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先日,仕事グッズの調達にホームセンターに行ったら,何やら安物の小型プラ広口瓶が棚に大量に並べられていて中で何か動いている.よく見たらまぁびっくり,オカヤドカリが一匹200円くらいで,「コッピー」式で売られていたのである.これはひどい.昨冬にドン◎ホーテでコップくらげとかコップさんしょううおが販売されているのを見たときも衝撃だったが.....オカヤドカリが商業的に仕掛けられるようになって数年,こちら九州界隈でもチープな販売が横行していたが,昨夏まではせめて「飼育セット」とコミで売られていた.しかし今年はとうとう瓶詰である.
コップ・ハーミットクラブを二匹398円で買う人がそれなりの水槽とか餌とか横の棚から見つくろって買うのか?瓶詰のままで風通し悪いと暑くて死んじゃうよ?秋からどうするの?暖房しないと死んじゃうよ?ペレットだけじゃ育たなくて野菜とかカルシウム補助餌とかいろいろ食べさせるんだよ?何よりもまず,これから10〜20年の間ずっと育てるのか?
ここをご覧の皆さんはおそらく概ねご存知だろうが,オカヤドカリはお手軽な消耗品ではない.とても飼うのが難しいくせにものすごく長生きしてかなり大きくなる甲殻類だ.子どもの拳ほどに成長して重厚な迫力をかもし出すまで,愛と誠で接するのが飼育者の責務である.購入するなら「ダンコたる決意」が必要なのである.しかし,このオカヤドカリ達は,この夏の間だけ餌をもらって「秋になったら死んじゃった」という運命をたどることになるのだろう.パック詰めのカブトムシと同じだ.
人の教育に携わる仕事をしてると思うのだが,「将来◎◎になりたい」という子どもはそれに関わるモノが好きな場合が多い.パイロットになりたい人は乗り物好き,ケーキ屋さんになりたい子は食いしん坊,洋服屋さんにあこがれる女の子はおしゃれさん....動物好きは獣医さんとか動物園のヒト?だが,瓶詰動物の売り場を見るとペット業界のおじさんおばさん達は生き物がキライなんじゃないか?と思わずにはいられない.残念ながら,それだけ厳しい商売なのだろう.オーナーが「HENTAI-gupが好き」なんて甘っちょろいことを言ってるショップはきっと経営がたいへんだったり,店舗移転とか閉店を余儀なくされたりするのかもしれない.いやいや,愛と誠で頑張っていただきたいものである.
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