愛宕山ケーブルカー跡
京都愛宕山の南東、清滝から中腹部までかつて存在していたケーブルカー。
麓駅の清滝から山上駅の愛宕まで2.13キロの距離を結んでいた。
愛宕駅付近にはホテルや遊園地などが建設され賑わったよう。
今でも愛宕駅駅舎、ホテル跡などが現存している。
1929年(昭和4年) 開業。
1930年(昭和5年) 愛宕山ホテル等開業
1944年(昭和19年 戦局が悪化し不要不急線に指定され廃線。観光設備も閉鎖。
以後放置され、一部が崩壊しつつも駅舎やトンネル、路盤等が現存する。
京都駅前にそびえる京都タワー。

高速バスで京都駅前にには午前6時前に到着。
清滝行きバスは7時半頃なので、京都駅周辺を散策したり、コンビニで朝食を購入し、待合室で腹ごしらえをする。

愛宕山ケーブルカー麓駅(清滝川駅跡)に近い清滝まではバスで40分ほど。

トンネルを抜けた直ぐ先がバスの終点清滝。

このトンネルも廃線跡なのだとか。
清滝バス停からトンネルを見る。

こう見ると単線鉄道の面影がありますね。
左側の道はトンネルをバイパスする車道。

清滝バスターミナルで降車し徒歩にて坂を下り、ケーブル清滝川駅跡へ。

清滝川に掛かる赤い橋。

赤い橋を渡ると雰囲気の良いしなびた旅館街の街並みが。

旅館街を抜けると、ケーブル清滝川駅跡に到着しました。

この石垣は現役当時からのものでしょう。
駅跡の痕跡を見つけるとテンション高くなります。

ホームらしきものは残っていませんが、階段が残っていました。
その中央の砂利部分は、頂上まで続く線路が敷かれていたのでしょう。

いよいよ清滝駅跡から線路跡を辿り、登山を始める。

この辺はコンクリートの路盤がしっかりしていて、登り易い。

レールを利用した構造物が埋め込まれていた。

所々に犬釘が突き出ている。
奥には最初のトンネルが見えてきた。

コンクリート製でしょうか。90年経ったとは思えないほどしっかりしています。

天井部分も全く崩れておらず、安心して通過する事ができました。(ヘルメット被っていますが。)

最初のトンネルを出ると直ぐに2つ目のトンネルが。

しかし、こちらは土砂が詰まっていて通過出来ず。

こんな時、スマホにGPS連携地形図が非常に役に立ちます。
iPhone7PlusにGeographicaアプリをインストール。
機内モードに設定し、液晶の明るさは50%程度。
画面は連続表示設定にして行動しましたが、山中に居た約8時間、バッテリーは切れることなく、20%以上残っていました。
紙の地図代わりにiPhoneを利用しての山歩きは充分可能だという事が分かりました。
(念のためモバイルバッテリーと紙の地図は当然携行すべきですが。)
スマホアプリの地形図を利用するコツとして、携帯の電波がまだ入る場所で、歩く山域の地形図を表示させキャッシュメモリに読み込ませてから機内モードにする。
iPhoneの場合、機内モードにしてもGPSの電波は受信するので、現在地の表示が可能になります。

(話を戻して。)
上の写真のトンネル内は落ち葉で埋もれていたため、登山道でトンネル上部出口方向に迂回します。

登山道の途中に東屋がありました。

「ようお登り!」の言葉に少しホッとします。
トンネル上部出口の構造物。

巻き道を探しながら、トンネルの上部出口に到達。

こちらも強固なコンクリート造りで非常に状態は良いです。
「トンネル上部から内部を覗く。」

霧でよく見えません。いずれにしても通過は困難でした。

遥か先の3つ目のトンネルまで路盤はしっかり残っています。

路盤の上を歩いていると気付かないが、ここは橋になっていました。

しっかりした路盤のため歩きやすい。

3つ目のトンネルはすぐ先に出口が見える。

土砂崩れとなっており路盤上も苔で湿っているため、左側の雑木林の中を歩く。

上から土砂崩れ部分を撮影。
大地震が来たら路盤も崩れ落ちてしまうかも知れません。

廃線探索も終盤に差し掛かり、ここから先は真っ直ぐな上り坂。

ここから愛宕駅までは堀割り部分となっている。

ようやく愛宕駅に到着。
階段部分を上り、駅舎を探索する。

駅舎は風化によりコンクリートが剥がれ、鉄筋があらわになっていた。

ほとんど鉄筋で保たれているような状態で崩落の恐れがあります。

1階部分の内部。
丁度自分が立っているところに巻き上げモーターが、写真の縦長スリット部分にはワイヤードラムが設置されていたのでしょう。

天井や壁も崩壊しかかっていて、気軽な探索は控えた方が良いです。
ヘルメットやグローブは必須で、あとは自己責任で。
2階部分にも登って見ましたが、ほとんど落とし穴状態で写真を撮る余裕はありませんでした。。

もう少し紅葉が進んでいたら、窓枠を額縁っぽくして雰囲気のある写真になったかも知れません。
愛宕駅外観。

愛宕駅にも案内看板がありました。
保存の動きでもあるのでしょうか?

愛宕駅から登山道のある方へ進むと、建物の残骸が残っていました。
これは併設されていたホテル基礎部分のようです。

壁だけになってしまった売店跡。
当時の酒瓶か。
清滝バス停から愛宕駅まで徒歩で4時間くらいでした。
他のケーブルカー廃線跡でもそうですが、上へ登るにつれて傾斜がきつくなります。また、足場も非常に不安定です。
廃線跡を歩かれる場合は、装備を整えて安全に充分配慮してください。
ちなみにこの愛宕山ケーブル後は登山道が並行していますので、廃線跡をチラチラ見ながら登山道を歩くのも面白いと思います。

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