2008/8/27

ミステリアス・ボトル  目にとまったワイン話

Q:私は誰でしょう?

ヒント1.誕生日は1973年です。

ヒント2.カリフォルニア生まれのシャルドネです。

ヒント3.パリに旅行して、とっても有名になりました。

答え:じゃ---ん♪

1973 Chateau Montelena 
シャトー・モンテリーナのシャルドネです。

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このボトル、Blakeが先日NapaのCIAに行った際、
特別にセラーから出して見せてもらったそうです。
右上の文字はワインメーカー、マイク・ガーギッチ氏のサイン。

これ、ナパとアレキサンダー・バレーの葡萄の、ブレンドだってご存知でしたか?
ナパとソノマの境界に位置するPrideや、Schramsbergの両者以外には
ちょっと見かけないブレンドです。
(両方とも大好きなワイナリー♪美味しいですよね)

恐らく、飾られたまま年を重ねていくであろう、歴史的なワインボトル。
今頃セラーの中で、どんな夢を見ているのでしょうか…☆

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このボトルをホールドしているのは、Blakeの手☆
彼のコメントは、こちらのブログをご覧くださいませ♪

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2008/1/4

2007年アメリカン・バーゲンワイン ベスト15リスト(その2)  目にとまったワイン話

すみません、もっと早く載せようと思っていたのに、もう金曜日〜☆
リストその2(続きの7本)です。


★ NV Hangtown Red El Dorado County Lot 35 ($10)
ブレンドにより、複雑な、楽しい味が醸し出されたワインです。
チェリーとラズベリーの味を中心に、クラッカー、ピクルス、
チョコレートにライムといった、面白い味も添っています。
Lot35では、カベルネ40%、カベルネ・フラン20%、ピノ18%、
少々のプティ・シラー、グルナッシュ、ムールヴェードル(Mourvedre)、
プリミティーヴォ(Primitivo)、メルロー、そして「その他」1%が含まれています。

★ NV Korbel California Brut Rosé ($12)
結婚式と大晦日だけと言わず、アメリカ人はもっとバブリーを楽しむべきでしょう。
このように安くて、確実な味のスパークリングだったら、只の火曜日の夕食にだってピッタリ。
ちゃんとシャンパンの製法をとっていますし、ボトルの中で第二醗酵させています。
使用している葡萄が面白く、クラッシックなピノ・ノアールに、
サンジョベーゼ、ガメイ、シュナン・ブランがお供しています。
また、若い赤ワインを加える事で、美しいピンク色に仕上がっています。
イチゴ、ブリオッシュ風味。
飲みやすいので、冷蔵庫に常備して、美しい夕陽に乾杯して下さい。

★ 2006 McManis Family Vineyards California Pinot Grigio ($10)
Ripon(San Joaquin County)で、正真正銘の家族経営農場を展開しているMcManisは、
アメリカのバーゲン・ブランドの中で、特に私のお気に入りです。
葡萄の種類により品質はまちまちですが、大体において、
毎年、数種類の優秀なワインを世に送り出しています。
(2006のヴィオニエもその一つ。僅かな差でこのリストからもれてしまいました)
また、価格帯を低く抑えているところは、とても良心的です。

このワインは、ピノ・グリージオのお手本のような1本です。
喉の渇きを癒やしてくれるライムの風味、アプリコットの味がちょっとだけ
フィニッシュに添う、クリスプで、フルーティ、料理に合わせやすいワインです。
この値段でこの味が手に入るのに、イタリア・ワインにわざわざ
高いお金を払う必要はないでしょう。

★ 2006 McManis Family Vineyards California Zinfandel ($11)
上品でたくましい味の2006プティ・シラーも良かったのですが、
代わりに、ジンファンデルを推薦しました。
とても複雑な味わいのこのワインは、熟したチェリー、ブラックベリー、オーク、
チリペパー、そして皮の風味のミディアム−ロング・フィニッシュ。
McManisのワインは、時々2006メルローのように、良くは出来ているものの
数種をあわせて出来た赤ワイン、といった感じの味になってしまう事がありますが、
このジンファンデルは、これぞジンファンデルといったワイン。
アペレシオンはカリフォルニアと記されていますが、葡萄の産地は2ヶ所のみ、
Modestoの北東Oakdaleと、Lodiです。
このワイナリーでジンファンデルが作られるのは、今年で2年目。
3,500ケース(42,000本)しか出荷されていませんので、早い者勝ちです。

★ 2004 Napa Ridge Napa Valley Cabernet Sauvignon ($12)
Bronco Wine Co.の作るCharles Shaw ("Two Buck Chuck") が、何故あんなに安いのか?
色々な伝説が飛び交っていますが、答えは単純「安く作っているから」です。
一方で、同じ会社のもう一つのライン、Napa Ridge が安いのには、裏話があります。

Broncoのオーナー、Fred Franzia氏は、Napa Ridgeのブランド名を買い取り
ナパよりは格下のアペレシオンからのワインを、その名の元に売ろうとしました。
しかし、ナパのワイン醸造関係者が猛反対。
長い係争の末、不可能に…。
そこで氏が考え出した仕返しは、正真正銘ナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニョンを
ボトルにつめ、市価の3分の一の値段で売り出すこと。
恩恵を受けたのは、カベルネ愛好者達でしょう。
鮮明なチェリー、ブラックベリーにチョコレートとコーヒー味が添い、
タンニンのバランスも良く取れたこのワインが、この値段で手に入るのですから。
「フレディの復讐」と呼ばれています。

★ 2006 Pomelo California Sauvignon Blanc ($10)
若き日、旧東ドイツのスーパーマーケットを訪れたバックパッカーの私は、
リンゴの絵が描いてあるボトルを買い求め、痛い目を見たことがあります。
喉が渇きをいやそうと一気に飲んだところ…、なんと中身はリンゴ酢だったのです。

しかしご安心を。Mason Cellarsのボトルには、グレープフルーツの絵が描かれていますが、
中身はソーヴィニョンブラン。
ラベルの通り、シトラス風味に富んでいるので、新鮮な魚、チキンやサラダとよく合います。
マーケットで見かける中では、おそらく最高のラベルと名前のこのワイン、
Pomeloが作られるのは、まだ今年で2年目ながら、ワインメーカーRandy Masonより
優れたソーヴィニョンブランを作り出すことの出来るベテランは、
カリフォルニアには少数しかいないようです。

★ 2006 Sobon Estate Amador County Old Vines Zinfandel ($12)
このワインが買い得である事を発見したのは、2005年物を飲んだ時でした。
SFクロニクル紙のパネラー達が、Sierra Foothills のジンファンデル50本を評価した時、
倍の価格のワイン達を押しのけて、Sobonが“最もお気に入り”のうちの1本に選ばれたのです。
2006年物も、熟したチェリーに、ミッドパレットでユーカリと大地の風味が添った
ミディアム−ロング・フィニッシュの、逸品です。
とてもエレガントで、この価格帯で見つけることが難しいワインでしょう。

以上はSFクロニクル紙に載ったW. Blake Grayの記事の和訳です。
Bargain wines: The list of 15 all-American bargains revealed

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今日のサンフランシスコは、暴風雨。昨夜からすごい天気になってます。
マリーン(SFの北)では洪水、SF市内でもあちこちで停電とか…。
幸い、家の近所はめったに停電になる事がないのですが、
近くに警察所があるからだとの噂を聞いたことが…。
(病院とかの施設がある地域でも停電しにくいと聞いた事がありますが、本当かな?)
皆様のご近所では、今日はどんなお天気でしょうか?

夕べ、アイオワ州では、オバマ氏優勢で大統領選が皮切りとなりました。
噂には聞いていましたが、スピーチ上手ですね〜。
2008年、Change、色々な意味で変化の年となりそうです。
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2008/1/2

2007年アメリカン・バーゲンワイン ベスト15リスト  目にとまったワイン話

大海のように広がる、$10前後のバーゲンワイン。

ワインの味は、値段でははかりきれないものの、やはりそれなりの値段を出さないと、
大元となる葡萄の質とかが限られてしまうので、味もそれなりに…。
かといって、飲むに足るワインを探すのに、端から試していたのでは
時間もかかるし、ウェ〜というのに当たる確立も多くて大変ですよね。

そこで皆様の買い物が、少しでも楽になるようにと書かれたのが、
このBlakeの記事です。和訳してみたので、参考になるといいのですが☆



Bargain wines: The list of 15 all-American bargains revealed

このリストの15本は、“バーゲンワイン”の最高峰。
いずれも、この値段でこの味はお買い得!というワインです。

★ 2006 Charles Shaw California Shiraz ($2)
最近ある読者から、こんな意見が寄せられました。
「ワインスノッブにとっては、Two Buck Chuckが、$100相当のワインと
同じくらい良いワインだと言う事実が、許せないらしい」
多くの人にとって、この言葉は真実でしょう。
エール大学のBartoshuk教授の未発表セオリーによると、
『とがった形の味蕾(みらい)を持つ人々(凡そ4人に一人の割合)は、
ノンテイスター(味の識別が困難な人)である可能性がある』とのこと。
$100ワインも、$2ワインも自分にとっては同じ味、と言う方々は、
Charles Shaw (Two Buck Chuck)を毎晩飲んだ方が、よほど経済的というものです。

さて、06年のシラーズは、なかなかの掘り出し物。
3倍ぐらいの値段を出しても、これよりいいものを探すのは困難です。
過去にはソーヴィニョン・ブランやシャルドネを勧めた事がありますが、
Charles Shawは、年毎、葡萄の品種ごとに味が違います。
全種類買って、端から試して、自分の好みを探すのもいいかもしれません。
皆さん、ベイエリアでは、カフェ・ラテでさえ、$2以上することをお忘れなく。
($2でこの味です、なんの文句がありましょうか?)


★ 2003 Columbia Crest Grand Estates Columbia Valley Shiraz ($11)
スーパーマーケットで、バーゲンワインのコーナーに2005年のワインが並ぶ中、
あなたが2003年物を見つけたとしたら?
答えはシンプル。ワイナリーが備蓄ワインを多く抱えていたため。
恐らく、01年や02年のシラーズを売るのに、思いのほか時間がかかってしまい
03年は樽やタンク、またはボトルの中で順番を待っていたのでしょう。
時間が経った分、このワインは熟成し、ブラックベリーとバニラの風味がよく出ています。


★ 2006 Columbia Crest Two Vines Columbia Valley Gewurztraminer ($8)
ワシントン州一の生産量を誇るワイナリーとしては、中々の味を作り出すColumbia Crest。
Columbia Valleyの葡萄は、フィロキセラ(あぶらむしの一種)の被害に遭わなかったので、
樹齢はいずれも150年以上、そこが利点となっているのでしょう。
バラの花びら、ライチ、ライムといた風味と香りのワイン、
ほんのりとした甘さが、東南アジア料理と合います。


★ 2005 Cycles Gladiator California Cabernet Sauvignon ($10)
セントラル・コーストに葡萄園を持つので、この価格帯での勝負が可能。
チェリー、ミルクチョコレート、オークに少々の甘いオレンジ・ピールの風味が
とても挑発的なワインです。


★ 2006 Dry Creek Vineyard Clarksburg Dry Chenin Blanc ($11.50)
カリフォルニアのワイナリーの多くが、只の「白ワイン」と呼ぶことで、
その名を隠したがる葡萄、シュナン・ブラン。
ワイナリーの創始者が、60年代後半にフランスを訪れた時、ロワールの
Domaine des Baumardに惚れ込んだのを始まりに、Dry Creek Vineyardでは、
毎年、美味しいシュナン・ブランを創り出すことに成功しています。
アメリカでは70年代に一時期流行したものの、今では稀に見るのみとなった品種。
全てのシュナン・ブランが、このようにアプリコット、ピーチ、ジンジャー、
ミネラルの、風味に富んだワインだったら、状況は変わっていたかもしれませんね。


★ 2006 Edna Valley Vineyard Paragon San Luis Obispo Chardonnay ($12)
高価な味のするワインです。
ゴールデン・デリシャス・リンゴの果実味を、トースティなオーク味が支配しています。
しかし、安いアメリカン・オークを使用した時にありがちな、
口当たりが良いとはいえない強いバニラ味ではなく、
高価なフレンチ・オークを使用した時に醸し出される、丸みのある味です。
フレンチ・オーク66%、ハンガリアン・オーク30%、アメリカン・オーク4%の樽を使用。
葡萄園は太平洋から4マイル離れた場所にあり、海風が気温を低く抑えてくれます。
多くの$35クラスのシャルドネに匹敵する味です。


★ NV Frontier Red Lot No. 71 California Red Wine ($10)
Los Olivos にあるFess Parker Winery は、映画サイドウエーで
Frass Canyon として登場したワイナリー。
そう、マイルズがスピット・バケッツを飲み干した、あの場所です。
リスト入りを果たしたこのワイン、皮肉にも、あのバケッツの中身とあまり変わらないかも。
シラー50%に、ナパ・ガメイ、グルナッシュ、プティ・シラー、カベルネ・ソーヴィニョン、
カリニャン、カベルネ・フラン、Alvarelhaoと、何でも入ってるブレンドです。
アルコール度15.5%の、パワフルなチェリー、ブラックベリー風味のワイン。
もちろん、スピット(唾)無しで、飲みたいものです。


★ 2006 Geyser Peak California Sauvignon Blanc ($12)
世界で一番大きなワイン企業、コンステレーション・ブランズ(Constellation Brands)が、
このワイナリーを飲み込んだとのニュースを聞いたとき、
私の一番恐れた事は、ソーヴィニョン・ブランの味が変わってしまう事でした。
ライム、グースベリー、パッションフルーツ風味の、ロングフィニッシュ。
ほとんどの葡萄は、低温の沿岸部のものが使用されていますし、
何割かの葡萄を早摘みすることで、フレッシュさと、クリスプな酸味を醸し出しています。

大企業に買われたワイナリーは、どうなるか?
レイヴェンズウッド(Ravenswood)に、何が起きたかを思えば、推測は難しくありません。
(かつては、年間1,000ケースのみ生産された、素晴らしいジンファンデルでしたが、
今ではアメリカ中の安いリカーショップで販売されるブランドになってしまいました。
味も、それなりのものに…。)
それを考えれば、今のうちに味を楽しんでおいた方が、賢明といえるでしょう。

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以上はSFクロニクル紙に載ったW. Blake Grayの記事の和訳です。
Bargain wines: The list of 15 all-American bargains revealed
年内に載せようと思っていたのに、何やかやで2年越しのプロジェクトになってしまいました☆
字数が多すぎたので、残り7本は、次回に♪


ゴマのしっぽ☆
さて、↑で出てきた味蕾の話ですが、教授によると、スーパーティスターと呼ばれる
味の識別能力が、他より抜きん出て優れた人の確立は、
男性よりも女性に多く、また人種別にはアジア人に多いそうです。
なので、スーパーテイスターは、アジア人女性の中に一番多く存在するはず♪

しかし、スーパーテイスターである事は、利点ばかりとはいえず、
苦味に対して敏感である故に、生野菜が食べられないとかいう方も多いそうです。
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2007/12/30

バーゲンワイン・ベスト15(低価格の理由)  目にとまったワイン話

年末恒例、サンフランシスコ・クロニクル紙のバーゲンワイン記事。
前回のBargain bonanza の続きです☆



確かに、スーパーに並ぶ$10以下のワインの多くが、大企業生産のつまらない味です。
では、美味しいバーゲンワインは、どうして存在するのでしょうか?

ワインの生産コストは高くつくので、この価格帯で勝負する全てのワイナリーが、
何らかの形で経費を抑える方法を見つけているのです。

今回リストに載ったワイナリーの多くが、生産量を少なくする事で、
高い品質を保持しています。
例えばFrontier Redは、ビンテージ(生産年)、葡萄の品種にこだわらず、
併せて、年間の生産量を8,000〜10,000ケースに抑えています。
生産量を増やすと、葡萄をbulk market(大量生産された葡萄の市場)に求めることになり、
結果、品質が落ちてしまうからです。
また、自社の高価格ワインを生産する際に、何らかの理由で使われなかった
樽ワインを、低価格ラインに利用しているので、
他のバーゲンワインと比べた時、おのずと味に差が出るのです。

他の例では、Edna Valley Vineyardが、正真正銘のフレンチ・オークを
Paragon のシャルドネに使用しています。結果は、飲めば明白。
(オーク商に携わる方、お許しを。私の愛国主義も、樽にまでは及びませんでした)

Columbia CrestやCycles Gladiatorの成功の鍵は、
負債を抱えていない葡萄園を所有していることです。
Charles Shawのワインが、$2という信じ難い価格で提供されるのも、同じ理由から。
Bronco Wine Co.の生産する、他のワインが“Tow Buck Chuck”より高くなってしまうのは
外から購入した葡萄を使わなければならないからです。

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そしてもちろん、この価格帯においてさえ、葡萄畑の品質はとても重要な要素です。
Columbia CrestのEinberger氏は、ワシントン州にある自分のぶどう園について
「カリフォルニアでは得る事のできなかった、素晴らしい葡萄がここにはある」
と語っています。
彼が、かつて、価格は‐問題‐では‐無いオーパスワン(Opus One)で
アシスタント・ワインメーカーを勤めていた事を考えると、これはとても強力な声明です。

「素晴らしい葡萄を探すのに必要なのは、コネクションだね」
と語るのは、McManis Family Vineyardsのワインメーカー、Mike Robustelli氏。
多くのワインメーカーが、カリフォルニア沿岸部の葡萄を支持するなか、
McManis Familyは地元である内陸部のRipon (San Joaquin County)周辺の
葡萄農家を熟知する事により、
高い品質と、低いコストの葡萄獲得を実現しています。

同様に、年間500万ケースのCharles Shawと、
3万ケースの素晴らしいNapa Ridge Napa Valley Cabernet Sauvignon を
生産するBronco Wine Co.でも、特定の葡萄園との長期契約等はせず、
その時々により、良い出来の葡萄をあちこちから集めています。
また、Charles Shawの販売価格を引く抑えるために、仲買人を排して、
唯一Trader Joe’s でのみ販売するという方法を取っています。
ワイン1本を買うのに、たとえ$5でさえも高すぎると感じる人達の食卓に、
飲むに足る味のワインを提供するための道を模索し、発見したのです。

リストに載ったワインは、もう50%ほど割高で売られても、決しておかしくない品たちです。
プライドと共にこれらのワインを飲みましょう、そして皆でリッチに感じようではありませんか。

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以上は、サンフランシスコ・クロニクル紙のW. Blake Grayの記事の意訳です。
元原稿を読みたい方は、こちらをご覧下さい♪
Bargain bonanza:
You can't lose with The Chronicle's 15 all-American wines (for $12 or less)


リスト詳細の訳は、次回載せます☆
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2007/12/29

2007年バーゲンワイン ベスト15  目にとまったワイン話

年末恒例、クロニクル紙のベスト・バーゲンワインが発表されました。
今年Blakeが選んだのは、15本。
先日のアクロニムで書いたように、身体を張って(時には叫びながら・笑)選んだワイン達。
ご近所の店で見かけたら、手にとって楽しまれてくださいませ☆


Bargain bonanza

投資家に見放された、弱くて可哀相な米ドル。
でもね、少なくとも手元にドル札が2枚あれば、なかなかのアメリカワインが買えるんです。

クリスマス後、財布が薄くなったこの時期にピッタリな、
「バーゲンワイン記事」にようこそ!

毎年この時期になると、プレゼント選びに疲れきってゲッソリ。
近隣のワインショップに電話をかけまくってまで、
わざわざCremant de Limoux(フランスのバブリー)を
探そうなんていう気力は残っていませんよね。

そこで、少しでもあなたの苦労を減らせるようにと、
アメリカのバーゲンワイン、ベスト15を選んでみました。

これらは、ワインメーカーがたまたま幸運に見舞われて出来た、偶然の産物などではなく、
すべて過去のビンテージで美味しかったもの、そして今、尚、美味しいものばかり。
それに、$12というのはメーカーの希望小売価格なので、
実際に店頭では$10以下で販売されている事が、しばしば。
正真正銘のお買い得です。

これらのワインは、お得なだけではなく、すべてアメリカ産。
皆さん、自国の産品をサポートしようではありませんか。

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ところで、仏、伊、豪のワインライター達は、↑のような文を書く必要はないはず。
仏のリヨンか、マルセイユで、美味しいアメリカワインを探そうなんて思った日には、
店々から蹴りだされて、背中を痛めるのは必至。

しかし一方で、アメリカで最も尊敬されているワイン・カントリーの真っ只中にいるのに、
奇妙にも、ベイエリア在住のワインうるさ型の間から聞こえてくるのは、
アンチ・アメリカ的な、偏見の声。
公然とカリフォルニア・ワインを軽んじるソムリエもいれば、
あまねく全てのアメリカワインを、“甘くて、生産過剰で、アルコール過多の、
テロワールに欠けた、大企業が生産したワイン”と、一括りにすることを
かっこいいと思っているサークルも存在します。

彼らは、常に一貫して葡萄が熟成する事が、
カリフォルニアの最高のテロワールである事実を、無視。
ワインが飲みやすく、楽しいものである場合でさえ、
ただ「ヨーロッパぽくない」というだけで、そっぽを向いているのです。
もし、あなたがそんな人々の中の一人だったら、この記事を読むのは時間の無駄です。

なぜなら、これらは、美味でお得な値段のワインがお好きな方の為の15本。
“流行”をとるか、“味”をとるかと言われたら、後者を選ぶ方の為のワインだからです。
自国を誇らしく思う人、また、カリフォルニア州最大の農業産業を
サポートしよう思う人の為のものです。
(何も、Foxニュースを見る保守派であることだけが、愛国心の現われではありませんよ。)

以上は、クロニクル紙のW. Blake Grayの記事の意訳です。
Bargain bonanza:
You can't lose with The Chronicle's 15 all-American wines (for $12 or less)

記事が長いので、後半は次回に載せます。中途半端でゴメンね☆


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バーゲンワイン ベスト15 リスト

2006 Charles Shaw California Shiraz ($2)
2003 Columbia Crest Grand Estates Columbia Valley Shiraz ($11)
2006 Columbia Crest Two Vines Columbia Valley Gewurztraminer ($8)
2005 Cycles Gladiator California Cabernet Sauvignon ($10)
2006 Dry Creek Vineyard Clarksburg Dry Chenin Blanc ($11.50)
2006 Edna Valley Vineyard Paragon San Luis Obispo Chardonnay ($12)
NV Frontier Red Lot No. 71 California Red Wine ($10)
2006 Geyser Peak California Sauvignon Blanc ($12)
NV Hangtown Red El Dorado County Lot 35 ($10)
NV Korbel California Brut Rosé ($12)
2006 McManis Family Vineyards California Pinot Grigio ($10)
2006 McManis Family Vineyards California Zinfandel ($11)
2004 Napa Ridge Napa Valley Cabernet Sauvignon ($12)
2006 Pomelo California Sauvignon Blanc ($10)
2006 Sobon Estate Amador County Old Vines Zinfandel ($12)
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2007/12/23

ワインな頭字語、アクロニムで遊ぼう♪  目にとまったワイン話

ある日、ワイン・テイスティング中にブレイクが叫んだ。
PIMDR(ピー・アイ・エム・ディ・アール)!

悲痛な声だったので、何事じゃ〜、と駆けつけた所、
どうやら不味いワインに当たってしまった模様。
叫んでいたのは、アクロニム。
「とても不味くて、後悔!」という意味の、頭字語だったのだ。

Acronym(アクロニム)・・・手元の和英辞典によると、頭字語(とうじご)。
各語の頭文字をつづり合わせて作った語で、1つの単語として発音される。
例:NATO (North Atlantic Treaty Organization)


ちょっと前に、どこの電話会社か忘れたけれど
テキスト・メッセージのCMで、
子供からおばあちゃんまで、家族の会話すべてがアクロニム…というのがあった。
そこまではちょっと無理かもしれないけれど、
近しい人だけに分かるアクロニムとかで遊ぶのは、面白いですよね。

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これはBlakeが元職場で身につけたアクロニム。
ある意味、ワイン・テイスティング用語?

DPIM
… Don’t put in mouth. (口に入れるな)
複数人数でテイスティング中に、誰かが叫んだら、そのワインは口にしない方が無難な味。
クロニクル紙のワインセクションで、昔から使われているクラッシックな頭字語。
そうは言っても、全員で味見するのが掟。心の準備を促すための警句かな。

PIMR
… Put in mouth and regret. (口にして後悔)
何とも言えない後味のワインに当たった時に、出てくる言葉。
時々、石鹸のような後味とかに遭う事がありますが、そんな時にお役立ち。

PIMDR
… Put in mouth and deeply regret. (口にして深く後悔)
これはテイスティングの後に、クラッカーを食べ、水でうがいしても尚、
快くない後味が続くようなワインを口にした時に、思わず出た言葉。
PIMRから派生したBlakeの造語です。

PIMG
… Put in mouth gagged. by Jon Bonne編集長 (口にして息がつまる)
思わずGag状態になるような味、という感じ。
首の辺りに手を持っていったりすると、演出効果大かも。

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…これ読むと、世の中には、こんなにひどいワインが、
そんなにいっぱいあるのか?って、思っちゃいますよね。
残念ながら、存在するんですね…。
(初めて飲むワインがこの種だと、ワイン嫌いになるのもわかる気がする★)

それに、味覚を武器に生計を立てている面々や
スーパー・テイスターと呼ばれる優れた味覚を持つ人達は、
普通の人に比べて、とても敏感。
余計に評価が厳しくなるのでしょう。

私はというと、「DPIM!」とか言われたら、いったいどんな味だろう?と思って
余計、好奇心を持つタイプかも。
結果、飲んだ後に「PIMR〜」となってしまうのですが(笑)。

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楽しいホリデー・シーズンをお過ごし下さいませ♪
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2007/11/24

なぜ高いの?ナパのワイン  目にとまったワイン話

ワインショップで、ある日、小耳に挟んだ会話。

店員 「何をお探しですか?」
女性客 「ソノマのワインを探しているの、予算は$20ほど」
店員 「このメンドシーノのメルローは、なかなか美味しいですよ」
女性客、値段を見ながら 「じゃ、これにするわ」


この女性にとって、明らかに最重要項目は、「ソノマ」というワインの産地だった。
予算内におさまるのであれば、葡萄の品種は、何でもOKだったみたい。
結果的には、ソノマもドロップして、メンドシーノに落ち着いた。
彼女は、店員を信じて、味と予算のバランスを最優先して選んだ事になる。

この予算で「美味しい」ものを探すのだったら、メルローはとてもいい選択。

サイドウェイ現象は、未だにアメリカのワイン市場に、大きな影響を及ぼし続けていて、
猫も杓子もピノ・ノアールを買うものだから、自然、値段が高騰している。
片や、原作者レックス・ピケット氏が、メチャメチャに貶(けな)したメルローは、
アメリカ人の好む赤ワインNo.1の座から、一転、日影の身となってしまい、
手にする消費者が減ったものだから、自然とワイナリーの初期設定価格が低下。
かつては数十ドルクラスだったワインが、今や半分ほどの値段で手に入るようになった。
(味と価格の関係からすれば、現在は、逆にメルローが狙い目?)

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ピノと同様、価格のうなぎ登りの現象をみせているのは、ナパのワイン。
カベルネなんて、$100以上出さないと、気の利いたものが買えなくなってしまったし、
シャルドネにしても、数十ドル〜?
ちょっと高すぎはしませんか?と思う人は少なくないのでは?

でも、世の中、そうは思わない人がいっぱいいて、
皆さん、旅の土産にと、がんがんナパ・ワインを買い込んでいく。
だからワイナリーも、強気の値段設定が出来るんですね。

聞くところによると、ナパの観光客の集客数は、
ディズニーランドに次いで、大きな規模だとか。

おしゃれなB&Bに泊まり、メジャーなワイナリーをいくつか廻って
テイスティングをすれば、いつしか、ほろ酔いかげん。
SPAでリラックスして、美味しいディナーを食べれば、幸せ気分。
楽しかった旅行のお土産は、もちろんワイン。

友達に、お裾(すそ)分けするなら、あまり安いものは買えない。
それに、無名のワイナリーだとインパクトがイマイチだから、
味は二の次、名前で選ぶ。
値段がこれだけ高いのだから、中身も「おいしいはず」と、
自分を説得しながら、ナパのワインを買っていく…。

ブランドのバッグを買うのと、同じ感覚。
「NAPA」というブランドに対して、対価を払っている。

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このこと自体は、「良い」とも「悪い」とも、単純な評価は出来ない。
ワイナリーにすれば、$1でも高く売れるに越した事はないし、
お客さんにしても、ブランド・ワインを買うことで、幸せ気分になれるなら
両者納得で、いい事尽くめ。

でも「味」と「価格」のバランスを見ながら、ワインを選ぶ者にとっては
ちょっと、残念な現象ではあります。
@@@のワイン、$35なら買うんだけれど、$70は出したくないなぁ…とかね。

これだけが理由ではないけれど、ナパ・ワインの価格高騰の要素のひとつとして
ナパのディズニーランド化現象があげられる事は、間違いないようです。
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2007/11/5

ワインの味が音楽で変わる!? 試してみよう  目にとまったワイン話

ワインと音楽の関係についての、W. Blake Grayの記事。実験の様子です♪

音楽によって、ワインの味が変わるのか?
クラーク・スミス氏が、我々の目の前で論証を行ってくれることになり
私は、ワインメーカーの友人二人を伴って、サンタ・ローザに向かった。
彼と意見を違えた時の味方にと思い、同胞を連れて行ったのだ。

しかし、その必要は無かった。
我々を説得するには2曲で充分だった。

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実験に使われたのは、3種類のシャルドネ。
2005 Glen Ellen California Chardonnay
2006 Rombauer Carneros Chardonnay
2004 WineSmith Faux Chablis Napa Valley Chardonnay


まずは、静かな中で味見。
Glen Ellenは、軽くて甘口な、飛行機で出てくるレベルのワイン。
Rombauerは、オーク味(タル風味)のバター爆弾。
WineSmithは、カビっぽく、ミネラル味。複雑ではあるが、体育館の床のような感じが少々。

その後、スミス氏は、iPodのスイッチを入れた。
部屋の中で、他に変化したものは、まったく無い。

味見の前に、論理的なレクチャーを受けていたので、少々の違いは覚悟していた。
しかし、そのインパクトは実に大きかったのだ。
音楽と共に、我々の味に対する認識は、突然、まったく、違ったものになってしまった。

まず始めにかけられたのは、ビーチボーイズの“カリフォルニア・ガールズ”。
Glen Ellenは明るくなり、レモン風味が増した。
Rombauerは、ほとんど耐え難いまでに、オーク風味を強めた。
WineSmithは、前には気づかなかった甘さを示した。
私も友人も、ビーチボーイズで美味なのは、Glen Ellenということで同意。

スミス氏が、オーストラリアで開かれた、ワインメーカーのシンポジウムの席上で
同様の実験をした時、65人中57人がGlen Ellenを一番美味とし、
我々と同様の結果を得ている。

氏は、「この音楽は、ハッピーな音楽で、Glen Ellenもハッピーなワイン。だから
味が開いたんでしょうね。他の2本は、ハッピーなワインではなかったんですな。」と語る。

この時点で、私はまだ、これを単なる手品(トリック)として、公表する用意があった。
しかし、次にElla Eitzgeraldの“St. Louis Woman”浮き浮きするようなブルースをかけると、
Rombauerは、豊かで味わい深く、ロングフィニッシュなワインとなり、
WineSmithがシンプルでシャープさを増したのとは対照的に、
Glen Ellenは酸っぱいキャンディみたいな味に、一転してしまったのだ。

「Rombauerの難しさは、如何にバター風味を、音楽で包み込むか、という所です」と、スミス氏。

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何が起きているのかを考えるに、新しい味が次々に登場するのではなく、
味の要素は、もともとそこにあるまま、変わらない。
しかし、音楽が、我々の味の要素に対する認識を変化させるのだろう。

ある音楽は、我々をより注意深くし、厳しい判断を下させるので、
ワインのいやな部分が目立ってしまう。
しかし、別の音楽は、我々にオークとタンニン味を無視させるので、
ワインをより好ましく感じさせる…といった感じに。

信じない?友達を招待して、是非、自宅で試してみて下さいな。
3本のワインを開けて、思いっきり違ったスタイルの音楽をかけてみる。
どうです?

ちなみに、私と友人は、メタリカの“Enter Sandman”が
2003 St. Francis Sonoma Countyのカベルネ・ソーヴィニョンを、
ハーブ味をなくし、ロングフィニッシュの美味なワインにしてくれる事を発見した。

ボーカルのJamesに感謝 − 貴殿のうなり声は、生肉と同じようにカベルネに実によく合う。
(自分で経験しなかったら、誰が信じたことだろうか?)


英語版の元原稿は、クロニクル紙のW.ブレイク・グレイの記事をお読み下さいませ♪
サイドバーの英語版Enter Sandman' with Cab? Road testing Smith's theoriesはこちらです☆



ゴマの独り言

この実験には私も付いていったのですが、面白かったです♪
実験に使われたのは、白3種(上記)、赤3種(ボジョレー、CAカーネロスのピノ、
カベルネ・ソーヴィニョン)。あ、あと、ホワイト・ジンファンデルの7本でした。

私達は、記事文中の音楽の外にも、クラシックジャズ、スムースジャズ、
ヘビーで情熱的なクラッシック、美しい旋律のクラッシック、
パイプオルガン、ディクシー、カントリーとか、色々なジャンルの音楽を聴いて、
味ノートを取りました。

いま、改めてノートを見てみると…
始めのうちは、レモン風味、フィニッシュはハチミツ風味…なんてメモっていたのですが
私の脳みそでは付いていけず、終いには、「好き」「嫌い」しか書いてない〜☆アハハ

個人の脳の認識しだいなので、必ずしも皆と同じでなければならない訳ではありません。
実際に、どんな風味を強く感じるか、プロの面々も意見が違う事があったし、
個人がどの味を好むか、例えば「オーク味大好き」とか、「タンニン大歓迎」とかによって
「好き」「きらい」も分かれるので、一概にはくくれません。
でも、確かに「違い」は感じられると思うのです。

夕食時の会話を盛り上げたり、パーティの余興になったりすると思うので、
よろしかったら試して見て下さい♪

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2007/11/4

ロマネ・コンティにはどんな音楽が!?ワインと音楽の関係3  目にとまったワイン話

ワインと音楽の関係について、W. Blake Grayの記事の訳、最終回です♪

サンフランシスコのブールバード(Boulevard)、ファラロン(Farallon)、
そしてナパのマルティーニ・ハウス(Martini House)のオーナー、Pat Kuleto氏は、
常にレストランにおける音楽の重要性に注目し、雰囲気作りに気を配ってきた。
彼は店でかける音楽CDを慎重に選び、音量も注意深くコントロールしている。

しかし、スミス氏が提唱する、「ソムリエがワインを選ぶ時、実際に店でかかる音楽を
聴きながら、テイスティングをするべき」というレベルまでには、至っていない。

「レストランは、人々の精神と丁々発止のやりとりをしているようなもの。
音楽が精神に与える影響は、とても大きいです。」と、語るKuleto氏。
「どんなムードの下で食べるかによって、料理の味は変わります。だから、
(音楽とワインの関係について)言わんとしている事は真実だと思いますが、
それは、より大きな絵の中の、ほんの一部分と言えるでしょう。」

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スミス氏の理論が、ワイナリーのテイスティング・ルームに及ぼす影響も、注目に値する。
何種類ものワインが並んでいる所では、どんな音楽が必要だろうか?

「だから、Muzakのような会社が成功するんですよ」と語るのは、ワイン産業界の
コンサルタントで、熱狂的な音楽ファンのDan Fredman氏。
「朝はメローで、午後には元気な音楽、という風に、彼らは雰囲気を創りあげるんです」
もし、スミス氏の研究がもっと注目を集めたならば、Muzakがワイン・テイスティング専用の
音楽CDを開発するかもしれないと、Fredman氏は言う。

ナパのコンサルタントCraig Root氏は、既にテイスティング・ルーム用の
CDを開発しているが、ワインの味に基づいて作られたわけではない。
「私が音楽を選ぶ基準は、人々の動きです。朝は聞きやすいジャズやクラッシック音楽。
午後に若い人がテイスティングに来たら、ブルースやクラシック・ロック、
といった感じです」と、Root氏。

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テイスティング・ルームの音楽の影響は如何ほど?

もちろん、スミス氏の理論がいかに説得力を持っていても、
ソムリエの勧めを振り切って、辛い料理といっしょに
カベルネ・ソーヴィニョンを飲む人々が後を絶たないように、
「音楽とワインの関係」を、そんなの自分の知ったこっちゃないと、
まったく気にしないワイン愛好家は、多く存在されよう。

「考えたいとは思わないな」と語るのは、ワインの輸入業者で、
自身がブルース・シンガーでもあるKermit Lynch氏。
「一度、違う形のグラスでテイスティングを始めたんだが、途中でやめたよ。
それと同じ感覚だな。何故かと、理由を知りたいとは思わない。
でも、私は家中に違う形のグラスは置かない。使うのは1種類だけさ。」

しかし、そう言うLynch氏でさえも、推測せずには居られなかったようだ。
「モーツァルトのピアノ・ヴァイオリン・チェロのトリオを聴くとしたら、
軽くて爽快な味のミュスカデ (Muscadet) を、開けないかい?
ベートーベンの魂がこもった後期の作品なら、1929年のロマネ・コンティでも
持ち出すときかな?」

私には答えは分らない。多分スミス氏も。
でも、皆さん、ボトルを開けて、iPodのスイッチを入れて、試してみませんか。


英語版の元原稿は、クロニクル紙のW.ブレイク・グレイの記事をお読み下さいませ♪
この記事のコアともいえる、実際の実験の様子はサイドバーに書かれております☆

ふう〜。長いので3回に分けましたが、まだサイドバーが残っているんです。
実際に挑戦してみたい方、もうちょっとお待ちくださいね。いまから一生懸命訳しま〜す♪

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2007/11/3

メタリカで美味しくなるカベルネ!?ワインと音楽の関係2  目にとまったワイン話

ワインと音楽の関係について、W. Blake Grayの記事の続きです♪

ワインのアルコール低減技術によって、その名を知られるクラーク・スミス氏。
自然発酵のままでは高すぎるアルコール度を減らす時、
技術的には、度数を如何様にもコントロールできるのだが、
彼がスイート・スポットと呼ぶ、ポイントがある。

そのポイントは、個別のワインに付き、ほんの2、3ヶ所あるか無いかといった所。
それぞれのワインによって度数が異なるため、ポイントを探すには、
14.2%、14.1%…といった具合に少しずつ減らして、味見を繰り返すしか方法はない。

スイート・スポットが、ワインに調和をもたらすのとは逆に、
ほんの0.1%かそれ以下の、微妙なアルコール度の違いが、不協和音を奏でる。
(その有様は、パンク・バンド、ブラック・フラッグのギタリスト、
Greg Ginnのギターサウンドの如し)

この微妙な作業が、スミス氏にワインと音楽の関係を、
より深く考えさせるきっかけとなったのだが、
ワインと音楽のペアリングに際して、「どちらが美味しいか?」
との、非科学的質問に、彼は科学でもって答えている。

クリックすると元のサイズで表示します 実験当日☆左端がスミス氏

実験用に彼が用意したのは3種類のワイン。
仏のボジョレー、カーネロスのピノ・ノアール、そしてナパのカベルネ。
実験の結果、被験者である我々の殆んどが、同じ結論に至った。

モーツァルトのEine Kleine Nachtmusicはピノ・ノアールを美味にしたが、
カベルネ・ソーヴィニョンには合わなかった。
カベルネを美味にしたのは、ディオニソス的な音楽、または暗い音楽だった。
(メタリカは、貴殿が秘蔵している1961年物のボルドーに向いていますよ。)

彼はまた、ポルカを聴く事によって、彼の造った$100のカベルネよりも
安いSutter Home White Zinfandel の方が、美味になることも証明して見せた。

スミス氏の提唱するガイドラインは、多くない。

ホワイト・ジンファンデル以外では、ポルカをかけないこと。
赤ワインなら、短調の曲、または暗い曲(negative emotion)が合う。
特に高価な赤なら、笑いたくなるような曲は避けた方が無難。
ピノはセクシーな曲、カベルネは怒りを含んだ曲(だからメタリカね)が、よしとの事。

クリックすると元のサイズで表示します

しかし、「カベルネは、ワイン・カーブの中で、かがり火の元飲むと味がよくなる」
なんて言われても、とてもじゃないが科学的とは思い難い。
UCデイビス(emeritus of sensory science)のNoble教授は、
「音楽がワインの味を変えるという研究は、証明が難しいが、とても面白い分野。
それが普遍的に起きている現象なのか否かの判断が、難しいところ」と話す。

MRIで、実際に脳にどのような変化が起きているかを知りたいと教授は言うが、
悲しいかな、ワイン・テイスティングは、ホットな研究エリアでは無いのだった。

何故、モーツァルトやビーチボーイズよりも、ドアーズの“People Are Strange”の方が
カベルネをより美味しく感じさせるのかを、スミス氏も具体的に知るわけではない。
しかし、脳の断片模型を使った説明によると、ワインの味を認識する領域は、
音楽を聴くのと同じ論理的処理領域を使っていると、彼は仮定している。

2001年に発表された、モントリオール・マギル大学のAnne J. Blood と Robert J. Zatorroの
研究発表によると、被験者が好みの音楽を聴く時、
脳の快楽を司る部分の中枢神経が活性化する。
(食物、セックス、薬物の使用などによっても同じ場所が活性化し、快楽が誘発される)
簡単に言うと、良い音楽は、美味しい料理を食べたのと同じような感覚を我々に呼び起こす。
そしてワインも同じような作用をもたらすと、スミス氏は考えている。
(スミス氏の理論についてのコメントを求めたが、両氏からの回答は無かった。)

より最近の、USデイビスのPetr Janataアシスタント・プロフェッサーの研究発表によると、
音楽を認識する脳の領域は、我々が香りなどを認識する内側前頭葉前部皮質と重なっている。
この部分は我々が好みを決める時に大きな役割を果たし、
好き嫌いの判断もここで行われる。

脳はワインと音楽から送られるシグナルを、混同しているのか?
Janata氏は、「脳が、感覚の源を判断する事は、困難かもしれない」と言う。

ビジネスが成功し、この研究のためにワイン造りを放棄するまで、
スミス氏の手元には、ほんの2、3の現象があるばかりだった。
しかし、彼のアイデアは非常に魅力的であるばかりでなく、
レストランに及ぼす影響は、計り知れないと思われる。

今かかっている音楽が、お客さんの飲んでいるピノ・ノワールを酸っぱくしたらどうする?
リースリングを輝かせる整然とした音楽を選ぶか、
カベルネの深みを増してくれる脅迫感のある音楽を選ぶべきか?
人々は果たして、ダークな音楽の流れるステーキハウスに対して、
心の準備が出来ているのだろうか?

すみません、長いので次回に続きます。
英語版の元原稿は、クロニクル紙のW.ブレイク・グレイの記事をお読み下さいませ♪
この記事のコアともいえる、実際の実験の様子はサイドバーに書かれております☆
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