自分で作っておいて何を言ってるんだ、な感がなきにしもあらずではあるが、公開してから「本当に釣れるんだろうか?」と不安になってきたので挑戦してみた。かなり無駄に時間を使ったことを正直に告白しておく。

<釣れた!!>
このゲームの世界では……と言うか、ボクの実弟の脳内では、チヌ(黒鯛の異称、とボクは理解している)という魚は極めて神聖化された特別な存在になっていて、作中この魚のみがサイズ別に3種存在している。上掲のものはその中でも最もランクの劣る小型のモノだ。

<『ヨヒ子の釣り手帳』にはこうある>
釣り上げた後で読むと、ここに書かれていることが本作でチヌを釣り上げるための基本のすべてではあるのだが、本作開発当時はともかく、今日の何事にも説明過剰な世界においてはいささか不親切に思わなくもない。
と言うワケで、以下、ネタバレ的にこのゲームにおけるチヌの釣り方を解説しておく。あくまでも自力で挑戦したい、という数寄者は読まないように。
まず大前提として、釣り手帳にもあるように「中層以深」で狙わなければならない。糸長600cm以上くらい、と考えてもらってよい。ただし本作では、ゲーム起動時にランダムにその日のチヌが潜む深度がある程度限定的に設定されるようになっている。従って、ある糸長でしばらく粘ってまったくチヌの当たりがないのであれば、一旦巻き上げて深さを変えて試してみた方がよい。
次に、外道対策がある。“外道”と言えば
本来は仏教以外の教えのことであるが、釣りの世界では「目下狙っている以外の魚」のコトをいう。ゲーム内部では純粋に確率としてのみ処理されているのだが、お目当てのチヌよりも外道が食いつく可能性の方が圧倒的に高いので、後者の確率を下げることで前者を相対的に高める必要がある。具体的には餌はアケミガイの一択となる。外道も釣りつつチヌを狙うのであれば他の餌を選んでもよい。
次に撒き餌。これは実際の釣りの常道、と言うよりは、我が実弟の信念がゲームとして実装されたものと理解しているのだが、チヌを釣るには適切に撒き餌をしなければならない、ということらしい。カーソルキーの下を定期的に押して、ぼちゃん、ぼちゃん、とダンゴを撒く必要がある。ただし、欲を張って撒き過ぎると、前述した外道を呼び寄せる確率が上がってしまう。目安としては、上空を漂うカモメ(なんです、アレは)が左右両端に達する都度、くらいが丁度よい。
そして最も重要な要素が、当たりに対する合わせである。本作では、チヌのみに固有の当たりのアクションがあって、これがなかなか嫌らしい(これが自分でなかなか思い出せなかったので、釣り上げるのにやたらと時間を要した)。
まず、竿先がチョロチョロと揺れる。が、これはあくまでも予兆であって、ここでスペースキーを押してもバレてしまう。辛抱して少し待つと、グィと竿先が引き込まれる。ここでスペースキーをタイミングよく押すと当たる。これも実弟の受け売りであるが、チヌの当たりというのはそういうものであるらしい。なお、ここで空振ると十中八九餌を盗られているので、一旦巻き上げて餌を付け直す必要がある。
後は、警告音が出ているときに無理に引いてバレてしまわないよう慎重に巻き上げれば、チヌを釣り上げることが出来る。なお、本稿冒頭で紹介した一番小さいチヌにはこのリスクがほとんどない。一方で、中・大型のチヌはかなり暴れる上、リールが逆転して折角巻いた糸が出てしまうので、現実の釣り同様に、ジレることなくゆっくりと引き上げなければならない。
概ね以上である。見事釣り上げた暇人はコメント欄ででも自慢してくれ、何も出ないけど。