つづいててもべつ

2017/6/14  22:33 | 投稿者: 時鳥

銀座七丁目のガーディアン・ガーデンで影山紗和子さんの個展を見る。
「バクルームは地下」というのが個展のタイトルで、入ると、ドアのすぐ横から向こうの角まで、1枚の長い絵が続いている。
角をはさんで次の絵が、また次の角まで。そうして四方の壁の端から端まで絵巻物のように絵が続いて、ドアのすぐ横で終わる。終わったその絵は始まりとつながっていて、無限ループ構造になっている。
全体で「バクルーム」、1枚ごとの絵には「マジパンサスペンス編」「もぐら王国夕食会編」「改造人間もう見たくない編」などといったタイトルが付けられている。
絵だけれど、どんな絵か、何の絵か、と問われると返答に窮す。
絵の真ん中あたりに主人公らしき生き物がいて、残像を描きながら絵巻物の中をずーっと移動している。女の子だったのが帽子の化け物みたいになったり、猫だったのが河童になったり。怪しいサンドイッチの機械はネズミっぽいものをはさんでいるし、ぬいぐるみはかっさばかれて綿だか腸だかがはみ出す。
目のさめるような楽しい色彩感覚、ふやっと柔らかな、つついたらゆがみそうな線、かわいさとグロテスクが入り乱れたタッチ。夢かアリスの世界っぽいけど、夢にしては目まぐるしい。試験前とかに焦りながら昼寝をしている時、こんなだった気がする。
延々とループする不条理な世界の謎をちょっとでも解こうとして見入ると、癖になって、ミイラ取りがミイラになる。
画面の真ん中を横断する生き物はめまぐるしく変化して、2歩前と今ここでは、まったく違う姿に変わっている。
残像みたいに、分身みたいに、軌跡みたいに、絵は連続しているから、当人の意識は途切れていない。自分は自分だと思っているだろう。
けれど傍から見たら、同じ生き物とは思えないくらいに違ってしまっている。
実はわたしも傍から見たらこんなだったりして。
そんなことを、ひょいと思う。
数年前に描いた文章を読み返すと、確かに文章を書いた記憶はあるのだけど、今の自分とは違う人が書いたみたいに思えることがある。
1ヶ月前にした仕事がまったく記憶になくって、過去の自分に感心したり罵倒したりする。
あれって、ここに描かれている河童と2歩前の猫みたいなもので、わたしじゃない誰かのやったことに、もうなっちゃってるのかもしれない。現実逃避、責任回避。

参考:
http://rcc.recruit.co.jp/gg/
※会期は6月16日まで
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