一堂に会さぬまま曲作りを進める引き篭もりユニット“Gm4”の新作(?)がリリースされた。本作の主編曲者である
45-50s君が既に経緯を書いてくれているので、興味のある方は
まずそちらをご参照いただくとして、本稿では彼が触れていないこの曲の前史を自身の備忘も兼ねて書いておこうと思う。
<Needs No Doubts (alternative version)>
<不惑のろけんろー(拙通算200作記念動画)>
上が今回リリースされた版で、下が「表向きには」元ネタとなったボクが主編曲者の版。「表向きには」と断りを入れたのは、実際には最終アレンジを別にすれば成立順序が逆だからである。
以前にも少し書いたが、この曲の製作は昨年の9月頭、丁度
先の渡仏から帰国した直後に開始された。
一昨年の暮れ、
通算150作記念に気まぐれでヴォーカル入りの動画を作った時点で通算200作でもまたやろうと決めていたのだが、
ボクの古い曲に45-50s君のギターを被せてもらったプロジェクトが思いの他楽しかったので、もう一曲彼と組んでやってみたいな、と思い立ったのが事の起こりである。で彼の快諾を得て、古くは
VRM4用走行音拡張アドオンm4gを一緒に開発した縁もあるので、
moko君にも何某かの参画をと促したら、一念発起してヴォーカリストに志願してくれて(年長者二人が無理矢理やらせた、という説もある)ひとまず陣容は整ったのであった。
前述したように、一昨年暮れの時点で200作記念曲を作ることは決めていたので、以降の動画作り、というか、動画のための作曲に当たっては、常に、そのためのプロトタイプを作っているという意識があって、直接的に本作のルーツとなったのは以下の動画の曲である。
<AY80 take off RJGG RWY18>
最終的に完成したものとは随分と印象が異なっているとは思うが、1分37秒あたりからのメロディーが、ほぼそのまま『不惑のろけんろー』のサビになっている。この時点で、おぼろげにではあるが「ボクに出来ることはたかだかこれくらい」という詞だけは浮かんでいたのだが、まったく前後への広がりはなかった。
これに肉付けをしてくれたのが45-50s君であり、上記のプロトタイプに対して彼がいくつかのデモ版を作って提示してくれたのだが、そのうちのひとつが、今回リリースされた『Needs No Doubts (alternative version)』にほぼ近いものだった(ただし、この時点ではサビがマイナー進行だった)。これが先に「実際には成立順序が逆」と書いた所以で、『不惑のろけんろー』の主旋律は全面的にこのときのデモ版に依存している。
45-50s君自身は謙遜して「自分もコライターだから」と書いているが、事実上、この曲は彼の作曲と言って良い。
さて、このデモ版は非常に素晴らしい出来だったのではあるが、お題に対する回答を即座に丸呑みしてしまうのもいかがなものか、という思いもあり、また、そもそもデジタル映像のBGMにすることが主目的であることもあって、もう少しカリカリな感じにしたいね、ということで、
<9M-XAA RJTT RWY16R Takeoff>
製作時期がさらに遡る旧作ではあるのだが、サビのバッキングに上掲動画BGMのイントロを重ねたい、というボクの我が侭を通して出来上がったのが『不惑のろけんろー』である。ただ、45-50s君のフォーク風のデモ版も捨て難いので、これは後日別バージョンとして仕上げたいよね、という話は既にこの時点で立ち上がっていた。それを受けてこの度完成したのが『Needs No Doubts (alternative version)』というのが、ここに至るまでの経緯となる。
なお、歌詞についてはほぼメンバー全員による推敲をおこなった合作となっている。また、作曲時点では平板だったメロディに表情を加えてくれた点については、本格的なヴォーカルを取るのは初体験であったはずのmoko君の功績によるところが大きい。
と、とりあえず備忘的にまとめてみた。それにしても、何を今更ではあるが、こういうことがこの間一度も直接に顔を合せることなく出来るようになったのだがら、世の中便利になったものである。いや、一方で、やはり音楽はそれではいかんのではないか、という価値観もあるとは思うのだが、それはそれ、と言うか。
さて、250作目はどうしようかな。想像以上に早く到達しちゃいそうな勢いなんだけども。