーター置き場だ。それが、本当に煙突があるならここには設置しないだろうという位置にある。
農家風の玄関、山小屋風の書斎にしても、流行なのはわかるが、どうしてもここにこれを作るという熱が施工者にも設計者にも感じられない。無難に収めている。
家は住む人の満足が大事で、その点、これは別荘としてちゃんと機能していて満足も得ていたのだろう。別邸としては優等生だ。ただ、名建築ではないだけだ。
住みにくい名建築も世の中にはたくさんあって、そういう建築だと家と住み手が切磋琢磨あるいは丁々発止して、家と対話して住んでいる。
対してこの家は主人に従順で、意に背くことはしない。
無責任な観客としては面白くないけれど、住んでいて楽なのはこっちだ。あれこれ考えなくても住める。
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2018/10/21  9:27 | 投稿者: 時鳥

羽毛布団を買う。
おまけでついてきた干支カレンダー手拭いが何気に可愛い。
手拭いのあちこちで、イノシシが鏡餅になったり、達磨になったり、富士山を飛び越していたり、鷹にとっ捕まっていたりする。
もう来年のカレンダーはこれでいい気がしてきた。
毎年、一年分が一枚に載っている壁掛けカレンダーを買っていたけれど、同じことはこの手拭いでできる。
一年中、お正月気分なのが難点かもしれないけど、別にいいだろう。
葬式気分ならちょっとなあ、と思うけど、おめでたい分には害がないと思う。
手帳は製菓製パン手帳となる予定。
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2018/10/17  20:49 | 投稿者: 時鳥

「DigiCon6 JAPAN 2018」の受賞作品が発表になった。
TBSが主催する、15分以内の映像作品を対象にしたコンテストで、アニメーションの作品が多い。
今年の最高賞は、見里朝希さんの「マイリトルゴート」が持って行った。
観客賞の候補作品にエントリーされていなかった時点で、なんとなく予測はしていた。

「オオカミと7匹の子ヤギ」の後日譚。
可愛い作風の方で、この作品もフェルトの温かみある人形アニメーションなのだけど、
内容は闇が深すぎて、ちょっとお子様にはお勧めできない。
修復しようがないほど傷つけられた者がいて、もう何ひとつ失うまいと決意している。
誰もが欠落を抱えていて、埋めようとしていて、そのためなら束縛も過剰防衛も辞さない。
守りたい気持ちが暴走する。明らかに間違っているのに、咎めがたい。

大法螺を楽しむなら、もふもふ動物大量発生の「モフモフィクション」。
見ているうちに、いくつか飼いたくなるはず。
でも部屋いっぱいのモフノミは嫌だなあ。

台風の非日常にわくわくしたことがあるなら「たいふう14ごう」。
台風直前の夕暮れは鮮やかで、壁の影の伸び縮みは妖しく、
すべての場面に、沖縄の密度の高い空気がみっちりと詰まっている。

予想外の展開に秘孔を突かれたいなら「がんばれ!よんぺーくん」。
1秒後に何が出てくるかわからず、着地まで振り回される。

「あかばしは落ちた」は、健気な橋の孤独が胸に迫る。
あまり愛されなかった橋が、己の来し方をとつとつと語る。
どうしようもない哀しみがほろほろこぼれ、慰めようもなく、
ただため息をついて聞き入る。

なお受賞作品は、コンテストのサイトで見られる。
http://www.tbs.co.jp/digicon/20th/winning/regional.html
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2018/10/10  21:37 | 投稿者: 時鳥

国立国語研究所から、NINJALフォーラムの開催を知らせる葉書が届いた。
年に1回程度開かれる、一般向けの講演とパネルディスカッションの午後。
でも、葉書が届く前に、実は既に申し込んでいた。
約2週間前、「そろそろ何かやるかなあ」と淡い期待をもってサイトを訪ねたら、
イベント案内に掲載されていたのだ。

今回は「日本語の変化を探る」というテーマで、5本の講演とパネルディスカッションがある。
聴講料は無料だけど、要申込。
https://www.ninjal.ac.jp/event/public/forum/ninjalforum013/

NINJALフォーラム第13回 「日本語の変化を探る」
日時:11月4日 (日) 13時〜17時
会場:一橋大学一橋講堂(千代田区一ツ橋2-1-2 学術総合センター2階)
講演:
「東北アジア言語地域の一言語としての上代日本語」
ジョン・ホイットマン (コーネル大学 教授)
「平安時代語の話し手の言語感覚」
近藤 泰弘 (青山学院大学 教授)
「コーパスで見る現代語の確立過程 ―江戸・明治・大正―」
小木曽 智信 (国立国語研究所 教授)
「録音資料から知る,20世紀の日本語の変化」
丸山 岳彦 (専修大学 准教授)
「ことばの調査に見る現代日本語の変化」
滝島 雅子 (NHK放送文化研究所 主任研究員)


それにしても、「平安時代語」って何だろう。役割語の一種?
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2018/10/8  21:46 | 投稿者: 時鳥

例えば買い物メモなら、買い物が済んだら捨てる。
伝言メモなら、伝言が伝わったら捨てる。
行きたい展覧会についてのメモなら、展覧会に行くか会期が過ぎたら捨てる。
読みたい本のメモは、その本を読んだなら読書記録になり、メモは不要になる。
読まなかった場合、メモは残り続ける。読む可能性がある一線を下回るまで。
まだ来ていないから「未来」と言う。
未来が過去になれば、可能性は記録に化けて、実体化する。
「まだ来ていない」が「もう来ない」になると、可能性は消えてなくなる。
「もう来ない」と言い切れない可能性はあっちでこっちで、まるで幽霊みたいにもの言いたげに漂っている。
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2018/10/8  19:48 | 投稿者: 時鳥

13年使ったガラケーをスマートフォンに変えた。
ガラケーの電池もちの良さは気に入っていたのだけど、コネクタカバーのゴムが劣化して、崩壊しかけていた。
電話会社との契約は、一年のうち10か月は解約すると解約手数料がかかる仕組みで、ここを逃すとあと1年ガラケーを使うことになりかねない。
現在の支払額を確認すると、思ったより高かった。
そして流石に、そろそろスマホにしないと生活が不便になってきた。

そんなこんなで、格安スマホと格安SIMの情報を集め始める。

SIMには、通話対応SIMとデータ通信専用SIMとがあって、月額が700円ほど違う。
年に数回しかかけないし、かかってこない電話に固定費を払うのは無駄に思える。
だが、何かの手続きの時に当たり前のように電話番号を尋ねられるから、
固定電話や携帯電話から掛けられる電話番号を持っていないと、社会生活上、困る。
考えた挙句、別途IP電話を契約した。
IP電話はインターネット回線を使うので、データ通信専用でも通話ができる。
SIMとは無関係なので、通信事業者を変えても電話関連の手続きは要らない。

選んだSIMは、オプションとしてSMSをつけることが可能だった。
でも、これまでの人生でSMSを使ったことなんて数回しかない。
アプリの認証で必要になることがあるらしいが、無料のアプリを使うために
毎月、SMSの固定費が発生するなんて馬鹿げている。
電話番号しか知らない相手がいざと言う時に連絡をよこす可能性が無きにしも非ずだが、
そこはあきらめてもらうことにする。
そのほか、セキュリティだの端末保障だののオプションはあるが、別に要らない。

落ち着いて要らないものを削ったら、オプションなしのデータ通信専用SIM、
通信データ量も一番少ないプランの契約になった。

端末が届いてからは、初期インストールされたアプリをどんどん削る。
インスタグラムもフェースブックもグーグルプレイも削る。
必要になったらインストールすれば済む話だ。

最近のネットでは、要るものを選ぶのと同じくらいかそれ以上に、
要らないものを拒否することが重要になっている。
黙っていると勝手なことや余計なことをどんどんされるので、油断できない。
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2018/10/2  22:33 | 投稿者: 時鳥

2週間ほど前、格安SIMと一緒にスマートフォンを買って、携帯電話を解約した。
自分にとって必要なアプリを探してインストールする。
メモアプリを入れた後、気づいた。

これまでに読んだ本のリストがスマートフォンに入っていたら、便利な気がする。
『ジャック・リッチーのびっくりパレード』と『ジャック・リッチーのあの手この手』のどちらが既読でどちらが未読か、図書館でいつもわからなくなるのだ。

何をどうしてどうしたいか、考える。
読んだ本のリストはパソコンの中にあるから、スマートフォンにコピーすればいい。
リストのデータは1行が1冊分で、書名、著者、出版社、読んだ年月が含まれる。
問題は、検索方法だ。
メモアプリでもブラウザでもなんでも、文書内検索をすれば探すことは一応できるが、普通の検索では一つずつしか検索できない。
「猫」で検索したら、「猫」が含まれる行がすべて検索されて一覧になって欲しいのだ。
それだけでいいのだが、そんなアプリはどうやって探せばよいのだろう。
探し方を考えようとして、気づいた。

JavaScriptでちゃちゃっと作れる気がする。

さっそくテキストエディタを開いて、HTMLとJavaScriptをたかたか手打ちする。
約2時間後、50行ほどのHTMLファイルが出来上がる。
スマートフォンに必要なフィルをコピーして動作を確認した。
要件は満たしていた。
気に入らないところはそのうち直そう。

ついでにここ10年くらいに観た映画のリストも入れておく。
これで、まだ見ていないヒッチコックもわかるようになった。
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