2019/7/31  22:37 | 投稿者: 時鳥

両国のシアターXで、「あえて、小さな魔笛」を見る。
本来、歌手16人と合唱が2時間半かけて演じる演目なのだが、
ここでは歌手4人が1時間20分で演じる。
オーケストラの役割を務めるのは、ピアノとフルートとファゴット各一名。
当然ながら、楽曲は相当に割愛されているし、台本も圧縮され、
子供もわかるよう台詞も変えられている。
舞台際の桟敷席には近所の子供が詰めかけ、森の動物役は近所の幼稚園の子が担当。
親しみやすくわかりやすく、枠組みだけ見ると夏休みのお子様向け演目っぽいのだけど、
実際に舞台に接すると、ここに子供だましは何もなかった。
「ここはもうちょっと聞かせてほしい」と感じる瞬間は確かにある。
登場人物がいないためにカットされたナンバーも惜しい。
でも、「魔笛」の芯は外していなくて、実はちょっとだれる台詞の応酬や
リフレインが消え、物語がスピーディーに展開する。
「魔笛」を知っていても、なるほどこう来るのか、と目から鱗が落ちる。

歌手4人の担当は、タミーノとパミーナの王道カップルは一人一役、
あとはパパゲーノ兼ザラストロとパパゲーナ兼夜の女王の二人。
パパゲーノとザラストロは、言われてみると一人の人間の両面のようでもある。
与えられた性格は軽薄おしゃべり対謹厳実直と正反対だが、声域は重なる。
同様に、パパゲーナと夜の女王も性格は反対ながら声はいずれも軽いソプラノである。
パパゲーノ&パパゲーナとザラストロ&夜の女王の組み合わせを見比べると、
相似図形を見ているような心地がする。
肌合いの異なる3種類のカップルを、侍女3人、童子3人、武士2人が
別々の角度から取り巻き、あくの強い黒人奴隷と無個性な弁者が配される。
魔笛の人物関係図はまるで幾何学図形だ。
1

2019/7/3  21:52 | 投稿者: 時鳥

プラスチックのキャビネットに本を格納している。
ここ15年ほど、5段の引き出しがついたものを使って来たのだが、
だんだんにプラスチックが劣化し、ちょっと手を突くたびにばりばりと
割れるようになった。
それだけならば不用意に触らなければいいだけの話なのだが、
この頃は引き出しの重みで枠が割れてきて、下の引き出しが開かなかったり、
開けるたびにプラスチック片が飛び散るようになってきた。

置いている場所は室内、直射日光が常時当たる場所ではないのだが、
太陽の低い冬は直射日光が当たるし、間接的な光は一年中浴びている。
日光が当たる部分から色があせ、割れていく。
とうとう諦めて、劣化のひどい上2段を取り外した。
ベランダに出して変色した部分を強めにつかむと、面白いように割れる。
このまま全部が細かく割れてくれればゴミに出しやすい。
が、変色しているのは全体の3分の1から4分の1程度しかない。
どうしようかと考えて、気づいた。

日のそれほど当たらないところに15年置いて劣化が進むなら、
ベランダにひと夏置いて、雨風直射日光を惜しみなく降り注いだら
残りも劣化するのではないか。

かくして、今年の夏の自由研究課題が決まった。
4




AutoPage最新お知らせ