2020/2/22  23:25 | 投稿者: 時鳥

Processingという、デザインやアートに特化したプログラミング言語がある、
と聞いてパソコンにインストールしてプログラミングをしてみる。
確かに簡単に図形が描けるのだけど、実行開始が遅く、
ちょっとパラメータを変えただけでいちいち再実行して待たなければならない。
一般公開もしにくく、実行形式(EXEファイル)で出力したら、
ウィルスチェックソフトに即座に削除された。
動画で出力したら、大したことしていないのにファイルサイズが大きい。
使い勝手がいまひとつよろしくない。

今、作っているくらいの単純な図形なら、JavaScriptで作れる気がする。
と途中で気が変わり、結局JavaScriptとHTMLのcanvasタグで作り直した。
ブラウザで動くし、パラメータもテキストボックスからその場で入力できる。
ブラウザの中で月がページをめくるようにぱたぱたと動き、雪が小降りや本降りになるのを眺める。

簡単な入口を作ったので、久しぶりにお知らせなどしてみる。
https://miyoshitomo.github.io/hisolab/index.html
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2019/9/9  22:03 | 投稿者: 時鳥

かの路地にまろげ失せにし誓ひ言 明けてちひさき秋の朝顔

鏑木清方の「築地明石町」が東京国立近代美術館で特別公開されるそうだ。
美人画を得意とした日本画家、鏑木清方の代表作とされながらも、
ここ数十年間、一般公開されていなかった。
三部作「築地明石町」「新富町」「浜町河岸」をこのたび東京国立近代美術館が
新収蔵することになり、そのお披露目で今回の特別展示が実現するのだそうだ。
いずれの土地も、銀座近辺で育った清方にとってはなじみ深い土地だ。
昭和の初め、50歳前後の清方が在りし日の空気を美女と共に描いた連作。
ほかにも「三遊亭円朝像」や「明治風俗十二ヶ月」などの所蔵の清方作品を
まとめて展示するという。

「築地明石町」は岩波文庫の『鏑木清方随筆集』の口絵で見てから四半世紀、
ずっと見たいと思っていた絵で、鎌倉の鏑木清方美術館で下絵を見ては
憧れを募らせてきた。
死ぬまでに本作が見られるようで、ほんとによかった。

「鏑木清方 幻の≪築地明石町≫特別公開」
会期:2019/11/1〜12/15 10時〜17時 金土〜20時(月、11/5休み)
会場:東京国立近代美術館 所蔵品ギャラリー第10室
観覧料:一般800円 大学生400円 無料観覧日11/3
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2019/7/31  22:37 | 投稿者: 時鳥

両国のシアターXで、「あえて、小さな魔笛」を見る。
本来、歌手16人と合唱が2時間半かけて演じる演目なのだが、
ここでは歌手4人が1時間20分で演じる。
オーケストラの役割を務めるのは、ピアノとフルートとファゴット各一名。
当然ながら、楽曲は相当に割愛されているし、台本も圧縮され、
子供もわかるよう台詞も変えられている。
舞台際の桟敷席には近所の子供が詰めかけ、森の動物役は近所の幼稚園の子が担当。
親しみやすくわかりやすく、枠組みだけ見ると夏休みのお子様向け演目っぽいのだけど、
実際に舞台に接すると、ここに子供だましは何もなかった。
「ここはもうちょっと聞かせてほしい」と感じる瞬間は確かにある。
登場人物がいないためにカットされたナンバーも惜しい。
でも、「魔笛」の芯は外していなくて、実はちょっとだれる台詞の応酬や
リフレインが消え、物語がスピーディーに展開する。
「魔笛」を知っていても、なるほどこう来るのか、と目から鱗が落ちる。

歌手4人の担当は、タミーノとパミーナの王道カップルは一人一役、
あとはパパゲーノ兼ザラストロとパパゲーナ兼夜の女王の二人。
パパゲーノとザラストロは、言われてみると一人の人間の両面のようでもある。
与えられた性格は軽薄おしゃべり対謹厳実直と正反対だが、声域は重なる。
同様に、パパゲーナと夜の女王も性格は反対ながら声はいずれも軽いソプラノである。
パパゲーノ&パパゲーナとザラストロ&夜の女王の組み合わせを見比べると、
相似図形を見ているような心地がする。
肌合いの異なる3種類のカップルを、侍女3人、童子3人、武士2人が
別々の角度から取り巻き、あくの強い黒人奴隷と無個性な弁者が配される。
魔笛の人物関係図はまるで幾何学図形だ。
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2019/7/3  21:52 | 投稿者: 時鳥

プラスチックのキャビネットに本を格納している。
ここ15年ほど、5段の引き出しがついたものを使って来たのだが、
だんだんにプラスチックが劣化し、ちょっと手を突くたびにばりばりと
割れるようになった。
それだけならば不用意に触らなければいいだけの話なのだが、
この頃は引き出しの重みで枠が割れてきて、下の引き出しが開かなかったり、
開けるたびにプラスチック片が飛び散るようになってきた。

置いている場所は室内、直射日光が常時当たる場所ではないのだが、
太陽の低い冬は直射日光が当たるし、間接的な光は一年中浴びている。
日光が当たる部分から色があせ、割れていく。
とうとう諦めて、劣化のひどい上2段を取り外した。
ベランダに出して変色した部分を強めにつかむと、面白いように割れる。
このまま全部が細かく割れてくれればゴミに出しやすい。
が、変色しているのは全体の3分の1から4分の1程度しかない。
どうしようかと考えて、気づいた。

日のそれほど当たらないところに15年置いて劣化が進むなら、
ベランダにひと夏置いて、雨風直射日光を惜しみなく降り注いだら
残りも劣化するのではないか。

かくして、今年の夏の自由研究課題が決まった。
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2019/5/31  23:30 | 投稿者: 時鳥

早稲田大学の小野記念講堂でリーディング公演を観る。
読上歌舞伎『何櫻彼櫻銭世中』
という題がついている。「さくらどきぜにのよのなか」と読む。

「ヴェニスの商人」を大阪を舞台に翻案した作品で、
1885年(明治18年)、宇田川文海が大阪朝日新聞で発表した連載小説が人気となり、
同年、大阪戎座で歌舞伎が初演された。
ポーシャは中川玉榮、シャイロックは枡屋五兵衛というように
登場人物はみな日本語の名前を付けられ、関係性も整理されている。
明治期の歌舞伎台本なので、現代人には耳慣れない言葉も出てくるが、
そこは演出で適切に注釈を入れてくれるので、するすると内容が頭に入る。
演劇としてちゃんと面白い。
ストーリーとしてはヴェニスの商人なのだけど、導入部の作り方、見せ場の置き方、
台詞のやり取り、場面の切り取り方などは歌舞伎の文法に完全に従っていて、
歌舞伎ネイティブの底力を感じる。
歌舞伎の文法が体にしみこんでいて、どこの国の何の話であろうと
歌舞伎で語ることができる人々がわんさといたんだと思う。

日本で初めて翻訳上演されたシェイクスピア劇は1911年の「ハムレット」だが、
翻案上演は四半世紀前から始まっていた。
小説は明治の初期から翻訳が行われていたが、戯曲はまず翻案から始まった。
活字単独で勝負できる小説とは違い、戯曲上演は社会的文脈に大きく左右される。
観劇習慣、社会習慣、劇場の構造、演技など、各種ハードウェア、ソフトウェアが
上演に当たっては必要で、明治初期の歌舞伎全盛の社会にあっては歌舞伎に翻案して
上演するのが最適解だった、というのが上演前の解説でのお話。

ポーシャが学者の家のお嬢様で、家のために亡き父の弟子の内から
婿を取らなければならなくて、その候補者の一人がバッサーニオ。
シャイロックは娘ならぬ姪を女衒に売り飛ばそうと茶屋に連れてきていたが、
たまたま居合わせたポーシャが彼女を助け、自分の侍女にする。
ネリッサとジェシカの二人を合わせたような姪のお梅は、
アントーニオに気にかけられている。
シェイクスピアの戯曲は何本ものストーリーが同時進行しているが、
歌舞伎では適切に整理され、背景も納得できるものに読み替えられている。
しかし流石にシャイロックがユダヤ人であるということは拾いきれなかったのか。
ただの守銭奴、金もうけのためなら何でもする薄い悪役になってしまっていた。
シャイロックが差別されるマイノリティであるということが、
「ヴェニスの商人」という劇の厚みにつながっていると思うのだけど。

参考)
国立国会図書館デジタルコレクション
『何桜彼桜銭世中 : 花莚七枚』
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/896892

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2019/5/2  22:22 | 投稿者: 時鳥

4月30日17時過ぎ。
ぱちぱちとキーボードをたたいていると、いきなりインターネットに接続できなくなった。
室内モデムのランプが点灯していない。
電源をコンセントから抜いて、深呼吸を2つしてから再起動してみても、やっぱりひとつもランプがつかない。
さて、一大事だ。
作りかけていた打上花火プログラムは放り出して事態の収拾を図る。

契約時の書類を引っ張り出してサポートセンターの電話番号を確認。
5分以上待った末にやっとつながり、翌朝、作業員が来るということで話がまとまる。
ほっとしてふっと客観的になった。
この部屋はあまりにも汚い。

突如、大掃除が始まった。
掃除機をかけ、一部ぞうきんをかけ、なぜかトイレ掃除とアイロンかけをし、ハンドソープを補充する。
かくして、平成最後の夜は片付けで更け、令和最初の朝は片付けで始まり、部屋は何とか他人を入れられる状態に回復した。
いい加減に掃除をしろ、という天の声だったのだろうか、この故障は。

故障の原因は室内モデムが物理的にお亡くなりになったことで、機器を交換したらあっさりつながった。
きれいになった部屋と、慣れないことをしたせいか風邪をひきこんだ住人が後には残された。
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2019/3/30  19:37 | 投稿者: 時鳥

新元号についてのニュースが小うるさい。
どうせ明後日になればわかるし、わかったところでどうにかできるものでもないのに。
漢字2文字でイニシャルがMTSH以外で変換にそんなに困らない字で画数少なめなら何でもいい。
職業的には、3文字以上だったら地味に衝撃が大きい。
2文字であることを前提に組んでいるフォーマットや画面があるはずだけど、調べなければわからなくて、調査範囲が広大だから。
通常業務をこなしながら1か月で調べて対応もせよと言われたら、率直に無理。
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2019/3/30  19:21 | 投稿者: 時鳥

2021年にEUがサマータイムを廃止するというニュースを読んだ。
うん、それが世の流れ、これからサマータイムを導入しようと考えるのは烏滸の沙汰というものだ。
ある日を境に全員が時計を1時間進めたり戻したりするなんて、無駄でしかない。
なお、サマータイムと冬時間、どちらを選ぶかは各国の判断にゆだねられるのだそうだ。
ってことは、今7時の国の東隣に8時の国があって、そのまた東隣に7時の国があったりもするのだろう。
ピースの入り組んだ時差地図が頭に浮かぶ。
時差がぐちゃぐちゃになって面倒そうだけど、そこはその国が決めるべきところだから仕方がない。
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2019/3/18  23:05 | 投稿者: 時鳥

落書き禁止、という札が塀にあった。
落書きをする人がいるらしい。
しかし、落書きOKの塀なんて、私はあんまり見たことがない。
落書きをした人だって、ここが落書き禁止だってことくらい、札がなくとも先刻承知だろう。
「小便禁止」の札は出来心の制止に役立つと思うけど、
描くものをわざわざ用意して来た人が札を見て果たして思い止まるのだろうか。

「ここまで落書きOK」って札を近くに出したらどうだろう。
この先は駄目なんだってわかって、少なくともこの塀だけは落書きが減るかもしれない。
周辺は落書きが増えるけど。
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2019/2/27  22:09 | 投稿者: 時鳥

「ホフマニアダ ホフマンの物語」という映画のチラシを入手する。
「チェブラーシカ」や「霧の中のハリネズミ」を制作したモスクワのスタジオが作る、
長編パペットアニメーション。
台本はE.T.A.ホフマンの小説5編を下敷きにしている。
清楚と妖艶、無邪気と残酷、純情と悪意が入り混じっていて、何かとてもいい感じ。
ついついチラシに見入る。
古めかしい人形なのが、かえって味わいを深めている。
なお、音楽はオッフェンバックではなく、シャンドル・カラシュとなっている。
東京都写真美術館で4月に公開予定とのこと。
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2019/2/14  22:27 | 投稿者: 時鳥

鞄の中の電話が、鳴ってはいけないところで鳴り始める。
鞄の上から押さえても音は小さくならない。
止めるには鞄から出してスイッチを押さないといけないが、鞄から出すと音が大きくなる。
小さいスイッチを押そうとするから時間がかかる。
一定以上の衝撃を受けると止まるって機能が盛り込まれていれば。
そうすれば、鞄の上から叩くだけで済むのに。
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2019/1/25  21:42 | 投稿者: 時鳥

2018年に見に行った展示の類をざっと数えると、154となった。
複数回見に行ったのを都度カウントすると、もう12ばかり増える。
ほかに、ニューヨーク旅行で行ったところが7か所。
最近、展示を見に行きたいと思わなくなってきて、特に下期は足を運ぶ回数が激減している。

ベスト2
府中市美術館「長谷川利行 七色の東京」(6月)
千葉市美術館「岡本神草の時代」(7月)

次点:
ギンザ・グラフィック・ギャラリー「平野甲賀と晶文社」(2月)
写真歴史博物館「言葉を超えた写真家 富山治夫 現代語感」(8月)
有楽町朝日ギャラリー「下村兼史 生誕115周年 100年前にカワセミを撮った男・写真展」(9月)
ギンザ・グラフィック・ギャラリー「続々|三澤遥」(12月)

ニューヨークはメトロポリタン美術館とブルックリン植物園、
アメリカ・インディアン博物館が良かった。
ニューヨーク市立図書館も美しい。
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2019/1/21  21:02 | 投稿者: 時鳥

忙しさに取り紛れていたら、あっという間に1月も下旬。
まだ初詣にも行っていない。
すぐ近くなんだけど、部屋にいるときは思い出すんだけど、外に出た瞬間忘れる。

こちらはぴんしゃんしております。
大変大変遅くなりましたが、ことしもよろしくお願いいたします。

去年読んだ本のベスト、感想は無理だけどタイトルだけは挙げておきます。
読了本は139冊。

ベスト5
『<インターネット>の次に来るもの』ケヴィン・ケリー NHK出版
『奇っ怪紳士録』荒俣宏 平凡社
『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』金水敏 岩波書店
『進化とは何か』リチャード・ドーキンス 早川書房
『しらずしらず』レナード・ムロディナウ ダイヤモンド社

次点
『ジェンダーで学ぶ言語学』中村桃子(編) 世界思想社
『舟を編む』三浦しをん 光文社
『超ヤバい経済学』スティーヴン・D・レヴィット、スティーヴン・J・ダブナー 東洋経済新報社
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2018/12/24  20:58 | 投稿者: 時鳥

クリスマス・イブなので、『ラ・ボエーム』のDVDを観る。
クリスマス・イブのパリで貧乏詩人と肺病病みのお針子が恋に落ちる話。
第2幕はパリのクリスマスの雑踏がそのまま舞台にのせられていて、
エキストラの衣装や動きを見るだけでも楽しくて仕方がない。
観たDVDはフランコ・ゼッフィレッリの演出で、この雑踏シーンで名高い。
この幕が見たいがために見始めたけれど、
第1幕の二人の出会いも聴かないわけにはいかないし、
第3幕の別れも第4幕の臨終も落とせない。
結果として全曲を観て、もう何十回と聴いているのに泣かされる。
泣けるオペラという意味で、右に出る作品はないんじゃないかと思う。
プッチーニは感情に訴えるタイプのメロディメーカーだけど、
彼の作品の中でも一番泣かせに来ているのが「ラ・ボエーム」だ。

薄暗い屋根裏部屋で二人が恋に落ちる第1幕、
華やかなパリの雑踏と入り乱れる人間模様が目にも耳にも楽しい第2幕、
雪に覆われた夜明けの静かな関門で病んだお針子が詩人に別れを告げる第3幕、
第1幕と同じ屋根裏部屋でお針子が死んでいく第4幕と、
各幕ごとのムードや緩急がとても上手に配分されていて、
さすがプッチーニがこだわりぬいた台本、と思わされる。

クリスマスの時期、ドイツでは子供向けに「ヘンゼルとグレーテル」が上演されることが多い。
アメリカなら「アマールと夜の訪問者」。これはメノッティの現代オペラで、キリストの誕生を祝いに行く三賢者と足の悪い子供の話。こちらも割と子供向きの演目。
あとクリスマスを題材にしているオペラというと、「ロング・クリスマス・ディナー」というそのものの作品があるけれど、滅多に上演されないし、ストーリーが物寂しい。
マスネの「ウェルテル」も終幕はクリスマスだけど、淋しいクリスマスな上、主人公の死で終わるのでわざわざ聴きたくはならない。
というわけで、クリスマスの祝祭感を味わえるオペラと言うと、どうしても「ラ・ボエーム」に走ることになる。
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2018/12/18  22:38 | 投稿者: 時鳥

眠りの森の美女について考える。
オーロラ姫が百年の眠りにつくと、両親の王と妃から城の下働きまでの関係者も眠りにつく。
良い妖精の配慮なのだろうけど、一体どこまでの関係者が眠りについたかが気になっている。
お城で働く人にも家族がいる。
当時のことだから、家族含めて城内にいるケースが多いだろうが、離れて暮らす親類が人によってはいるだろう。
でも、別の町に住む親戚まで眠らせるとその関係者も自動的に眠らせることになり、最終的には全世界を眠らせるよりほかなくなる。
全世界が眠ると、助けに来る王子様も生まれない。
だから、どっかで線を引いて眠らせる人と眠らせない人を分ける。
国境で隔てられた西東ドイツや朝鮮半島みたいなものだが、ここにあるのは百年の時の境目、分けられるのは、今生の別れを一方的に宣告されるに等しい。
良い妖精には果たして、その境界線が正しく引けたのだろうか。
そんなことのできる者がいるとは思えないのだが。
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