飼育を止めた今となっては貴重な画像だが....
いよいよこの11月からザリガニがご禁制品となる。わしもミステリークレイフィッシュ(単為生殖型マーブルクレイフィッシュ)をずいぶん長いこと継代してきたので、偉そうなことは言えない立場である。
しかし、これはなかなか難しい問題だった。本命の「新大陸のカビ病を断固として日本に入れない」との決意にしては規制が実施されるまでに結構時間がかかり過ぎたと思う。また、「淡水域の生態系の保全のために外産ザリガニを一掃する」のにしては、アメリカザリガニは対象外。
もうザリガニ文化は社会に沁み込んでるからなぁ。とはいえ、お役所の「規制すると大量放逐など混乱を招く」という「対象外にした理由」にはあれ?と思わないでもない。ここまで我が国に定着してると、天然の水域には無数に(まぁそこそこの水質の水があって草が生えているようなところにはもう天文学的な個体数で)生息しているわけで、そこに規制施行直前の放逐個体が数千とか数万とか入ったとしても、実質的な増減になるかなぁ....というわけで、市井の混乱なんか怖がらずに、これを機にアメザリもやっちゃったほうが良かったのに、という意見もあると聞いている。逆に、
「アメザリはむしろ我が国に定着してしまっているから、もう縛るのやめて楽しくやろうぜ、と思ったのかしら?お上もいいかげんなことやってんなぁ。」
というようなあらぬ誤解を招くようにも思える。我が国の淡水域におけるアメザリの環境へのインパクトはきわめて大きい。とはいえ、わしも昭和の子どもなので、アメザリを規制されたら悲しいけどな。
あと、ミステリークレイフィッシュについて、メスだけで繁殖するので爆発的に殖えて....というふうに化け物扱いした記事をこの機に何度か見たが、実際に飼ってみると「単為生殖だからすごく殖える」はちょっと短絡的に過ぎると思う。もちろん熱帯性なので季節に関係なく繁殖するのでいつも繁殖しているようにも見えるが、産卵数があまり多くないしね。有性生殖の種だって、ある程度以上の個体密度で定着していさえすればオスメスが出会って産めよ殖やせよってやる繁殖の機会はそう少なくはないと思う。むしろ有性生殖の種の「爆発的なほどの産卵数とか、丈夫な体とか、世代交代による多様性の維持、それゆえの感染症や化学物質リスクへの適応度の高さ」等々を考えると、単為生殖・有性生殖とも外来生物的脅威は同じようなものだと思うなぁ....。
ま、いろいろ書いたが、わしは基本的に今回の外産ザリガニ規制については賛同しているのであった。さようならクレイフィッシュ。

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