尾びれを伸ばすための水いじり、については30年、いや31年かな、というくらい全く遠ざかっていたが、「モザイク・レース あげはちょう」というコードネームをつけた「Xコブラ+Y_variegated尾」の魚について、ここで「この尾びれはどのくらい仕上がるのだろうか?」と自分で書いて、で、何だか魔が差して自分でスイッチを押してしまって、尾を伸ばしてみた。Xコブラなので尾型はおむすびテールが精いっぱいなのだが、とりあえず生後7ヶ月を目指して、様子見。そのついでに、わしの下で珍しく伸びている尾びれを見直す機会とした。以下に同一個体の画像がいくつかあるので、ご覧いただこう。
日頃からブルーグラスとかモザイクを育てている愛好家の方なら、成長するのにともなう色柄の変遷は日常茶飯事であろうが、なにぶんわしはこういうことからすっかり遠ざかっているので、ちょっと面白いのであった。

(7月) 発色が本格的に始まって様子がわかり始める生後2ヶ月ほど。尾びれの付け根から少し離れて大きな黒斑、そして小さな黒点が斜めに二つ、その後ろに大きな細長い黒斑....という風合い。

(8月) これを目印にして、その一ヶ月後には目印の後ろ側にギザギザの弧状の模様が出現した。

(9月) その後ろに散発の黒点が弓状に並んで出現した。

(10月) さらにその後ろに微妙な距離感で黒点が少し雑な感じで並んで出現した。そろそろ尾の伸びが鈍化しているからかもしれない。

(12月) 水槽が汚くてよく見えないと思うが、10月に出現した点々の外側に余白ができている。もっと伸びれば、次の黒発色があったかもしれないが、そろそろ加齢による尾の劣化が始まるだろう。
ここで入れ物が汚くなっているのは、この前の月に「12月にHGCのコンテストが開催される」と耳にして、ちょっと色気を出してそれに出そうと思ったからだ。Y-variegatedで作る「長い尾びれ」は薄くて裂けやすい。水替えは注意深くやれば良いが、面の掃除やコケ取りでわしゃわしゃやっているときに尾を傷つける可能性があったので、そういった操作を止めてしまった。その結果、観察は不可能になったのであった。
というわけでまとめると、尾びれができた部分から柄がおおむね決まってしまって、その先へ先への伸びるのにしたがって新し柄ができてくるのであった。つまり、ヒレは育つが柄は育たない、というわけなのだろう。
一方、体側のスネイクスキン柄はそうではない。灰色っぽい明色で複数の「細い曲線」ができ、体躯が育って曲線間の幅が広がったところに、新たな明色の点や線が割り込んで、模様が細かくなる。体側の柄は育つのであった。
結局、12月3日までにヒレが裂けることはなかったので、HGCのコンテストに旅立った。まぁこんな矮小な魚では競技会で勝負にならないのだが、会場にいたヒト達にあげはちょうをご覧いただいたのならば幸いである。
なお、魚はマンゴーゼリーになって帰ってきた。長崎の諫早というところで50年前に地元ミカンの卸売りを始めた業者さん(由来)の製品がお土産って、九州のコンテストらしくて良い(HGCの皆様、お疲れさまでした。来年も会と会員の皆様のご活躍に期待しております)。
繰り返すが、日ごろから柄物の三角尾を育てているヒトならば「日常」「常識」なのだろうが、ここ BLOG talk のコンセプトは「ありふれた素材を使って,皆が知っているようなことを,自分の手でやって自分の目で確かめる」であって、このお題目を地で行くお話なのであった。

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