翌日の私

2017/9/17  23:21 | 投稿者: 時鳥

初台の東京オペラシティアートギャラリーに足を運ぶ。
ここでは現在、「第20回文化庁メディア芸術祭受賞作品展」を開催中である。
今日のお目当ては、映像作品「LISTEN」の上映を見ること。
見終わった後に展示室にも足を向けたのだ。

「あなたは、翌日私に会いにそこに戻ってくるでしょう。」という題名の作品が展示されたスペースで、しばらく足を止める。
津田道子さんの作品で、新人賞を受賞している。
去年のICCオープン・スペース2016で長期展示されていた作品で、今回は同じ建物内の別のギャラリーでの展示となった。

12の枠が天井から吊られている。
枠は素通しだったり鏡だったり、ちょっと離れた場所にあるカメラからの映像を投影したスクリーンだったりする。
いると思った自分がいなかったり、いきなり後姿で現れたり、別の枠に邪魔されて下半身だけが見えたりする。
あれっ、と、思う瞬間の連続。枠の間をぐるぐると回遊する。
この中にはひとつだけ、24時間前の展示室を映すスクリーンがある。
それが題名の由来である。

そういえば、昨日も大体、これくらいの時間に来ていたっけ。
件のスクリーンの前で自分が現れるのを待つ。
しばらく待つと、やってきた。
翌日の自分に待ち伏せされているだなんて思いもしないから、何の気なしに歩いてくる。
今いるこの場所を歩く、昨日の自分を見て、奇妙な気分になった。
同じ大きさの紙を2枚重ねて、下の文字を透かして見ているような、二重写しの感覚。
確かに私で、こんな行動をした記憶もあるけれど、この視点ではなかった。
今日の私が待ち伏せしようなんて気まぐれを起こしたから、昨日の私は待ち伏せの餌食になっている。
待つ人と待たれる人が同一人物。これもおかしな感じ。

「あなたは、翌日私に会いにそこに戻ってくるでしょう。」津田道子 2016年
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