雑誌やwebで5〜6年前からよく見かけるようになった語句だと思うのですが,ノンカラードのショートテールやソード系,あるいは色つきのラウンドテールやピンテール系など,すなわち尻尾が長くならないタイプを「ワイルドフォーム」と称しているようです.gupに関する書籍の写真を見る限り,原産地で採集されて日本に持ち込まれる野生gupは総じてノンカラードのショートテール(あるいは短ソード)と想像されます.しかし,上記の様々な系統について一口に「尻尾が短い」と言っても様々な遺伝子型があり,それが直ちに野生型とは言えないでしょう.では,汎用語としての wild という意味か?う〜ん,オレンジレースコブラ・ラウンドテールなど完成された系統は洗練されて極めて artificial で domestic ですよ.荒いやつもいないではないけれど「ショートテール・イコール・気性が激しい」というわけでもないし.....また,プラチナライアテール,ウイーンエメラルド,あるいは一部のピンテール類みたいに尾びれの突出部分を著しく伸張させる形質を持つものは,長々とした尻尾をなびかせてニョロニョロ泳ぐ,という印象があります.ワイルドと名乗るならばもっとぴっぴっぴっと泳いでほしいな.あえてわがままを言うことを許していただけるなら....「どこがワイルドですか?」
とはいえ,競技会用ロングテール系統に偏重する業界では,それ以外の魅力的な魚をひとまとめにして売り込む呼称が必要不可欠である,という事情はよくわかります.都会ではワイルドフォームgupの魅力を楽しむ趣味家の方々が増えているに違いありません.でも田舎では売ってないよ.
さて写真ですが,一目瞭然,Japan-Blueのソード系です.

とっても短いAsian double swordで,これ以上長いと私ちょっとダメ.それはさておき,上下ソードの長さが揃ってないし,ソード形成不全の仔がいっぱい生まれるので,ソード系のメスの選び方とか,ソード形成に影響するautosomal geneとか,宿題きわめて多数........人生勉強だなぁ.....

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