お〜い,お仕事ですよ〜.
ということで:
アグリビジネス創出フェア2008
2008年10月29日(水)・30日(木) 10:00〜17:00
東京国際フォーラム・地下2階の展示ホール
わしが勤めているとこの先生達が農業関連研究成果を展示して企業や自治体や生産者の皆様と実用化・産業化の相談をするイベントが,今年も開催される.今年は先生方もホンキモード全開で「有機肥料」「機能性食品(もやし・瓜類)」「国産牛肉」「食中毒細菌検査」等々について10名ほどの方々が現場に出ることになっている.わしもちょっと場所を借りて苔玉とか竹切りのネタを並べさせてもらうことになった.
え,Blog Talkのいつもの話題と関係ない?
じゃぁ,魚の話だ.上記のわしらの出展の中に「魚」が出てくるのである.ここで他の先生の仕事を許可なく知ったかぶりして書いて,もし間違いがあったら迷惑をかけるとは思うが,まぁちょっとした宣伝なので,許してもらおう.
飲み水など上水道水を得るために河川から浄水場に取水する....ということを考えてみる.急に妙な化学物質などが混入してきたら危ないので取水を緊急停止したい.そこで「水質モニタリング」というのはできないものかと思うが,相手の化学物質が特定されていれば,それに適合した計測機器を設置して連続計測したりしてみるのだろうが,まず何が来るかわかんねぇし,分析にあたり被検液を前処理しなきゃいけないとか検査結果が出るまでに時間がかかるとかいうと,これまた手間がかかって意味がない.そこで,ある生き物自体を「センサ」として使う.メダカだ(以下にいい加減な説明を書いておくが,正しく理解したい方は「メダカ センサ」等でググってほしい).
まずこんな装置を組んでみよう:
浄水場の取水口あたりから少量づつ水をパイプに流して水槽を通す.水槽にメダカが泳いでいる.そのメダカを動画カメラで観察しているのだが,毒が流れてきたら....こうなる?
それじゃ意味がない!鉱山の穴にカナリアを持ち込むのとは違うもんね.まぁ,水にとくに問題がなければメダカは水槽で「普通に」泳いでいる:
さて,水に何らかの問題が生じた場合,そのインパクトにより魚は「なんかヘンだなぁ.....」という泳ぎをしたり....:
なんかボンヤリして動きに精彩がなかったり....:
そこで,メダカの動きを動画カメラで常時観察し,そのデータを画像解析してメダカの動きを分析,「普通の動き」と「ヘンな動き」を比較・検出して,水の異常を感知し,即時・必要に応じて警報を出したり,取水を止めたりできるというわけだ.魚にとって「異物」であるものなら何でも感知され,その感度は物質を特定した機器分析に負けない....あるいはより高いことも....さらに「生理活性物質」などで魚が特異的な受容体を持っている場合には並みの機器分析よりも遥かに高い検出下限となることもありうる.実際,これは地元の計測機器メーカと組んで商品化され,運用実績がある.まぁポイントは魚の動きのパターン認識データと各種物質との相互関係をしっかりつかんでおくということだろう.今後の発展も期待できる.
まぁ,ブースには「キレイにレイアウトされたメダカ・アクアリウム」はありません!間違えないようにね.ともかく「メダカセンサ」に関する出展がある,ということで,環境保全とか自然保護に関心がある関係者各位なら,ブツや,担当の先生の話が少しは楽しめるのではないだろうか?
「メダカやセンチュウを用いた簡易・迅速な水のモニタリング」....大入り満員を期待したいものである.

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