タイトルで誤解することの無いように断っておくが,裸にコートで夕方あるくヲサーンの話ではない.
例によって長〜〜〜ぁい前置きからスタート.
gup等の熱帯魚に限ったことではなく,「マニアックな趣味の場」というのは仲間の少ない閉ざされた孤高の空間であった.わしらの上の世代は「マニア」と自称し,わしらの世代は「オタク」と名乗った.この頃のオタクは今の「ヲタ」ほどの高レベルではないサブカルチャーごっこ程度でも楽しめるものであった.もともと社会活動が苦手な人が陥りやすいツボであり,他の人に理解されないことを逆に気取るという気質さえあった.その閉じこもりぶりから,オタク=犯罪者....とまではいかないものの(そういう人もいた),迷惑な人,くらいの風評はあったように思う.
そんなサブカルチャは,担い手が閉じこもっていて世間に見られることが少なく,誰かが探し出してくれる事態がおこるわけでもなく,担い手が自ら努力して業績を他者にお披露目するという機会を設けるというスキルもなかった.
さて,われらがgupだが,そもそも世間では犬猫以外のペットが一般的ではないし,その中でも「熱帯魚?」だし,さらに熱帯魚のなかでマイナー魚種のgupとなれば,そしてさらにさらに「非三角」ともなれば,あれまぁ.....
それこそ,昔には「旦那芸」で社長さんが愛好家で
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「やぁキミたち,休みの日曜日にわざわざ来てもらってすまんなぁ,どうだ,これはすごいんだぞ〜」「ほぉ,美しいですなぁ,これはお高いんでしょう?」「いやいやそんなことはないが,まぁまぁだよ,がっはっは.どうだ,この仔を持って帰ってキミもやらんかね」「いやいやこんな貴重なものをいただけるんですか,でも難しいんでしょう?私のような素人にはとてもとても」「いやいやそんなことはないよ,いろいろ教えてあげられるよ」「それはありがとうございます,ぜひよろしくお願いいたします」「うんうん,そうだ,来月のコンテストにも来たまえ」「はい,では私が車でお迎えにあがりましょう」
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なぁんて身の毛がよだつ恐ろしい話でもなければ,いい大人がサブカルでつるむことなんてありえなかった.
今はいんたーねっつがある.
難しい人間関係は画面の向こう.理論展開は一方通行も可.突っ込みが怖かったら「これはわし的理論であって異論はスル〜でおながいします」(ご存じのとおりわしがよくやる論法である).真偽の審査や言葉使いの校閲もなければ,何日までに出せという締め切りもない.それなのに,情報発信してると,いかにも世界を相手にしている気分になれて,充足感たぁっぷりさぁ.
なんてすばらしいツールであろうか.
さて,わしの自慢の魚を市井の下々の者ども(おい!)に見せ,そこから独自の考察を展開して,自己満足にひたろう....ということになるわけだ.別にヘ◎タイ・イベントに出品しなくても,デジタルカメラで撮影してネットでお披露目すれば良い.
さぁ,画像を用意しなければならない.
さて,本題
わしは写真撮影が苦手である.大学生の頃からわりと良いカメラをぶら下げて,生き物や景観や人や乗り物の写真を撮り,暗室でモノクロプリントしたり,ポジでカラープリントを外注したり....と,昭和の子どもがやる遊びをひととおりやってみたが,ちぃっとも上手くならなかった.まず眼が良くないのと,シャッター切りの反応がすこぶる鈍いのである.また,わしが撮ると,普通の被写体どころか,たとえコントラストがギラギラした物であってもかならず「軟調」に仕上がる,という特技?があって,すべての写真が「眠い」という惨憺たる状況であった.
そんなわしが,ちょこまか泳ぎまわる小さな魚,体色は薄い中間色で,光を受けてちょびっとだけキラキラ....なぁんてデジタル画像を上手に用意できるはずがない.小さい容れ物に押し込んで,ピッピピッピピッピピッピピッピピッピとシャッター切って,山ほどのクズ画像の中から何とか見れないこともない画像を選び出して用意する.それでもまともな画像は少ないと思うなぁ.
誤解の無いように付け加えるが,「皆,画像じゃわからないかもしれないが,本物の魚は画像で見るよりもっと素晴らしいんだぜ,オレは凄いんだぜ」というようなことを言っているのではない.わしとこの魚は,あくまでも「BLOG talk」レベルの「プラケース止水,ときどき差し水,人工飼料オンリーで育てた魚」の域を脱しない.ここで言っているのは「ピンボケとかうまく映ってない画像ですみませんが,これでも撮るのにとっても苦労してるんです」という話なのである.
さてここに欧州系のダブルソードがいて,こいつらのウリは光を受けて青緑がぴかぴか!なのであり,ちょっと手前から照らして撮影したい.さ,動きが止まったので,撮影っと
う〜ん,止まってると,自慢の背びれが垂れるし,ソード開かないし,ちょっと動いてるところを撮影っと
あぁっ!またオデコ画像だぁ!
照明を真上でなくてほんのちょっと手前にずらしただけなのに,泳いでいる時をねらうと「オデコ写真」を撮ることがたいへん多い.横向きのときは動きが速くて,反応がニブいわしには捉えきれないことが多いのである.
だが,わしはgup画像のポーズのなかで,このように方向転換しようとして上体をぐっと捻って,それに引っ張られて背びれや尾びれがクイっとなる,このスタイルが最もgupらしい良い姿だと考えており,好んでこのような画像を使う.
あぁっ!また,メスが背中だぁ〜.撮れないんだよなぁ〜.

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