2018/11/29  7:49 | 投稿者: 時鳥

年末恒例、クリエイションギャラリーG8とガーディアン・ガーデンのチャリティ企画のご案内。

「大堀相馬焼167のちいさな豆皿」
期:11/27〜12/22 11時〜19時(日休み)
クリエイションギャラリーG8 銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F
ガーディアン・ガーデン 銀座7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビルB1F
http://rcc.recruit.co.jp/creationproject/2018/

ギャラリーに関係のあるクリエイター167人がデザインした豆皿を、
大堀相馬焼の3つの窯元が製作して1枚1000円(税込)で販売している。
大堀相馬焼は、福島県浪江町の伝統工芸品で、収益金はセーブ・ザ・チルドレンに寄付される。
ギャラリーで直接買えもするし、品切れだったり遠方だったりした場合は
会期中は通信販売で予約注文を受け付けている。
大きく分けて、青磁色ベースと、黒ベースと白ベースの皿があり、
サイズは直径83mm。お醤油皿の大きさ。
どれにしようか昨夜から悩んでいるのだが、まだ決まらない。

展覧会場では、窯元で採取した音が流れている。
窯を開けて豆皿を冷ます時、釉薬にひびが入ってかすかな音を立てる。
しゃらしゃら、ぱりぱり、と、涼しくきらめく音が会場を包んでいる。
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2018/11/27  22:42 | 投稿者: 時鳥

Classic Managerというサイトで、著作権の切れたクラシック音楽の音源を公開している。
50年以上前の録音しかないけれど、往年の名歌手、名演奏家の録音がごろごろ転がっている。
不意にカルメンのセギディーリャが聴きたくなったので探してみると、7種類も見つかった。
聴き比べてみることにする。

同僚相手に傷害事件を起こして捕まったカルメンが、見張りのドン・ホセを誘惑して逃げる場面の曲だ。
「友達の酒場で飲んで踊りたいな。一人じゃつまんないけど、男は追い出したばかりだし。
 今、口説かれたらOKするのになあ」みたいなことを聞こえよがしに歌う。

レオンタイン・プライスはかすれた声でしどけない雰囲気のカルメン。
ホセが誘惑されようがされまいが、どっちに転んでもいいやといった投げやりで気怠い感じが
いかにもカルメンらしい。

スペインのヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレスは陽気で歯切れが良い。
でも誘惑にしてはちょっと健康的過ぎるか。

ソランジュ・ミシェルはパリジェンヌらしく小粋なカルメン。
歌詞に込められたニュアンスはこの人が一番豊かで、「ウィ」につけられた表情は小憎らしいくらい。

ジュリエッタ・シミオナートは戦後のイタリアを代表するメゾソプラノなんだけど、
渋すぎておばさんっぽく聞こえる。

リゼ・スティーヴンスはざっくばらんであけすけな感じ。

レジーナ・レズニクの滑らかで深みのある声が個人的には気に入った。
全曲を聞くならこの人がいい。ブランデーや赤ワインを思わせる豊かさを持っている。
プライスもいいけど、全曲では途中で飽きるかもしれない。
その点、レズニクなら最初から最後まで安定して聞かせてくれると思える。

一番再生回数が多いのはマリア・カラス。
上手いことは上手いのだけど、癖が強すぎて個人的にはあんまり好きではない。
輪郭がはっきりしていて、最初から猛禽みたいに攻めている。
でもこれは、狩りに行くのではなく、おびき寄せて罠にかける曲だから、
うっかり踏み込みたくなるような隙を見せて欲しいのだ、こっちとしては。

Classic Manager
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2018/11/23  19:20 | 投稿者: 時鳥

「ねえ君、日本にはね、我々が希望をもって座れるような座席なんかどこにも空いてやしない。
だからといってうろうろしてちゃ満員電車にゃなおのこと乗れやしない。
わけもなく張りきらなくちゃダメなようにできてんのさ」

1957年公開の映画「満員電車」を観る。市村崑監督、脚本は監督と夫人の和田夏十。
映画は大学の卒業式のシーンで始まる。
就職難のご時世にどうにかラクダビールに就職を決めた主人公は、荷物をまとめて下宿を出る。
その時、同じ下宿の大学生にこんこんと語りかけるのが冒頭の台詞だ。
60年経っても変わらぬ真理をぶちかまされて、もう、ため息しか出なかった。
どの場面もどの人間も、今と本質的には変わらない。
理不尽がまかり通る世の中を、たくましく多少クレイジーで吹っ切れ気味な人々が
どうにかこうにか泳いでいる。
働くことの闇が炸裂した映画を見る、勤労感謝の日。


映画の内容とは全然関係なく、気づいたことがある。
主人公の父親を笠智衆が演じているのだけど、この時計屋の親父、兼、小田原の市会議員の
老人が会議を「くゎいぎ」と発音する。

先日、国立国語研究所が主催するNINJALフォーラムを聞きに行った時、これに関する発表を
聞いたことを思い出す。
火事を「くゎじ」と発音するような合拗音は、江戸時代後期には「か」との区別がなくなり、
戦前にはもう消滅したと思われていたのだが、犬養毅が昭和6年にした演説の録音では、
合拗音が確認できるのだそうだ。
発表者は、演説という場面では昭和初期まで生き残っていたのではないか、と言っていた。

「満員電車」は昭和32年の映画で、使っているのは俳優の笠智衆である。
これはもしかしたら、政治家の老人っぽい話し方として、意図的に合拗音を使っているのかもしれない。
笠智衆が常に合拗音を使って話していたとは、ちょっと考え難い。
癖があるから、俳優ならどこかで直すか直されるかするはずだ。
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2018/11/22  22:44 | 投稿者: 時鳥

京浜東北線に乗る。
品川と田町の間にできる新駅の工事現場では、あちこちにママチャリが停まっていた。
少なく見ても30台はある。

初冬の空の下、線路と砂利の平面がざっくりと広がる。
ぎゅうぎゅうの満員電車の真横、ヘルメットの作業員さんがすいすいとペダルをこいで現場に向かう。
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2018/11/21  21:13 | 投稿者: 時鳥

「土曜日は、はがきや手紙の配達をやめたいんですが」
「配達日数は、今は原則3日以内だけど、4日以内にしちゃだめですか」
先日、日本郵便が総務省にこんな要望を出した。

昭和の日記や物語を読んでいると、1日数回郵便を配達していた形跡が随所にうかがえる。
土日も祝日もなく、葉書と封筒が猛烈な頻度で行き交う。
郵便が速くて手ごろな運送方法だった時代のことだ。
輸送網の発達によって、郵便自体は当時より速くなっているはずだが、
もっと速くて簡単な方法がいろいろ出てきてしまったものだから、速度ではもう勝負できない。
文書の内容だけなら、写真を撮るかスキャンしてインターネット経由で送る方が速いに決まっている。
しかし、目の前にある物を、世界にひとつしかない物を、こっちからあっちに送る作業は
この先も絶対になくならないだろうから、郵送が廃れることはないと思う。
そこは、迅速にメッセージを送ることに特化したものの、ほかのメディアとのスピード勝負に
敗れてセレモニー化した電報とは違うとこだ。
もっとも、それをやるのは郵便でも宅急便でもいい。ただ、ずっと確実に送れないと困る。
そういう意味で、負荷を減らして細く長く路線に向かうのは、いい選択なのかもしれない。
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2018/11/14  12:14 | 投稿者: 時鳥

歯磨きをしたかどうかわからなくなり、もう一度磨く。
歯ブラシにカウンタかログ採取機能をつけたらよいのかもしれない。別に紙の記録でもいいけど。
でももうすぐ、いつ食べたかも忘れるだろうから(現在40代)、
忘れたら磨くことにしておけばいっか、と思い直す。
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2018/11/12  21:15 | 投稿者: 時鳥

三軒茶屋の生活工房で、メキシコの民芸玩具展を観る。
玩具は主に木製で、多くはグメルシンド・エスパーニャさんという職人さんが作っている。
仕上げは割と雑。でも、生き生きしている。
ガイコツでも鮮やかで楽天的で、ぴちぴちしているのだ。
ガイコツがやたらに登場するので何かと思ったら、メキシコでは11月に「死者の日」という
祭礼があって、ガイコツを飾る習慣があるのだそうだ。
お盆の精霊棚みたいなものか?
湿っぽさがなくってからりと楽し気で、死とは雰囲気をずいぶん異にしているが、そこはお互いさま。
あちらはあちらで、キュウリに棒を刺して馬にしている人たちに言われてもなあ、って思ってそうだ。
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