塗る日

2013/7/31  22:53 | 投稿者: 時鳥

ペンシルパズルの一種に、浮き出しメイロというものがある。
メイロの入り口から出口までを最短ルートでたどると、通った道筋が絵になって浮かび上がる。

このパズルのメイロは、大抵がぎっしりと入り組んでいる。
初めて解く人には、ここから最短ルートを導き出すなんて途方もない作業のように思えるかもしれない。
実際、闇雲に入り口からたどっていたら、いつまで経っても終わらないだろう。
でも、このパズルを解くには定石があり、それさえ知っていれば誰でも確実に解くことができる。
その定石とは、袋小路や回り道を見つけ次第、塗りつぶしていくということだ。
通らない道を全部つぶすと、通る道だけが白く浮き上がる。ネガポジ反転しているが、答えには違いない。
最初は何の手がかりもなかった空白地帯が、解くにつれて少しずつ黒く染まり、答えの輪郭が徐々に見えはじめる。
見えてくる過程がこのパズルの醍醐味で、そういうものだと知っているから、まだ何も見えていない段階でもこつこつと手を動かし続けることができる。

いろいろやってるのに前進しない日、うまくいかない方法ばかり見つかる日、ふと、浮き出しメイロのことが頭に浮かぶ。
今日は袋小路を塗りつぶす日だったのだと、考えてみる。
考えられる日もあれば、考えられない日もある。

「うまくいかない方法を千通り見つけた」と某発明王はのたもうた。
基本的な発想は同じだ。あんなに力強く言い切るには、まだまだ修行が必要だけど。
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