名称未定の新作ゲームのプレイヤーキャラクタは、みんな大好き、ボクも大好き、ドラゴンである……え、ボクだけ!?
前作
ゼビモドキは、SFシューティングということもあってキャラクタが無機的だったから、ドット絵を描きさえすれば(ちなみに手製の専用Excelシートでやっているwww)実際にそれがMSXの画面内でどんな具合になるかイメージするのが容易だった。
対して今回は、ドラゴンが主人公ということもあって有機的にクネクネ動く感じを出したいと思い立ったのだが、ドット絵ベースのみではどうにもイメージが掴めないので、無駄を覚悟で想定している基本動作を再現するモックアップをBASICで書いてみた。その結果が以下の動画である。
<モックアップ動画>
常々言っていることだが、ボクは基本的に絵心に欠ける人間なので、デッサンが狂っているのはご愛嬌として見逃して欲しいのだが、とりあえず羽ばたいているようには見える、と思う。と言うか、思いたい。
基本動作はこの羽ばたきに加えて、まず上下の首振り。これは口から吐く炎(現モックアップには未実装だが、後日これもやる予定)の方向に対応していて、トリガを押しながらの上下移動に連動するようになっている。モックアップは、このいささか癖のある操作系の評価も兼ねているのだが、とりあえず違和感はないように思う。と言うか、思いたい。
次に口の開閉。これはトリガを押している間は閉じていて、トリガを放すと開く、という動きをする。ここから想像がつくかと思うが、主人公の攻撃系は二系統になっていて、トリガを押してすぐに放すと単発の火の玉が飛び出し、しばらくトリガを溜めてから放すといわゆるドラゴン・ブレスを吐く、という仕様を想定している。
加えて、このドラゴンはバレル・ロール……に見える?……もする。モックアップではシフトキーを押している間のみバレル・ロールするように組んであるが、実際のゲームでは、このバレル・ロールはキャラクタ至近を通過する敵弾に対して自動発動する予定だ。思うに、この要素が本作の肝になってくるのだが、思惑通りにうまくいくか、今のところはなんとも言えない。
特に意味もなく表示されている文字フォントは、本作のために新規に作り起こしたものである。ファンタジー風の世界観を想定しているので、フォントもそういう感じにしてみた。

<フォントだけ抜き出すとこんな感じ>
MSXのシステムROMに焼かれたデフォルトのフォントは、横6ピクセル×縦8ピクセルを基本にデザインされている。これは、初代MSXが、NTSC/PALベースのテレビに対しては横方向256ピクセルの表示しかすることが出来ず(後にMSX2で512ピクセルに拡張される)かつ、この制約下でテレコミュニケーション端末の標準であった横40文字表示(同じく後に80文字に拡張)を実現した結果である。

<デフォルトフォント、下が横40文字モードでの表示>
これに対して、ゲーム等のグラフィカルなアプリケーションに利用される画面モードでは1文字が8ピクセル四方で構成されるため、ここに上記のフォントを表示すると文字と文字の間に常に2ピクセルの隙間が生じてしまい、独特のスカスカ感というかチープさが漂う(上掲の上の感じ)ことになってしまった。なので、MSXである水準以上のゲームを作る場合、この欠点を補った自作フォントを作ること、がまず最初の課題となる。

<参考までにゼビモドキのフォント一式>
ゼビモドキでは、80年代にその名も“ゼビウス・フォント”と呼ばれた本家ゼビウス独特の書体を真似たものを作って実装したのだが、今回は前述したようにファンタジーシューティングを指向しているので、中世の写本などに見られる装飾文字をイメージしたフォントを作り起こしてみた。
そんな感じでいよいよ具体的な作業に着手したのだが、今後の予定としては、前作同様にまずBGMを作ってからゲーム本体の開発に取り掛かるつもりなので、しばらくは目で見てわかるような成果はないと思う。さらに今回は、自身としては初体験となるフルアセンブラのROMイメージ形式でやろうと思っているので、当面はそのための開発環境の整備、というか、その手法に慣れることから始めねばならない。何やってんだ、ボクは?