ちょっと空いた時間に近所の魚屋さんへ行ってみたら,一般輸入GUPと別水槽に「国産」が入っていた.どうやらわしが触ったことのない形質を抱えている,というかぁ,そんなにいろいろやってきたわけじゃないので,流通してるブツはたいていそれに該当する.そのお店は「町の魚屋さん」であって,ここは普通そういうものを置かないところなので,値段はお手頃価格だし,やっぱ少し業界プッシュがあるのだろうか....と思いつつ見学.ちょっと手に入れてみたい気はするが....よく見るとやっぱり腰を振っている.
わしのところに残っている僅かな系統は,ほぼ全部病気もちなので,別に他から持ち込む恐怖はないのだが,やっぱ発症してる個体は買えないよね.
その形質にはちょっと興味があったのだが断念して店をあとにする.やはり,田舎で現物を見て買う,というのは難しい.通販ならなんでも手に入るのだろうが,まぁ安いものではないし,やみくもにいろんな系統を買いあさっても収容できないので,やっぱり現物を見比べて,あれこれ悩んでから「これ」っていう系統を導入したいところである.
というわけで,今は新系統の導入なんてやってないが,昔々,わしの手元にいくつかの系統を仕入れた頃,オスだけだったり,付いてるメスが×だったり,病気で仔が採れなかったりすると,まずは導入したオスをハーフブラック・イエローテールのメスにかけて,子→孫と採って,Xが帰ってきて黒くならないオスを残し,後代を取ってメスのXが揃うのを待って,あとは導入個体の形質に近いものを選ぶ....というのを幾度かやった.その際に,非ハーフブラックのなかにこれが出てきて脱力することがままあった:
ドイツイエロータキシードを扱う愛好家の方々にはおなじみであろうが,この尾ヒレの真ん中あたりと周辺に,ぼよぼよぼよ....っと黒っぽくてゆるい模様がでるのは,Xリンク・ハーフブラックの形質が吹っ飛んで,非ハーフブラックとなったXを抱えている魚だと思われる.
困ったことにこのタイプはわりと体がしっかりしていて,F2の非タキシード軍団の中でもまぁ良い子に見えるので,色が出るまで残して期待してたりする.で,色が出て,「はずれX」であることに気付くわけだ.まぁ要するに導入系統由来のXじゃないわけだから,残さない.ハーフブラックが飛んで,また別の魅力的な模様が出てきたりすれば「それ残してぇ」とか思うかもしれないが,このゆるいのは残さない.大部屋行き.さようなら.

0