何度も何度も書いているがわしは「和泉流」ではない.ここで言う和泉流というのは要するに:
・gupは他の魚種とは混ぜないのが望ましい.
・魚数と比べてやや大きめの水槽.
・使う水は「普通の水」で,塩をちょっと入れる.
・窓からの自然光を間接で入れて,蛍光灯で補光した明るめの条件.
・粒状の砂礫(Ca含量低め)を底床として底面濾過.
・ウォータスプライトがお友だち.
・1〜2週間で水の部分交換,1〜2か月に一回の丸洗いという「鬼水替え」の実施.
・仔が生まれたら早期にオスメス分け.
・努力目標はあくまでも完全固定で,他系統との交雑は双方とも固定完了したもの(純系)に限る.
・美しい魚とは健康な魚.上記のオーソドックス飼育に耐えられない魚は落第.
・魚の飼育とは澄んだ水とよく茂った草と元気のよい魚が良く調和した眺めを理想とする.
・その他,芸術性や潔癖な規範意識についてイロイロ.
というものかなぁと,わしは解釈している.
で,そんな和泉流とは無縁のわしでも例の草は持っているぞ,ということは前にも書いた.
まぁこの草はとにかく難しい.育てるのはきわめて簡単なのだと思う.「育てるのが簡単なのに何が難しいか?」という問いに対する答えが難しい.水底に苗を植えると根付かずにいきなり枯れたりする.浮かしたら大丈夫という人が多いが,浮かしといてもすぐ溶ける.何度繰り返しても同じ失敗....かと思うと,何も工夫してないのに植えてた株が巨大化して水槽を埋め,葉縁からむくむくと出てくる仔株はちぎれて水面を覆い尽くす.「お,調子いいなぁ」と思っていると,ある日突然『わっ』というふうに茶色に溶けて流れる....水上葉で出回っている一般的な系統の株はダメで水中葉で売られている特定の個体群が水槽での育成にフィットするという意見も拝聴したことがあるが,わしとこでずっと持っている個体群は茂って水槽からあふれたり突然溶けて水を汚したりするので,この意見もよくわからない.
わしとこで安定的に育っている水槽が一個だけある.だが,この唯一のタンクはわしの本業の技術を駆使したもので,野菜並みに「施肥」しており,水が富栄養化していて魚が入れられない(何のために持っているのかわからないなぁ).
というわけで,この草に関してはわしは説明ができない.要するに技量未熟なだけだが,とにかく「難しい」のである.わしのポリシーは「gupは何の工夫もなくてもどんどん育つ丈夫な魚でなくてはならない」ということなので,結局辿り着いた結論は....
ウォータ・スプライトはgupメイトとしては適していない
という笑止千万な話なのであった.ま,どっちにしても,十代の頃からの飼育経験の2/3の年月でオーソドックス飼育の真似ごとを続けてきて,その後底床も水草もフィルターもエアレーションも使うのを止めてしまったようなわしにモノを言う力量はないとは思うがな.....

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